全30回連載

第2回:玄関の「かまち」ってなに?毎日通る足元の隠れた主役と歴史の謎
こんにちは!藤沢の不動産屋さんです。
みんなは毎日、学校から帰ってきたとき、おうちのどこを通って中に入るかな?そう、誰もが必ず通るのが「玄関」です。
日本の家には、海外の家にはない面白い特徴があるよね。それは「靴を脱いで一段上がる」ということ。
実はこの、何気なくまたいでいる「一段」や、靴を脱ぐ足元には、大工さんのすごい工法の知恵と、日本の歴史の秘密が隠されているんだ。
今回は、毎日通るのに名前すら知らない?玄関の重要なパーツたちの秘密を解き明かしていこう!
🚪 玄関の顔!横に一本通る頑丈な木「框(かまち)」
まず注目してほしいのが、靴を脱いで部屋に上がるときに、踏み台のようになっている横長の化粧木(または石)。このパーツを建築用語で「上がり框(あがりがまち)」と呼びます。

框の役割: 床の端っこを保護し、家の「顔」として美しく見せる。
工法の豆知識: 玄関は、家の中で一番人が激しく行き来し、体重がかかる場所だよね。もしここに頑丈な木を渡しておかないと、床板の端っこがペキッと割れたり、めくれたりしてしまうんだ。
だから、ここにはスギやヒノキの中でも、特に硬くて傷がつきにくい高級な木材や、綺麗に磨かれた大理石などが使われます。
実は、この框の高さから、その建物の時代背景や暮らし方を想像できることがあるんだよ。
昔の日本の家(古民家など)に行くと、玄関の段差が30センチ以上もある高い框をよく見かけるよね。
これは、生活様式や構法など、いくつかの要因がありますが、昔の住宅では床下の風通しを良くして、湿気を逃がすために床を高くする工夫がされていたからなんだ。
逆に、最近の新しいおうち(バリアフリー住宅)では、段差が数センチ〜10センチくらいと、かなり低くなっている。
これは工法が進化して、床下を高くしなくても湿気を防げるようになったからなんだよ。
👟 土足で歩く床のルーツ「三和土(たたき)」
次に、靴を脱ぐ場所である「玄関の床(土間の部分)」を見てみよう。
現代の家ではタイルやコンクリートがおなじみだけど、ここをベテランの大工さんや不動産屋さんは「三和土(たたき)」と呼びます。
「さんわど」ではなく「たたき」。不思議な名前だよね。ここには深い歴史の豆知識があるんだ。

歴史の豆知識: 昔、セメントやタイルがなかった時代、大工さんはどうやって玄関の床を固めていたと思う?
正解は、「3つの材料を混ぜて、文字通り叩きまくって固めていた」んだ。
その3つとは、「赤土」と「消石灰(しょうせっかい)」、そして「にがり(塩水)」。
赤土などに消石灰やにがりなどを加えて練り、叩き固めて仕上げる伝統的な土間の工法で、「三和土」という名前の由来には諸説あります。
一説には、赤土・消石灰・にがりなど、複数の材料を混ぜ合わせることから「三和土」と呼ばれるようになったともいわれています。
また、職人さんが「タコ」と呼ばれる道具で「トントン、トントン」と何度も叩いて固めて仕上げることから、「叩き土(たたきつち)」と呼ばれることもあります。
今度、古いお寺や京都の町家に行く機会があったら、ぜひ足元を見てみてね。職人さんが執念で叩き固めた、本物の「三和土」に出会えるかもしれないよ!
✨ 壁の足元を守る小さなディフェンダー「巾木(はばき)」
最後に、玄関だけじゃなく、家中の部屋の「壁の最下部(床と接する部分)」をぐるりと囲んでいる、細い帯のようなパーツを見つけてみよう。これを「巾木(はばき)」と言います。

巾木の役割: 掃除機や足が当たって壁が傷つくのを防ぎ、床と壁の「隙間」を隠す。
工法の豆知識: 木造住宅の木や壁は、季節の温度や湿度の変化で、実は目に見えないレベルでほんの少しだけ「動いて(伸縮して)」います。
そのため、大工さんは床と壁をピッタリくっつけずに、わざと数ミリの「隙間」を開けて家を建てているんだ。もし隙間がないと、家が動いたときに壁紙(クロス)がシワシワになってしまうからね。
でも、隙間が空いたままだと格好悪いし、ゴミが入っちゃう。そこで、その隙間を上からパカッと綺麗に隠してくれているのが、この「巾木」というわけ。
地味だけど、めちゃくちゃいい仕事をしている名脇役なんだよ。
💡 まとめ:玄関を知ると、日本の文化が見えてくる
日本の住宅では、屋外から屋内へ入る途中に、靴を脱ぐための『玄関』という明確な領域を設けることが一般的だね。
海外の家とは違い、日本は「雨が多くて湿気が高い」という気候に加え、靴の汚れを家の中に持ち込まないよう靴を脱ぐ文化などが重なってきました。
そうした暮らしや気候に対応するため、床を高くして風を通す工夫がされ、そこから「框」や「三和土」のある、日本独特の玄関が発達してきたんだね。
毎日何気なくまたいでいる段差には、日本の気候や暮らしと向き合ってきた先人たちの知恵がギッシリ詰まっているんだ。
みんなも今日おうちに帰ったら、自分の家の「框」がどれくらいの高さか、そして壁の隅っこにある「巾木」がどんな風についているか、ぜひ観察してみてね!
それじゃあ、また次回水曜日の20時にお会いしましょう。次は、部屋の壁と床のさらにマニアックな構造の秘密に迫るよ!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

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