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12.252023

コラム

所有者不明、管理不全の土地・建物への法改正

■ 目次

  • ■ 所有者不明の土地・建物、管理不全土地・建物への強化
  • ■ 所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度
  • ■ 民法改正以前の制度、比較
  •  ー管理単位の違い「人単位」から「不動産単位」へ
  •  ー共有物への対応
  • ■管理不全土地管理制度
  • ■ まとめ

■ 所有者不明の土地・建物、管理不全土地・建物への強化


相続により遺産分割がまとまらないまま長期間放置され、相続が繰り返されると、相続人が枝分かれし、所有者が誰なのか分からない土地が増えてきます。

所有者が不明の土地の面積は、九州よりも広く、国土の約22%にもなります。

このような管理されずに放置された所有者不明の土地は、周辺の環境や治安の悪化を招いたり、防災対策や開発などの妨げになったりしています。

そこで、こうした所有者不明土地をなくすため、今年の4月1日より注目すべき新制度が開始されています。

所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度」と「管理不全土地管理制度及び管理不全建物管理制度」です。

001369525.pdf (moj.go.jp)

■ 所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度


所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度とは所有者不明となっている不動産について裁判所が管理人を選任する制度です。

所有者不明土地と所有者不明建物とは法務局に備え付けれている登記記録では所有者がわからない場合や所有者がわかっていても連絡がつかない土地・建物のことです。

所有者が分からない状態が続くと、土地の管理がきちんと行われないまま放置され、周辺の環境や治安の悪化を招き、近隣住民に不安を与えることになります。

また、土砂崩れなどの防災対策のための工事が必要な場所であっても、所有者が分からないために、工事を進めることができず、危険な状態が続いてしまったり、公共事業や市街地開発などのための用地買い取り交渉ができず、土地の有効活用の妨げになったりします。

■ 民法改正以前の制度、比較


実は、民法改正以前においても所有者不明土地や建物に管理人を選任する制度はありました。

不在者の財産を管理する「不在者財産管理制度」や亡くなった方の相続人の存在が不明である場合に財産を管理する「相続財産管理制度」です。

●管理単位の違い「人単位」から「不動産単位」へ

民法改正以前では対象となる不在者や被相続人の全財産を管理することに対し、所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度は特定の不動産のみを管理することになります。

また、従前の制度では管理人の負担も大きく、管理する期間も長くなってしまう傾向にあります。

所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度は現行の制度の課題や弱点を補う制度

●共有物への対応

共有建物で共有者Aは既に死亡。共有者Bは不在者の場合を例にすると、

従前の制度では、

人単位である従前の制度ではAに対しては、相続財産管理人。Bに対して不在者財産管理人の共有者それぞれに管理人を選任する必要。

新制度では、

不動産単位の管理であるため、所有者不明建物管理人の一人の選任で建物全て(共有者Aと共有者B)について管理すること可能。

所有者が特定できない場合への対応

従前の制度には所有者を全く特定できない不動産については対応することができないという弱点がありました(建物が未登記だった場合などには所有者が特定できない場合があります)。

所有者不明土地管理制度はそのような場合でも対応が可能。

■ 管理不全土地管理制度


管理不全土地管理制度及び管理不全建物管理制度は、所有者による適切な管理が行われていないために生していることや将来生じさせることが想定できる不動産について、裁判所が管理人を選任する制度です。

管理不全になっている不動産に管理人を選任するという制度はなく、管理不全の不動産から被害を被っている方は、裁判で勝訴したうえで判決により管理させる方法のみでした。

そこで、今回の民法改正において管理不全土地管理制度を設けて裁判所が管理人を選任し、危険や被害を除去するとことになりました。

■ まとめ


所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度と管理不全土地管理制度及び管理不全建物管理制度は「所有者不明土地を活用する」ための方策であり、管理不全土地管理制度の新設により、管理不全の不動産により被害を被っている方にとっては助かる制度となるはずです。

所有者不明土地管理制度及び所有者不明建物管理制度と管理不全土地管理制度及び管理不全建物管理制度は、今年の4月より運用されたばかりであり、今後どこまで解決できるか、制度的に不明慮な点はまだあるものの、今後も注目すべき制度です。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

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