全30回連載

第1回:なぜ高校生が相続を知るべきなの?(人生で必ず直面するお金と法律)
こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。
毎週月曜日の20時にこのコラムをお届けいたします。本日はその第1回目です。
「相続(そうぞく)」という言葉を聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
「テレビドラマで見る、お金持ちのドロドロした遺産争い」
「おじいちゃんやおばあちゃんが亡くなったときの大人の手続き」
――きっと、多くの高校生にとって、自分にはまだ関係のない「遠い世界の話」に思えるはずです。
しかし、結論から言います。相続は、みなさんのこれからの人生に「100%確実に、いつか必ず関係してくる大切なルール」です。
そして、そのルールを大人になってから慌てて学ぶのと、今のうちから知っておくのとでは、将来のあなたの人生や、大切な家族の幸せが大きく変わってしまいます。
今回は記念すべき第1回目として、なぜ法律上の「成人」を控えた高校生のみなさんに今、相続の知識が必要なのか、その理由を3つの視点からわかりやすく解き明かしていきます。
理由①:18歳で「成人」。あなたはもう、当事者になる可能性がある
まず知ってほしいのは、日本の法律が変わったことです。2022年から、成人年齢が20歳から「18歳」に引き下げられました。高校を卒業する頃には、みなさんは法律上で立派な「大人」として扱われます。
大人になるということは、自分の意思でスマホの契約をしたり、クレジットカードを作ったりできるようになる一方で、法的な責任も自分で背負うことを意味します。
もし、みなさんが18歳や19歳になったとき、身近な家族に「もしも」のことがあったらどうなるでしょう。
法律上、あなたは「まだ子どもだから」と言い訳することはできず、立派な「相続の当事者」として扱われます。
難しい書類にサインをしたり、大きなお金や不動産(実家など)をどうするか決める話し合いに参加したりしなければならなくなるのです。
何も知らないままその日を迎えるのは、ルールを知らずに突然プロの試合に出されるようなもので、とても危険です。
理由②:「うちは普通の家だから関係ない」という最大の誤解
「そうは言っても、うちは大富豪じゃないし、分けるほどのお金なんてないよ」と思った人もいるかもしれません。
実は、これこそが大人でも多くの人が陥ってしまう「最大の誤解」です。
日本の裁判所のデータを見ると、驚くべき事実がわかります。
亡くなった人の遺産をめぐって家族が揉め、裁判にまで発展してしまったケースのうち、なんと約7割が「財産5,000万円以下」の家庭なのです。これは、大富豪ではなく、ごく一般的な「普通の家庭」です。
なぜ普通の家庭ほど揉めてしまうのでしょうか。
理由は簡単です。大富豪の財産は、ほとんどが「現金や株」なので、きれいに割り算で分けることができます。しかし、一般的な家庭の財産の多くは「いま家族が住んでいる実家(不動産)」です。
家はケーキのようにナイフでパパッと切り分けることができません。
「この家は誰がもらうの?」「売ってお金にするの?」「誰が住み続けるの?」……この「分けづらさ」が原因で、それまで仲が良かったきょうだいや家族が、一生口をきかないほどのケンカを始めてしまうことがあるのです。
理由③:知ることで、大好きな家族の未来を守れる
相続の知識は、決して「お金をたくさんもらうためのテクニック」ではありません。本当の目的は、「大切な家族の絆を守ること」です。
人が亡くなるということは、残された家族にとって、言葉にできないほど悲しい出来事です。
それなのに、悲しみに暮れる暇もなく、すぐにお金や手続きの現実的な問題が押し寄せてきます。
もしそのとき、家族全員が法律のルールや正しい知識を持っていなかったら、誤解や不安から、お互いにトゲのある言葉をぶつけ合ってしまうかもしれません。
みなさんが今から「相続の基本」を知っておけば、将来、親やきょうだいと一緒に「これからの家族のこと、お家(実家)のこと」を、お互いを思いやりながら冷静に話し合うことができます。
事前の準備(対策)さえしておけば、防げるトラブルが世の中にはたくさんあるのです。
まとめ:未来の自分と家族への「お守り」を持とう
学校の授業では、数学の方程式や歴史の年号は習いますが、なぜか「家族が亡くなったときにどうすればいいか」という実践的な法律やお金のルールは教えてくれません。
このコラムでは、これから全30回にわたって、高校生のみなさんでも「なるほど!」と納得できるように、相続の仕組みを1からゆっくり解説していきます。
「誰が財産をもらえるの?」「借金があったらどうする?」「税金はいくらかかる?」「実家はどうやって分ける?」といった疑問を、身近な例え話と一緒に解き明かしていきます。
これから一緒に学ぶ知識は、みなさんがこれから長い人生を歩んでいく上で、大切な家族をトラブルから守るための「最強のお守り」になります。ぜひ、最後までリラックスして付き合ってくださいね。
それでは、次回は第2回「そもそも『相続』ってなに?(亡くなった人の財産を引き継ぐ仕組み)」をお届けします。お楽しみに!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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