
目次
- ■ はじめに
- ■ 藤沢市の相続で多い「平成築の建て替え戸建て」と「分譲マンション」
- ■ 「売却」を選ぶメリットと税金の優遇措置
- ■ 「賃貸」を選ぶメリットと、現役世代が知るべき「維持費・税金リスク」
- ■ 目を背けられない「災害」と「事故(孤独死・自殺)」のリアルなリスク
- ■ 売却か賃貸か?迷ったときの「3つの決断基準」
- ■ まとめ
■ はじめに
現役世代が知っておきたい税金・維持費・災害リスクと賢い選択基準
「藤沢市にある親の実家(一戸建て・マンション)を相続することになったけれど、誰も住む予定がない……。売却して現金化すべきか、それとも賃貸に出して家賃収入を得るべきか、どちらが正解なのだろう?」
今、このようなご相談に訪れる現役世代(30代〜50代)の方が非常に増えています。
湘南エリアの中心として根強い人気を誇る藤沢市は、全国的に見ても不動産価値が下落しにくい恵まれた地域です。だからこそ、「手放すのはもったいない」「有効活用できるのでは?」と悩まれるのも当然のことと言えます。
しかし、不動産の相続は、一歩間違えると「思わぬ税金の負担」や「現役世代のライフプランを脅かすリスク」を背負い込むことになりかねません。
実は、藤沢市の相続物件には特有の傾向があります。
大手の画一的な分譲地とは異なり、「親御様が中古で家を購入した後、平成以降にこだわりの注文住宅などで建て替えた戸建て」や、駅周辺に点在する「利便性の高い分譲マンション」が非常に多いという点です。
本コラムでは、こうした藤沢市ならではの実情を踏まえ、現役世代の皆様が「売却」と「賃貸」のどちらを選ぶべきか、税金面や維持費、さらに災害や事故といったリアルなリスクを交えながら、プロの視点で分かりやすく解説します。
■ 藤沢市の相続で多い「平成築の建て替え戸建て」と「分譲マンション」
一般的に「相続した実家」と聞くと、昭和の時代に建てられた築古の家をイメージされる方が多いかもしれません。
しかし、現在の藤沢市で相続を迎える物件の多くは、親御様が平成に入ってから建て替えた状態の良い「一戸建て」や、管理体制の整った「分譲マンション」です。
建物や部屋自体がまだしっかりしており、少し手を加えれば十分に住める状態であるため、相続したお子様世代にとっては、選択肢が広がる一方で、より判断が難しくなるという背景があります。
「これだけ綺麗な戸建て(マンション)なら、人に貸せばすぐに借り手が見つかって、毎月安定した家賃収入になるのではないか?」
そう考えるのは自然なことです。
しかし、ここに大きな落とし穴があります。不動産を「売る」のと「貸す」のとでは、かかる税金の仕組みも、将来的なリスクも180度異なります。まずはそれぞれのメリットとデメリットを整理していきましょう。
■ 「売却」を選ぶメリットと税金の優遇措置
まずは、多くの相続人が最終的に選択する「売却」についてです。平成築の物件やマンションを売却する場合、現役世代にとって非常に有利なポイントがいくつかあります。
メリット①:建て替え時や購入時の「領収書」があれば譲渡税を大幅に抑えられる
不動産を売却して利益(譲渡益)が出た場合、その利益に対して「譲渡所得税」という税金がかかります。この税金は、「売却金額」から「当時の購入費用(取得費)」と「売却にかかった経費」を差し引いた金額に課税されます。
古い不動産の場合、当時の契約書(領収書)を紛失しているケースが多く、証明書類がないと売却金額のわずか5%を取得費として計算しなければならないルール(概算取得費)があるため、税金が非常に高くなってしまいます。
しかし、親御様が平成以降に「建て替えた」戸建てや、比較的新しい「分譲マンション」であれば、当時の建築請負契約書や売買契約書、領収書が大切に保管されている可能性が極めて高いのです。これらが残っていれば、取得費を正しく計上できるため、売却時の譲渡所得税を大幅に低く抑えることができます。
メリット②:遺産分割(財産分け)がスムーズで揉めない
現役世代の相続で最も多いトラブルが、兄弟姉妹間での財産の分け方です。
