
目次
- 第1幕:亀井野の夕暮れ、凍りついた実家
- 第2幕:飯島興産の現場検証「1つの権利に隠された、2つの魂」
- 第3幕:謎解き(専門解説)「成年後見制度という、もう一つの迷宮」
- 第4幕:解決への道筋「飯島興産、未来を守る信託の設計図を描く」
- 飯島興産からのアドバイス
【第6回:最終回】名義が変わっても、動かなかった税金の影:家族信託が仕掛けた「名義変更」のトリック
第1幕:亀井野の夕暮れ、凍りついた実家
小田急江ノ島線「六会日大前」駅の周辺に広がる、のどかな亀井野の住宅街。
夕暮れ時、飯島興産のオフィスを訪れたのは、藤沢市内で暮らす会社員の高橋さん(仮名・45歳)だった。彼の表情は、沈む夕日のように暗く、重い不安に支配されていた。
「飯島興産さん……。私の父(78歳)のことなのですが、最近、認知症の症状が急激に進んでしまい、介護施設への入所を検討し始めたんです。
入所費用やこれからの介護資金を作るために、父が亀井野に持っている『実家』を売却しようと考えて、大手の不動産屋に相談に行きました。
そしたら、担当者から信じられない言葉を突きつけられたんです」
高橋さんは拳を握りしめ、言葉を絞り出した。
「『お父様ご本人の意思確認ができない状態(認知症)では、実家の売却手続きは一切できません。法律上、お父様の資産は完全に“凍結”されます』って言うんです……。私の実家なのに、父が認知症になったら、もう売ることも直すこともできないなんて、そんなバカな話がありますか!? 施設のお金は毎月容赦なくかかってくるのに、このままでは家族全員が自己破産してしまいます……!」
高齢の親が認知症になった瞬間、実家が誰も触れられない「開かずの間」と化す。
これがいま、日本全国で年間数万件も発生しているとされる「実家凍結」という恐ろしい社会現象だ。
途方に暮れる高橋さんに、私たちは静かに、しかし希望に満ちた声でこう告げた。
「高橋さん、とても苦しい状況ですね。でも、諦める必要は全くありません。実は、お父様の名義になっている実家を、今すぐあなた(息子)の名義へと完全に書き換え、あなたが自由に変えて売却できるようにする『合法的なウルトラC』が存在します。しかも、通常なら数百万円もかかる重い税金を、1円も払わずにすむ魔法のような仕組みがあるのです」
「えっ……!? 親の不動産を子供の名義に変えるなんて、そんなことをしたら、税務署から恐ろしい『贈与税』が請求されるんじゃないですか!?」
高橋さんは目を見開いた。その指摘は、法律的には100%正しい。
しかし、私たちはその常識を覆す、現代不動産法務の最高峰のトリック『家族信託(かぞくしんたく)』のファイルを机の上に広げた。
第2幕:飯島興産の現場検証「1つの権利に隠された、2つの魂」
「高橋さん、おっしゃる通り、普通に親から子供へ不動産の名義を書き換えると、国から『贈与(プレゼント)』とみなされ、最大で55%という極めて重い贈与税のペナルティが課されます。しかし、家族信託という仕組みを使うと、法務局の登記簿上の名義を『父親』から『息子』へ完全に変更したとしても、税務署は微動だにせず、贈与税は『ゼロ』になります。なぜそんなことが可能なのか、不思議だと思いませんか?」
「意味がわかりません……。名義が変わっているのに、なぜ税金がかからないんですか? まるでマジックじゃないですか」
私たちはホワイトボードに、1つの「リンゴ」の絵を描いて解説を始めた。
「実は、不動産の『所有権』という権利は、細かく分解すると2つの要素(魂)に分けることができるのです」
1.【名義の魂】=『受託者(じゅたくしゃ)』
不動産を管理したり、売却のサインをしたりする「管理処分権」
2.【利益の魂】=『受益者(じゅえきしゃ)』
その不動産から出る家賃収入を受け取ったり、自分で住んだりする「経済的利益を得る権利」
「通常の『贈与』や『売買』は、この2つの魂をセットで丸ごと他人に移動させるため、大きな税金がかかります。しかし、家族信託のトリックは、この2つの魂をバラバラに切り離すところにあります」
