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6.172023

コラム

相続実例①36年間遺産分割協議が整わない事例

本日より、月イチにて相続実例をご紹介させていただきます。                       よろしくお願いいたします。

相続実例①

■36年間父親の相続における遺産分割協議が整わなかった事例

●父親が36年前に亡くなられました

相続人の二女の方より相談を受けました。36年前に亡くなった父親の相続手続きができていないとのこと。

相続人は二女、養女、次男の代襲相続人3名(A・B・C)の5人。

ところが、様々な理由から相続手続きができないまま、36年の歳月が流れてしまったようです。

二女、養女、代襲相続人Cは、他県に住み、父親が亡くなった後は、空き家となっていました。

相続関係説明図

相続;相続関係説明図(コラム)

●なぜ?遺産分割が進まなかったのか?

父親が亡くなった時、相続人は二男、三男、二女、養女の4人でしたので、この4人で遺産分割協議を行っておけば問題はありませんでした。

しかし、父親のなくなる以前からあまり付き合いがなく、葬儀後、納骨も終わらないうちに、相続の話で揉めたらしく、以後連絡も取り合わず、36年の歳月が流れたようです。

●相続財産 

相続財産は、実家の土地および家屋

相続税は、基礎控除内のため、発生しません。

●父親の相続をまとめていないため、代襲相続人が発生

前記したとおり、父親が亡くなった時、相続人は二男、三男、二女、養女の4人でしたので、この4人で遺産分割協議を行っておけば問題はありませんでした。

その後、分割協議がまとまらずに歳月だけが流れ、次男が亡くなり、代襲相続人を含めた5人で遺産分割協議をすることになります。

●依頼内容

二女の方が相談に来られた理由は、収入がなく市役所から固定資産税・都市計画税を支払うよう催促されており、父親の所有している不動産を処分して現金化したい。ただし、相続における遺産分割協議ができていないので相続人を探して不動産を売却してほしいいうことです。

父親の相続の手続きがいまだにできていない要因でもありますが、二女がほかの相続人にひどい仕打ちをしていたことから、相続人を探しても会ってくれるかわからないと感じています。

よって私に相続人を探し、手紙を差し出して、不動産の処分に協力してもらいたいということです。

二女の方より、相続人の住所地の調査の依頼および売却の意思の確認の依頼を受け、まずは、被相続人の出生から戸籍・戸籍の附票を取得することに、相続人の方々は、本籍地の移動が多く、取得まで2ヶ月かかりました。


法定相続人が確定でき、すぐさま各法定相続人に手紙をお送りさせていただきます。繰り返しになりますが、二女の方曰く、過去の仕打ちを考えて私の方で文面を考え、二女の方に直筆にて手紙を書いていただきました。

法定相続人に手紙を送ったところ、法定相続人の皆様から「円滑な手続きをしたい。ただし、過去の仕打ちの怖さから私が来てもらいたい」という返事がきました。

法定相続人である二女を除いた4人とお会いさせていただき、過去の仕打ちなどをお聞きさせていただきましたが、かなりのものです。

●結果

法定相続人の方には何度かお会いさせていただき、遺産分割協議の席についていただくことの了承をいただき、その後不動産の売却を行うことを併せて承諾いただきました。遺産分割協議書の作成に当たっては司法書士に依頼を行い、その後スムーズに署名押印まで進むことができました。

相続財産である自宅は二女名義として売却も完了し、固定資産税・都市計画税の滞納分も支払うことができ、依頼は完了いたしました。なお、二女以外の法定相続人には少額ではありましたが現金にて分割をさせていただきました。

●ポイント

①相続手続きを完了せずにいますと、代襲相続により法定相続人が増え続けてしまします。どのような事情であっても早めに処理を行ってください。今回の事案では代襲相続人Cは、ほかの法定相続人にとって全く知り得ない存在でした。
②今回の相談では、過去の仕打ちを聞かざるを得ない状況ですが、相続手続き時において法定相続人間に感情的なしこりがあり、その理由やいきさつを聞いてしまうと、過去の恨みもつらみなどマイナス感情を引き出し、収拾がつかなくなる場合があります。

■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

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