実家という「1つの不動産」のままでは均等に分けることができません。不動産を売却して現金化(換価分割)してしまえば、1円単位できれいに分けることができるため、将来的な親族間のトラブルを未然に防ぐことができます。
メリット③:解体や片付けの費用負担リスクが低い
平成築の戸建てや分譲マンションであれば、建物自体にまだ十分な市場価値があります。
藤沢市はファミリー層や移住者に人気のエリアであるため、解体する必要はなく、「良質な中古物件」としてそのまま高値で売却できる可能性が高いのです。
■ 「賃貸」を選ぶメリットと、現役世代が知るべき「維持費・税金リスク」
次に、実家を売らずに「賃貸物件」として活用する場合を見ていきましょう。一見、魅力的に思える賃貸経営ですが、現役世代(給与所得がある方)にとっては非常に重い「コストと税金のリスク」が隠されています。
賃貸のメリット:将来の相続税対策
もし、あなたが「自分自身に万が一のことがあった時、この不動産をさらに自分の子供に引き継がせたい。
その際の相続税を抑えたい」と考えているなら、賃貸にするメリットがあります。
他人に貸し出している土地(貸付事業用宅地等)は、将来の相続時に土地の評価額を200㎡まで50%減額できる「小規模宅地等の特例」が適用できるため、将来の相続税を大きく抑えることができます。
⚠️ 知っておくべき維持費リスク【戸建て編】:大規模修繕の波
親御様が建て替えてから20年〜30年が経過している戸建ては、賃貸に出した直後、または数年以内に必ず「外壁の塗装や屋根の防水工事」「水回り設備の交換」といった大規模修繕の波が押し寄せます。
これらは一回あたり100万〜300万円規模のまとまった出費となり、すべて家主が負担しなければなりません。
⚠️ 知っておくべき維持費リスク【マンション編】:空室時の固定費と一時金
マンションは戸建てに比べて外壁の管理などは不要ですが、「管理費」と「修繕積立金」の支払い義務が毎月発生します。
これらは「空室であっても関係なく、所有者であるあなたが払い続けなければならない固定費」です。
さらに近年問題になっているのが、マンションの「大規模修繕工事の一時金(不足金)」の徴収です。
積立金だけでは工事費用が足りず、ある日突然、数十万〜数百万円の一時金の支払いを求められるケースが全国の分譲マンションで急増しています。
⚠️ 現役世代を襲う「増税スパイラル」とデッドクロス
家賃収入から経費を引いた「不動産所得」は、あなたの現在の「給与所得」と合算されて税金が計算されます(総合課税)。
本業でお忙しく働いており、一定以上の年収がある方が中途半端に家賃収入を得ると、全体の所得税率のステージが跳ね上がり、せっかくの家賃収入の大部分が税金として徴収されてしまうという現象が起こります。
さらに、数年が経ち建物の「減価償却」が終わると、突然、経費として引ける金額が激減します。
すると、「手元の現金は修繕費やマンションの管理費で減っているのに、帳簿上の利益だけが大きく膨らみ、莫大な所得税が請求される」という、実質的な黒字倒産(デッドクロス)のような状態に陥ることがあるのです。
■ 目を背けられない「災害」と「事故(孤独死・自殺)」のリアルなリスク
賃貸経営を「事業」として捉えたとき、最も恐ろしいのが予期せぬ突発的なリスクです。所有し続ける限り、以下のリスクから逃れることはできません。
① 地震・風水害による被災リスク
藤沢市は海や川が近く、自然豊かな素晴らしい街ですが、同時に地震や台風による被害のリスクとも隣り合わせです。
もし大きな地震で建物が半壊・倒壊した場合、賃貸オーナーは入居者の安全を守る義務(貸主の修繕義務)を負います。
火災保険や地震保険に加入していても、すべての損害や、復旧までの期間の家賃収入減少をカバーできるわけではありません。
売却して現金化しておけば、こうした巨大災害によって資産が一瞬でゼロになるリスクを回避できます。
② 孤独死・自殺による「事故物件(心理的瑕疵)」リスク
賃貸経営において近年、特に現役世代のオーナーを悩ませているのが、室内での「孤独死」や「自殺」による事故物件化のリスクです。
