目次
- ■ 相続人関係図
- ■ 相続財産
- ■ 依頼までの経緯
- ■ 依頼内容
- ■ 対応と結果
- ■ ポイント
■ 相続人関係図
相続人は、配偶者(妻)と長男・二男の3名。
■ 相続財産
自宅の不動産(土地・建物 二男夫婦と同居)、収益アパート(持分1/2、残り1/2は長男名義)
月極駐車場、預貯金、生命保険 ※受取人は配偶者(妻)
※長男は都内マンションを被相続人からの贈与により購入。
■ 依頼からの経緯
相続の手続きについて奥様と二男から相続相談をいただきました。
相続税の概算と税理士、司法書士の選定と売却手続きの相続手続きについての相談であり、分割については、被相続人が生前に次のように分けるように指示があったようです。
自宅(土地・建物)は、奥様と二男(二男夫婦が同居)、アパートの持分は奥様、預貯金は奥様、相続税は月極駐車場の土地を売却して、万一現金が残った場合には二男が取得。
通常の流れに沿って、税理士、司法書士の選定を行い、今後の相続税納付までのスケジュール表を作成、相続税評価を行うため、必要な戸籍等や土地建物に関する資料を揃えます。
そして、資料が揃ったところで、スケジュールの説明と概算税額をお伝えさせていただき、その後税理士より1回目の相続税額の説明に入ります。
しかし、何ら問題ないように思われていたのですが、土地建物に関して、資料を揃え、確認していると、共有名義のアパートに疑問が、
不動産の親と子の共有名義は、よくあることですので共有名義自体に問題はありません。確認しなければならないのは、実際、子供が資金を捻出しているのか、と言うことです。
親と子の共有名義の場合、実際には親がすべて資金を出しているにもかかわらず、共有名義にしていることがあります。
今回、土地・建物の登記事項証明書を確認すると、購入時に金融機関より借入した融資金額はすべて返済されていました。この返済自体は良いのですが、購入時の子の年齢は29歳、全額返済したのが34歳。
購入と含めて確認したところ、アパートの長男名義は、被相続人からの資金提供であることがわかりました。
ここで問題なのは、
①そのままにして、税務署の指摘を待つ。
②贈与として申告をする。
③借り金として処理する(被相続人の貸金となり、相続税評価額が高くなります。)
今回は、長男のお勤め先や相続税額を含めて税理士と相談のうえ、被相続人の貸金として処理しました。
※実際、貸金です。利息は?と心配されるがおいでなると思われますが、親子間の場合、利息は年間110万円以内となり、問題はありません。
■ 依頼内容
相続手続きについては相続税の概算と税理士、司法書士の選定と売却手続き
貸金の書類作成と奥様の今後を考え、任意後見契約と財産管理の委任契約の補助
■ 対応と結果
貸金は奥様が相続することにし、アパート持分は長男にしました。
長男、二男ともに十分な年収があるため、アパート収益は返済金として奥様(お母様)に支払い、ある程度の年数により売却し、残債分を一括返済することで確認書を作成しました。
併せて、お母様の認知症等のを備えるため、二男との間にて任意後見契約および財産管理の委任契約を結びました。
相続財産については、
自宅の不動産(土地・建物)は、奥様と二男
収益アパート(持分1/2)は長男名義、貸金は奥様へ支払う
※奥様が認知等になり、施設への入所の場合、売却のうえ、奥様(お母様)へ返済し、施設の費用に充てる。
預貯金は、奥様
相続税の納付は、駐車場を売却し、残った金額は二男が相続。
■ ポイント
今回のような、不動産において親子間の共有名義の場合には購入代金を誰が支出しているのか、確認する必要が生じる場合があります。
長男、次男共に給与が高く、相続により財産を充てにする必要がなかったことがすくいですが、すべての方にこのような事例が当てはまるわけではありません。
将来的な相続の場合を含めて共有名義等により不動産を購入する場合には専門知識のある方に相談のうえ行うことをオススメします。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠
私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
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