高橋さんは、ホワイトボードの絵を食い入るように見つめている。
「家族信託の契約を結ぶと、実家の『名義の魂(管理処分権)』だけが、お父様から息子の高橋さんへと移動します。法務局の登記簿にも、あなたの名前が刻まれます。しかし、もう一つの『利益の魂(自分で住む、売ったお金を受け取る権利)』は、そのままお父様の手元に残し続けるのです」
「……あ、そうか! 利益はお父さんのままだから、経済的なプレゼント(贈与)は発生していない、ということですか!?」
「その通りです! 税務署は『利益の魂(受益権)』が移動した時に初めて税金を課します。家族信託では、利益の持ち主(お父様)は変わっていないため、名義の見た目がどれだけ変わろうとも、贈与税は1円も発生しないのです。これが、法務局の裏で税金が動かなかったトリックの正体です」
第3幕:謎解き(専門解説)「成年後見制度という、もう一つの迷宮」
「凄い……。じゃあ、名義が僕に変われば、もし将来お父さんの認知症がもっと進んでしまっても、僕のサインだけで実家を売却して、介護費用に充てられるんですね!」
高橋さんの顔に、ようやく明るい兆しが見えてきた。しかし、私たちはここで、このミステリーの最も重要な「発動条件」を伝えなければならなかった。
「はい、その通りです。ただし、高橋さん。この家族信託という最高峰のトリックを使うには、絶対に破ってはならない『鉄のルール』があります。それは、お父様が『まだしっかりとした判断能力を持っているうち』に契約を結ばなければならない、というタイムリミットです」
高橋さんがハッと息をのんだ。
「えっ……! じゃあ、もう完全に認知症になってしまった後では、この魔法は使えないんですか?」
「残念ながら、使えません。認知症が進行し、契約の内容が理解できなくなってからでは、家族信託の契約自体が法律上『無効』になってしまいます。もし手遅れになって実家が完全に凍結されてしまうと、国が用意した『成年後見制度(せいねんこうけんせいど)』という、もう一つの非常に不自由な迷宮に入るしかなくなります」
成年後見制度を使うと、裁判所が選んだ弁護士や司法書士が親の代理人(後見人)になります。しかし、この制度の目的はあくまで「親の財産を減らさないように守ること」です。
そのため、以下のような制限が家族を苦しめることになります。
1.実家を簡単に売らせてくれない:親が住む実家を売るには、家庭裁判所の厳しい許可が必要になり、却下されるケースも少なくありません。
2.毎月の重い「報酬」が一生続く:他人の専門家が後見人になると、親が亡くなるまでの何年間(あるいは十数年間)、毎月数万円の報酬が親の財産から永久に引かれ続けます。
3.家族の意思で柔軟な運用ができない:孫の学費を出したり、家族で相談して実家をリフォームしたりすることが一切認められなくなります。
「つまり、ボヤボヤしてタイムリミットを迎えてしまうと、家族の大切な資産なのに、国の厳重な金庫にロックされ、毎月手数料だけを引かれ続けるという最悪の結末を迎えるのです」
高橋さんは背筋に冷たいものが走るのを感じたようだった。
「危なかった……。父は最近物忘れがひどいですが、調子が良い日はまだ自分の意思をハッキリと言えます。今なら、今ならまだ間に合いますか!?」
「はい、まだ間に合います。お父様が『家族のために、実家の管理を息子に託したい』という意思表示ができる今こそが、この呪縛を未然に防ぐ、最初で最後のチャンスです」
第4幕:解決への道筋「飯島興産、未来を守る信託の設計図を描く」
「家族の未来を救うために、ぜひ家族信託をお願いしたいです。でも、こんな複雑な手続き、一体どこから手をつければいいんでしょうか?」
「ご安心ください、高橋さん。家族信託は、家族の形に合わせてオーダーメイドで作る『未来の設計図』です。六会日大前で地域の皆さんの法務を支えてきた私たち飯島興産が、すべての窓口となります」
私たちは、高橋さんファミリーを救うための具体的なステップをハイスピードで開始した。
ステップ1:『家族会議のサポートと意思確認』