万が一、所有する物件でこのような事態が発生した場合、特殊清掃やリフォームに多額の費用がかかるだけでなく、次からの家賃を大幅に値下げ(相場の3割〜5割引き)せ本業の傍らで負担できるか?、あるいは長期間の空室を覚悟しなければならなくなります。さらに、売却しようとしても資産価値が大きく下落してしまいます。
高齢化社会が進む中、誰にでも起こりうるこのリスクは、現役でお忙しい皆様にとって精神的にも金銭的にも非常に重い負担となります。
■ 売却か賃貸か?迷ったときの「3つの決断基準」
ここまで双方のメリット・デメリットを見てきましたが、ご自身のケースではどちらを選ぶべきなのでしょうか。迷った際は、以下の3つの基準でチェックしてみてください。
基準①:将来、自分や家族がその家に住む可能性はあるか?
「将来、自分たちや子供が住む可能性がある」なら、期間を限定して貸し出す「定期借家契約」で賃貸にするのが正解です。可能性が一切ないなら、市場価値が高いうちに売却を選択すべきです。
基準②:立地は「駅から徒歩圏内」か「バス便」か?
藤沢駅や辻堂駅などの徒歩圏内であれば、マンション・戸建て問わず賃貸需要が高く空室リスクを抑えられます。しかし、バス便エリアの場合は空室が長期化しやすく、マンションであれば毎月の管理費等の持ち出しだけが膨らむため、早期の売却を強くおすすめします。
基準③:賃貸という「事業」の管理・リスクを背負う覚悟はあるか?
賃貸経営は不労所得ではなく「事業」です。修繕の手配、空室時の維持費支払い、そして災害や事故のリスクを本業の傍らで管理していく必要があります。「これ以上プライベートの時間や脳のリソースを割かれたくない」という方は、売却してすっきりと現金化し、その資金を手間の luminous な資産運用に回した方が、ライフプラン全体の幸福度は高くなるでしょう。
■ まとめ
まずは藤沢の地域特性を知る地元のプロに相談を
相続した実家をどうするかという問題に、万人に共通する「たった一つの正解」はありません。
引き継がれた物件が戸建てかマンションか、築年数、立地、そして何よりご自身のこれからの人生設計によって、導き出すべき答えは変わってきます。
ただ、一つだけ確実なのは、「よく分からないから」と決断を先延ばしにして、空き家や空室のまま放置することだけは絶対に避けるべきだということです。
現在は相続登記も義務化されており、放置された不動産には税金や維持費のペナルティも厳しくなっています。
特に藤沢市の物件は中古市場での需要が非常に高いからこそ、売り時や貸し時の見極めが重要です。
親御様が大切にされてきた資産だからこそ、その価値を正しく評価し、税金やリスク面も含めてトータルでサポートできる地元の不動産業者に相談することが、成功への第一歩となります。
当社では、藤沢市に特化した豊富な取引実績をもとに、お客様の物件が「売却」と「賃貸」のどちらで最も高いパフォーマンスを発揮できるか、詳細なシミュレーションを無料で作成しております。どうぞお気軽にご相談ください。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
【ご案内】不動産・相続 総合コンサルティング
当事務所では、お客様の大切な財産と家族の未来を守るため、現状の調査から対策の実行まで「窓口ひとつ」でトータルサポートいたします。
👤 プロフィール&メッセージ
【肩書】
不動産コンサルタント・相続アドバイザー
【メッセージ】
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2026年1月31日現在
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- 税理士による税務申告の最終確認費用、司法書士による登記費用、登録免許税などの実費は、本コンサルティング費用には含まれません(別途お客様のご負担となります)。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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