
目次
- ■ はじめに
- ■ エグゼクティブサラリーマンが不動産投資を行う真の目的
- ■ 高所得者だからこそ爆発的な威力を発揮する「損益通算」の現実
- ■ エグゼクティブが狙うべき「物件戦略」は、利回りではなく「資産性」
- ■ 最も警戒すべき罠「デッドクロス」とその出口戦略
- ■ まとめ:高い税金を「払う側」から「コントロールする側」へ
■ はじめに
年収1,000万円を超え、社会的に「勝ち組」「エグゼクティブ」と呼ばれるビジネスパーソンたち。しかし、その華やかなイメージの裏で、彼らが一様に抱える深い悩みがあります。
それが「想像を絶する税金の重さ」です。
日本の所得税は、稼げば稼ぐほど税率が跳ね上がる「累進課税制度」を採用しています。
年収が1,000万円、1,500万円と上がっても、住民税や社会保険料を含めると、増えた分の約半分が自動的に天引きされてしまい、「これだけハードに働いているのに、思ったほど手元に現金が残らない」と、ため息をつく方も少なくありません。
今回のコラムでは、年収1,000万円以上の高所得会社員だけが持つ「圧倒的な融資枠(属性)」を最大限に活かし、ただ支払うだけだった重い税負担を、合法的に将来の「純資産」へと組み替えていく、エグゼクティブのための不動産投資・資産防衛戦略を説明します。
■ エグゼクティブサラリーマンが不動産投資を行う真の目的
年収1,000万円以上の層が不動産投資を検討する場合、一般的な会社員のような「毎月5万円のお小遣い稼ぎ」を目標にしてはいけません。
本業の労働収入がすでに高いため、小さなキャッシュフローを求めて手間やリスクを負うのは非効率だからです。
この層が掲げるべき目的は、次の2点に集約されます。
1.「減価償却費」をコントロールし、現在の高い所得税・住民税を劇的に減らす(税金の還付)
2.銀行からの巨額の融資枠を使い、10年〜20年スパンで「数億円規模の強固な資産」を築く
つまり、毎月の細かな現金を追うのではなく、「本業の税金を抑えつつ、銀行のお金を使って、将来一気に現金化できる巨大な資産の塊(純資産)を作る」という、マクロな視点での資産形成(キャピタル・バランス重視)がゴールとなります。
■ 高所得者だからこそ爆発的な威力を発揮する「損益通算」の現実
なぜ不動産投資が、高年収サラリーマンの最強の節税ツールとなるのでしょうか。
その秘密は、不動産特有の経費である「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」にあります。
建物や設備は、年数の経過とともに価値が下がっていきます。その目減り分を、国が定めたルール(耐用年数)に従って、毎年「経費」として計上することが認められています。
重要なのは、この減価償却費は「実際には手元から1円も現金が出ていかない、帳簿上の経費」であるという点です。
これにより、手元には家賃収入の現金がしっかりと残っているにもかかわらず、確定申告の書類上は「不動産事業は赤字である」という状態を作り出すことができます。
ここで、年収による税率の違いが決定的な差となって現れます。
年収500万円の会社員: 所得税・住民税の合計税率は約20%。
年収1,200万円の会社員: 所得税・住民税の合計税率は約43%。
年収2,000万円の経営者・医師: 所得税・住民税の合計税率は約50%〜55%。
節税の具体的シミュレーション
仮に、不動産投資によって年間「300万円の帳簿上の赤字(減価償却費など)」を作ったとします。
本業の給与所得とこの赤字を合算すること(損益通算)で、課税対象となる所得を300万円引き下げることができます。
年収500万円(税率20%)の場合: 300万円 × 20% = 約60万円の税金還付
年収1,200万円(税率43%)の場合: 300万円 × 43% = 約129万円の税金還付
同じ物件を買い、同じ赤字を出しても、高所得者というだけで戻ってくる現金(還付金)が2倍以上になるのです。
これこそが、高年収会社員だけに許された「特権」です。ただ国に納めるだけだった税金を、不動産という資産の購入資金(ローンの返済原資など)へ実質的に補填することができます。
■ エグゼクティブが狙うべき「物件戦略」は、利回りではなく「資産性」