私たちが亀井野のご実家へ伺い、お父様、お母様、高橋さんを交えて優しくお話しします。
お父様に無理な負担をかけず、「家族みんなで財産を守るための温かい手続きであること」を丁寧にご説明し、意思を確認します。
ステップ2:『公証役場・司法書士との完璧な連携』
提携する家族信託専門の司法書士と共に、法的に1ミリの隙もない「信託契約書」の原案を作成。
藤沢にある公証役場で「公正証書」として成立させ、法務局での信託登記まで一気に進めます。
ステップ3:『信託口口座の開設と、将来の安心管理』
高橋さん名義の「信託専用の銀行口座」を作り、実家の管理費用や、将来売却したときのお金を綺麗に分別管理できるようにします。
これで、お父様が万が一完全に認知症になっても、高橋さんの主導でいつでも実家を動かせる体制が完了します。
「これで、お父様の介護費用が必要になった瞬間、あなたはいつでも実家を売却し、お父様のために最高のお金の使い方をしてあげることができます。家族の財産を、家族の愛の力で守り抜く。それが、家族信託の本当の姿なのです」
数ヶ月後。
無事にすべての信託手続きを終えた高橋さんは、晴れやかな笑顔で飯島興産のオフィスを後にした。
お父様も「これで老後は安心だ」と、とても喜んでくれたという。
小田急線の線路越しに、藤沢の美しい夜景が広がっていく。
不動産の法律や税金は、時に牙をむく複雑な迷宮だ。
しかし、地元のプロフェッショナルの知恵を借り、先手を打って「謎」を解き明かしておけば、大切な家族の資産は、何があっても揺るがない「未来への贈り物」へと変わるのだ。
(不動産ミステリーファイル・完結)
💡 飯島興産からのアドバイス
「うちの親はまだ元気だから、認知症対策なんて先の話」
そう思っていませんか? しかし、認知症はある日突然、あるいは気付かないうちに忍び寄り、大切な実家を永遠にフリーズさせてしまいます。
2024年の相続登記義務化や、2026年現在の最新の法改正動向を見ても、国は「生前からの早めの不動産管理」を強く求めています。
手遅れになって成年後見制度の迷宮に迷い込む前に、まずは「家族信託」という最強の予防策を。
藤沢・湘南エリアの家族信託・生前対策なら、地域の頼れる専門家である飯島興産へ、お気軽にご相談ください。あなたの家族の宝物を、私たちが全力で守り抜きます。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
【ご案内】不動産・相続 総合コンサルティング
当事務所では、お客様の大切な財産と家族の未来を守るため、現状の調査から対策の実行まで「窓口ひとつ」でトータルサポートいたします。
👤 プロフィール&メッセージ
【肩書】
不動産コンサルタント・相続アドバイザー
【メッセージ】
「あなたとご家族の味方として、一番おトクでモメない解決策をオーダーメイドします」
相続や不動産の手続きを、税理士や司法書士にそのまま丸投げしていませんか?
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【略歴・実績】
不動産ビジネス経験:38年
相続コンサルティング経験:26年
相続サポート実績:約208件
2026年1月31日現在
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③専門家(税理士・司法書士)との窓口一括調整
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(※財産の規模や内容の難易度によって、事前にお見積もりをいたします)
⚠️ ご利用にあたってのご注意
- 税理士による税務申告の最終確認費用、司法書士による登記費用、登録免許税などの実費は、本コンサルティング費用には含まれません(別途お客様のご負担となります)。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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