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12.232024

相続実例⑲相続手続きにおいて子の離婚が絡んだ相続事例

目次

  • ■ 相続人関係図
  • ■ 相続財産
  • ■ 依頼までの経緯
  • ■ 依頼内容
  • ■ 対応と結果
  • ■ ポイント

■ 相続人関係図


相続人は、配偶者(妻)と長女、次女、養子(長女の夫)の4名。

■ 相続財産


自宅の不動産(土地・建物)、その他

※今回の事例は、相続財産の詳細は控えさせていただきます。

■ 依頼からの経緯


ご相談について奥様と次女から相談をいただきました。

亡くなられたのは、ご主人。自営をされていた方です。

お父様は、どうしても自分が始めた商売を子供に引き継いでもらいたく、長女の結婚を機にその配偶者(養子)と養子縁組をされました。

養子は養子縁組と併せて勤務されていた会社を辞め、お父様の会社を引き継ぐため、その会社に入られました。

その後、しばらくはお父様と養子との関係は良好だったようですが、商売のやり方で衝突することになり、養子と長女との関係も悪化していきました。

そんな折、お父様の相続が発生し、遺産分割協議が停滞している時期で相談に来られたのです。

遺産分割協議が進まない主な理由として

①養子が被相続人の会社を引き継ぎたい

②配偶者・長女・次女は会社の経営から外れてほしい、長女と離婚してほしい。

養子から見れば、長女と結婚するからと言って勤めていた会社を辞めてまで養子に入ったのですから、言い分としては間違っていません。

しかし、配偶者・長女・次女から見れば、養子と長女の間に子供がおらず、最悪の場合、養子側の家系に会社が流れることになります。

このような経緯から遺産分割協議が停滞している状態です。

■ 依頼内容


相続税納税のための売却

弁護士の紹介 ※会社の顧問弁護士は養子と揉めてしまった関係

■ 対応と結果


遺産分割協議と離婚に向けての話し合いは分けて考えることが大切です。

しかし、今回弁護士と同行し、感情的に分けてことを進めることは難しく、養子と長女の離婚を含めた遺産分割協議を進めることになりました。

結論として、会社の経営は奥様。そのほかの財産は養子に法定相続分の6分の1と併せて奥様が取得するお父様の財産(会社関係を除く財産)の一部をプラスして遺産分割協議と長女との離婚をまとめることができました。

このため、当初予定していた売却面積より多く、売却しなければならなかった点は残念ですが、被相続人が築き上げた会社を守ることができたのは成果としてよかったのではないでしょうか。

今回、養子が会社経営を諦めた理由は、次の3点です。

①配偶者、長女、次女に自社株の一部を移転していたこと。

②会社の役員が配偶者側についてくれたこと。

③金融機関が配偶者でなければ融資を断ると断言してくれたこと。

被相続人と配偶者が社員や取引銀行にどのように接していたかが伺えました。

そして、離婚、被相続人との死後離縁、配偶者との離縁を行い、業務を完了しました。

【死後離縁】

■ ポイント


子の配偶者を養子縁組すると、相続税の節税や法定相続人の増加などのメリットは確かにあります。

しかし、メリットがある一方トラブルに発展する可能性もあります。

養子縁組をめぐって揉める可能性と言うのは次の点です。

●離縁が難しい

●他の相続人との争いが起こる

●子の配偶者の親族に財産が渡る可能性がある

●遺産分割協議で揉める可能性がある

養子縁組を行う場合、メリット・デメリットを比較して、万一の場合に対応できるようにしておかなければなりません。

相続対策行う場合、専門的知識のある方に相談のうえ、行っていただくことをおススメします。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

■ 資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

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