全30回連載

【第9回】なぜ黒字なのに通帳の残高が減るのか?恐怖の「デッドクロス」を解剖
こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。
毎週木曜日の20時、サラリーマン大家さんのための経営の授業です。
今回は、他社の勉強会では「絶対に、意図的に、隠される」、不動産投資で最も恐ろしい専門用語をお教えします。
その名も、「デッドクロス(死の交差)」です。
名前からして不吉ですが、中身はもっと恐ろしいです。
一言でいうと、「会社の成績表(損益計算書)では黒字で儲かっているのに、なぜか手元の現金がゼロになり、税金が払えなくなる現象」のことです。
高校生のバイト代の感覚では絶対に理解できない、この「経営の罠」を分かりやすく解剖します。
■ 原因①:銀行に返すお金の「中身」の秘密
あなたが銀行に毎月返すローンには、2つの要素が混ざっています。
1.借りたお金そのものを返す「元金(がんきん)」
2.レンタル料として払う「利息(りそく)」
ここが高校数学(簿記)のややこしいところなのですが、「利息」は経費になりますが、「元金」は経費になりません。(元金は借金が減るだけなので、法律上、経費として認められないのです)。
つまり、あなたの通帳からは毎月ドカンとお金(元金)が減っているのに、税金を計算するときには「それは経費じゃないので、その分にも税金をかけますね!」と国から言われてしまうのです。
■ 原因②:建物の価値が目減りする「減価償却」の終わり
アパートの建物は、毎年少しずつ古くなっていきます。国は「古くなった分だけ、実際にお金は払っていなくても、経費にしていいよ」というボーナスルールをくれています。
これを「減価償却費(げんかしょうきゃくひ)」と言います。
購入して最初の数年間は、この「魔法の経費」のおかげで、税金がものすごく安くなります。
他社の勉強会で「節税になります!」と大騒ぎしているのは、この期間のことです。
しかし、このボーナス期間はある年、突然カチッと終わります。
■ 「死の交差」が起きるとどうなる?
経費にできた「利息」は年々減っていき、魔法の経費だった「減価償却」も終わる。
するとどうなるか。
1.税金上の「利益(黒字)」がドカンと増える → 税金が爆発的に高くなる
2.でも、通帳から実際に消える「ローンの元金」は減らない → 手元の現金が残らない
これがデッドクロスです。
画面上の書類では「今期は100万円の黒字です!」となっているのに、実際には手元に現金が1円もなく、それなのに「黒字なんだから、税金を30万円払ってください」と税務署から手紙が来ます。
払えませんよね。これで多くのサラリーマン大家さんが「黒字倒産」の危機に追い込まれます。
■ 業者が見せるのは「5年目まで」のグラフ
他社の勉強会でもらうシミュレーションシートをめくってみてください。大体、3年目や5年目までの綺麗な数字しか載っていません。
15年目、20年目のページはありますか?そこにデッドクロスの影が隠されています。
購入する前に、「この魔法の経費は何年で終わるのか?」「10年後の税金はいくらになるのか?」を計算しておくこと。
これこそが、他社の勉強会マニアにはできない「本物の社長の分析」です。
次回の予告
次回は【第10回】修繕費は「突然」来ない。お小遣いを貯める計算ルールをお届けします。
ある日突然、管理会社から請求される数百万円の工事代金。「そんなお金ない!」とパニックにならないための、15年先から逆算する貯金術を教えます。お楽しみに!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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