一般の会社員が融資上限5,000万円の壁にぶつかるのに対し、年収1,000万円超の層は、銀行から「1億円〜3億円以上」の巨額の融資を引き出すことが可能です。
この圧倒的なレバレッジを活かし、一般の投資家が手を出せない「一等地」の物件を買い向かうのが戦略となります。
選ぶべき物件の基準は、目先の利回り(%)の高さではなく、「立地」と「資産価値の落ちにくさ」です。
都心・駅近の「築浅一棟RC(鉄筋コンクリート)マンション」
理由: 法定耐用年数が47年と長いため、銀行から30年以上の長期・低金利の融資を非常に引きやすい。
また、都心の一等地であれば人口減少社会においても空室リスクが極めて低く、将来売却(出口)するときにも買い手がすぐに見つかります。
建物比率が高く、減価償却が大きく取れる物件
理由: 物件価格のうち「土地」の割合が高いと減価償却ができません(土地は劣化しないため)。
「建物」の割合が高く、狙った期間で大きな減価償却費を計上できる木造や重量鉄骨の一棟物件を戦略的にポートフォリオに組み込み、直近の税負担を劇的に軽減します。
本業が非常に多忙なエグゼクティブが、利回りにつられて地方の築古物件(客付けが難しく、雨漏りや修繕トラブルが多い物件)を買ってしまうと、管理の手間や心労で本業に悪影響を及ぼします。
多少利回りが低くても、手間のかからない「一等地の優良物件」を、潤沢な融資と自己資金でスマートに保有するのが大人の投資です。
■ 最も警戒すべき罠「デッドクロス」とその出口戦略
高所得者の節税不動産投資において、避けては通れない最大の壁、それが「デッドクロス」です。
物件を購入して5年、10年と経過すると、以下の2つの現象が同時に発生します。
1.減価償却費が減る(あるいは切れる): 帳簿上の経費が少なくなるため、帳簿上の利益(黒字)が増える。
2.ローンの元金返済が進む: ローンの返済額のうち「利息」は経費になりますが、「元金」は経費になりません。年数が経つほど元金返済の割合が増えるため、「経費にならない支出」が大きくなります。
この結果、「帳簿上は黒字なので税金がドカンと増えるのに、手元からはローンの元金返済で現金が消えていくため、キャッシュが全く残らない(最悪の場合は黒字倒産状態になる)」という現象が起きます。これがデッドクロスです。
エグゼクティブが取るべき出口戦略
この罠を回避するために、以下のいずれかの明確な出口戦略をはじめから設計しておく必要があります。
5年〜10年での「短期転売(キャピタルゲイン確定)」: 減価償却の恩恵を十分に受け、ローンの元金が減って含み益が出たタイミングで物件を売却し、まとまった売却益を手に入れる。
個人であれば、保有期間が5年を超えると売却益にかかる税率が約39%から約20%に半減するため、このタイミングを狙います。
法人の活用(資産管理会社の設立): 個人での所有から、自身が設立した「プライベート法人(資産管理会社)」へ物件を移転、または最初から法人で購入することで、個人の高い所得税率から、上限が約33%程度で一定の法人税率へと課税構造を切り替え、デッドクロスの衝撃を和らげます。
■ まとめ:高い税金を「払う側」から「コントロールする側」へ
年収1,000万円以上のビジネスパーソンにとって、不動産投資は単なる副業や小遣い稼ぎではありません。
「合法的に国の税金システムを味方につけ、銀行の資金を使って、自分の純資産を爆発的に増やすための財務戦略」です。
何も対策をせず、みすみす毎年数百万円の税金を払い続ける人生を送るか、その税金を原資(頭金や返済原資)に変えて数億円の不動産資産をコントロールする人生を送るか。
10年後、20年後にリタイアを迎えるとき、両者の純資産額には数千万円、場合によっては「億単位」の決定的な格差が生まれています。
まずは、ご自身の現在の正確な年収と納税額から、どれほどの融資枠が使え、どれほどの節税効果が見込めるのか。
プロフェッショナルによる綿密なシミュレーションから、資産防衛の第一歩を踏み出してみませんか?
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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