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2.192024

コラム

相続実例⑨公正証書遺言を実行せず、分割協議を行った事例

相続実例

■ 公正証書遺言を実行せず、遺産分割協議を行った相続事例


目次

  • ■ 相続人関係図
  • ■ 相続財産
  • ■ 依頼までの経緯
  • ■ 依頼内容
  • ■ 対応と結果
  • ■ ポイント

■ 相続人関係図


相続人は、お亡くなりになられたご主人の奥様と長男・次男・長女・三男の5名。

■ 相続財産


① 土地・建物

② アパート2棟

③ 月極駐車場

④ 現金

■ 依頼までの経緯


今回のご相談は、以前から当社が賃貸管理と資産管理を受けているオーナー様が亡くなられたことに対するご依頼です。

当社は、賃貸管理を受けている方全員に資産管理を含めた相続対策から相続処理まで一貫して行っており、その委託を受けているオーナー様のご家族より、ご依頼をいただきました。

相続対策もすでにオーナー様の生前に相続税額、相続税納付のための売却地の選定、公正証書遺言の作成、遺留分対策用の生命保険の加入まで完了しております。

また、そのご家族様にも内容は通知済です。

■ 依頼内容


① 相続税の申告手続きの保佐。

② 税理士との調整。

③ 遺言手続きの保佐。

④ 納税資金のための売却手続き。

二男への説明と今後の対応

■ 対応と結果


お気づきの方もおいでになると思いますが、今回の問題点は、依頼までの経緯:遺留分対策用に生命保険を組んでいる点と依頼内容:二男への説明と今後の対応からもわかるように、二男が問題となっていたのです。

長男、長女、三男は自立しており、なんら心配はありません。

ただ、二男が問題。亡くなったオーナーとは性格的に合わず、度々衝突することも。

また、ギャンブルで借金を作り、その返済は亡くなったオーナーが支払うということも。

そのため、公正証書の遺言では二男への相続分をなくし、遺留分の減殺請求に備え、長男を受取人とした生命保険を組み、いざ、と言う備えをしていたのです。

ところが、オーナーが亡くなったという知らせを聞き、弔問すると周りの目をはばからず、亡くなったオーナーにしがみ付いて泣きながら詫びを入れていました

通夜、告別式と参列しましたが、二男は、私の知る限り亡き通しだった気がします。

告別式も終わり、今後の打ち合わせで奥様と長男、長女に呼ばれ、ご自宅にお伺いした際、二男の件を聞いたところ、通夜・告別式が終わったあとも「俺が、おやじを早死にさせた」と泣いていたそうです。

その後、四十九日前ですが、私の方から二男へ連絡をいれ、遺言の内容を伝えることに。

二男からは、「俺がだらしないばかりにおやじを早死にさせたのだと思います。借金も返済してもらった。ですから遺言とおりにしてください。」という返答をもらいました。

最終的に、奥様・長男・長女・三男との話し合いの場で、相続人全員より生命保険金は二男に渡したい、という話がでました。二男からは断りの話がありましたが、生命保険の受取額の半額を二男に渡すという結論で遺言を実行せず、相続人による遺産分割協議書を作成して完結しました。

実は、亡くなられたオーナーからも、遺言で二男への相続はさせないと記載しますが、二男が更生してくれれば財産を分けてやってほしい、という遺言は託されていましたので一安心した事例です。

※ちなみにその後二男はすっかり人が変わり一生懸命に働いています。

■ ポイント


今回の事例のように相続人の中には生前亡くなられた方に迷惑をかけ続くていた方もいます。

今回は、親の死に直面して今までの自分を悔い改め、更正してくれましたので助かりましたが。他の事例では遺留分の減殺請求をしてきた相続人もいます。

万一のために、公正証書による遺言と遺留分に見合った財産、または生命保険で対応できるよう工夫をしておくべきです。

そして肝心なのは1次相続が終わっても二次相続があるということです。

まだ先の話だから、と言わずにその家族に合った対処法があるのか、専門家にご相談しておくことをおススメします。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

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