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11.82026

藤沢の不動産屋さんが教える!コンビニの買い物から一人暮らしまで。高校生のための民法(総則編)⑩

全28回連載:全30話

こんにちは!藤沢市の不動産屋さんです。

10月までに、民法の「契約」や「代理」といった総則の大切なルールをマスターしてきました。

今月からは、いよいよ皆さんが楽しみにしていた(?)お隣さんとの土地のルール「相隣関係」や「所有権」といった『物権(ぶっけん)』のお話に入っていきます!

その第一歩として、今回は民法の中で最も不思議で、高校生の皆さんが一番「えっ!?」と驚く権利、「占有権(せんゆうけん)」(民法第180条)について解説します。

なんとこの権利、「泥棒が盗んだ盗品」にさえ発生するという奇妙なルールなんです。

なぜ民法はそんな不思議なことをするのでしょうか?じっくり紐解いていきましょう!

まず、法律上の大前提として、物に対する権利には大きく分けて2つあります。

所有権(オーナーの権利): その物を「自分のものだ!」と堂々と言える、正当な権利。

占有権(キープしている事実): 正当な理由があるかどうかに関係なく、今その物を「実際に持っている(支配している)という事実」に対して与えられる権利。

スマホを例に挙げてみましょう。

あなたが自分のお金で買ったスマホは、あなたに「所有権」があります。そして、今あなたがそのスマホをポケットに入れているなら、あなたには「占有権」もあります。

では、もしそのスマホが悪い泥棒に盗まれてしまったらどうなるでしょうか?

スマホの「所有権」 ➔ 泥棒に盗まれても、あなたのままです。

スマホの「占有権」 ➔ 今実際に持っているのは泥棒なので、泥棒に移ります。

「泥棒に権利を与えるなんて、民法は悪者の味方なの!?」と怒りたくなりますよね。

でも、これには社会の秩序を守るための、とても深い理由(民法180条、200条など)があるのです。

想像してみてください。

もし「占有権」というルールが無かったら、世の中はどうなるでしょうか。

あなたが街を歩いているとき、強そうな人が突然「おい、その自転車、俺が昨日盗まれたやつだろ!返せ!」と言って、あなたを殴り倒して自転車を力ずくで奪い取っていったとします。

もしあなたが「いや、これは私がお店で買った本物です!」と言っても、力ずくで奪い取ることが許されてしまったら、世の中は「腕力が強いやつが勝ち」というバイオレンスな世界になってしまいますよね。

法律の世界では、正当な権利(所有権)を持っている人であっても、警察や裁判所を通さずに、自分の力ずくで物を取り返すことを「自力救済(じりききゅうさい)の禁止」として絶対に許していません。

民法は、「誰の物かは後から裁判できちんと決めるから、まずは今持っている状態(占有)を勝手に力ずくで壊しちゃダメ!」という平和的なルールのために、泥棒であっても「今持っている事実(占有権)」を一旦認めているのです。

この占有権、実は不動産の賃貸(アパート暮らし)で非常に大きな役割を持っています。

あなたが藤沢市内でアパートを借りて住んでいるとします。

部屋の「所有権」は大家さんにありますが、実際に鍵を持って住んでいるあなたの手元には「占有権」があります。

もし、あなたが家賃をうっかり1ヶ月滞納してしまったからといって、大家さんがあなたの留守中に勝手に部屋の鍵を交換して、中の荷物を外に放り出したらどうなるでしょうか?

大家さんは「俺の家(所有権)だから何してもいいだろ」と思うかもしれませんが、これはあなたの「占有権」を力ずくで侵害したことになり、大家さんの方が違法(犯罪)になります。

大家さんであっても、法律の手続き(裁判)を踏まなければ、住んでいる人を無理やり追い出すことはできないのです。

1.所有権は「自分のものだという正当な権利」、占有権は「今現実に持っているという事実の権利」。

2.自力救済(力ずくでの解決)を防ぎ、社会の平和を守るために、泥棒にも一旦「占有権」を認める。

3.アパートの入居者も、この占有権によって大家さんの勝手な立ち入りから強く守られている!

    一見すると不条理に思えるルールも、実は「みんなが力ずくで喧嘩をしないため」の優しい知恵なんですね。

    次回は、いよいよお隣さんとの具体的なトラブルの核心、【第13話:所有権の取得と相隣関係①(隣の木の枝と根っこ論争)】へ進みます。最新の法改正ルールも交えてお届けしますので、お楽しみに!

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    ■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

    私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。

    1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
    東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
    コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

    ●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

    ●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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