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4.122024

コラム

不動産売買の注意点(道路と敷地)

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 接道義務とは
  • ■ 接道義務の必要性
  • ■ 道路の種類
  • ■ 建築基準法に定められた道路
  • ■ 接道義務の注意点
  • ■ まとめ

■ はじめに


不動産の売買契約において「敷地と道路との関係」は非常に大切な意味を持ちます。

売却しようとする土地や購入しようとする土地は、建物を建築するうえで「接道義務」を満たしているか確認することが大切です。

接道義務とは、建築基準法で定められている道路と敷地に関する規定であり、この接道義務を満たしていない土地は原則建物の再建築不可となります。

ただし、接道義務には例外もあり、接道義務を理解するということは不動産の売買において大切なことです

そこで、今回は売買契約において「敷地と道路との関係」を理解していただくとともに注意点などを紹介いたします。

※道路を定義している法律には建築基準法の他、「道路法」「道路運送法」「道路交通法」などがあり、「道路法による道路」が「建築基準法による道路」の一つの定義になっている以外は、すべて異なる内容になっています。

■ 接道義務とは


接道義務とは、対象となる土地に建物を建築する場合に、建築基準法に定められた道路に2メートル以上接していなければならないという決まりのことであり、この接道義務を満たしていない場合には建築確認は受理されなくなります。

ただし、緩和事項として、敷地の周辺に公園や緑地、また広場などの空き地を有する場合や敷地が幅員4メートル以上の農道や港湾道路など、また建築物が用途や規模、構造などを含めて避難に関して敷地内において通路などが有効に取られている場合には特定行政庁の許可が下りれば同じ扱いとされます。
この場合は申請時における事前協議が必要となり、その結果において判断が下されます。

■ 接道義務の必要性


接道義務はどうして必要なのでしょうか。この理由は安全のためです。

接道義務が必要な安全上の理由として「緊急車両の通行」「災害時の避難路」を確保するためです。

火災や急病人発生の際に緊急車両などが通行できるようにすること、そして災害時の避難路を確保することを目的としているためです。

■ 道路の種類


敷地に接している道路が公道なのか私道なのかを区別する必要があります。

しかし、法的に公道・私道を区別している法律はありません。不動産業界として原則として登記事項証明書上の所有者により判断することしています。

不動産売買における公道とは建築基準法上の道路であって、国や地方公共団体が所有権を有しており、かつ維持・管理責任を負っているものをいいます。

また、私道とは建築基準法上の道路で前記以外のものをいいます。

よって、国や地方公共団体が維持・管理責任であっても所有権を有していない場合は、私道としているのです。

また、国や地方公共団体が所有権を有していても、次の場合には私道として区別しています。

・市道の認定を受けて「公道扱い」となっているが、個人または法人が所有者となっている場合。

■ 建築基準法に定められた道路


建築基準法における道路の定義は以下のとおりです。

「道路」とは、次の各号のいずれかに該当する幅員4メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、6メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。

建築基準法で定められた道路とは、原則では、幅員は4メートル以上、特定行政庁が指定した区域内では6メートル以上となります。

建築基準法第42条では、「道路」を次のとおり分類しています。その種類は以下の通りです。

●第42条1項1号

【道路法上の道路】、【認定道路】と言われる。
道路法に規定する「路線の認定」、「区域の決定」、「供用の開始」の行政行為を経た道路。国道、県道、市道、市道認定された私道で幅員4m以上のもの。

●第42条1項2号

【開発道路】
土地区画整理法、都市計画法、都市再開発法等の法令に基づく道路で幅員4m以上のもの。

●第42条1項3号

【既存道路】
建築基準法施行時(昭和25年11月23日)以前から存在する幅員4メートル以上の道路

 ●第42条1項4号

【計画道路】
道路法、都市計画法、その他の法令により、事業計画のある道路で、特定行政庁が指定した道路。

 ●第42条1項5号

【位置指定道路】
土地所有者が築造し、幅員4メートル以上の道で、特定行政庁から位置の指定を受けた道路。

 ●第42条2項

【2項道路】、【みなし道路】
建築基準法施行の際、既に建築物が立ち並んでいた幅員4メートル未満、1.8メートル以上の道路で、将来的に4メートルに拡幅が可能と特定行政庁が指定した道路。

法42条3項道路

【3項道路】
将来においても拡幅困難なため、2項道路の境界線の位置を中心線から1.35メートル以上、2メートル未満に緩和した道路。

法42条4項道路

【4項道路】
6メートル区域指定時に現に存在していた幅員4メートル以上の道路で、次の要件を満たした道路。
①周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道
②地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道
③6メートル区域指定時に建築基準法上の道路とされていた道路。

法42条5項道路

【5項道路】
6メートル区域指定時に現に存在していた幅員4メートル未満の道路。

法42条6項

幅員1.8メートル未満の2項道路で、建築審査委員会が同意したもの。同意が得られたものは「法42条2項道路」となります。

●例外規定

上記の通り、法42条1項から6項まで建築基準法上「道路」とされる定義されています。この「道路」に接していなければ、建築物の敷地として認められません。道路の例外規定として、以下の2つが法43条2項に規定されています。

・第43条但し書き道路

①建築しようとする敷地が避難及び通行の安全上、基準に適合する幅員4m以上の道に2メートル以上接しており、利用者が少数であるものとしてその用途及び規模に関し国土交通省令で定める基準に適合する建築物であって、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

②敷地の周囲に広い空地を有し、国土交通省令で定める基準に適合する建築物であって、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可するもの

以上の道路のうち、第42条2項の「2項道路、みなし道路」以外は、公道か私道に関わらず原則的に幅員が4メートル以上必要です。

※位置指定道路

位置指定道路であり、所有形態が私道である場合、道路の管理は所有者となります。

前面道路の埋設管の破損により道路を掘削して配管を埋設する場合には私道の所有者の許可が必要となります。また、承諾と併せて承諾料を要求されるトラブルも発生しております。

検索結果: 位置指定道路 | 公益財団法人不動産流通推進センター(旧不動産流通近代化センター) (retpc.jp)

※42条2項道路

2項道路に接する既存建物(中古住宅)を購入した場合、建替え等行わない場合には問題は生じませんが、敷地に建替え等を行う場合には原則道路中心線から2メートル後退した部分が敷地となり、後退した部分は、道路として提供しなければなりません。

■ 接道義務の注意点


敷地の地形が旗竿地になっている場合がります。この旗竿地の敷地は竿部分の幅に注意が必要となります。

接道義務は、建築基準法に定められた道路に2メートル以上接していなければなりません。

これは、道路に接する部分の接道幅が2メートル以上あれば要件を満たしているということではなく、道路に接する部分から敷地内まで全て幅員2メートル以上なければならないということです。

このため、旗竿地の竿の一部でも幅員が2メートル以下である場合には接道義務を満たしてはいないということです。

■ まとめ


接道義務とは、対象となる土地に建物を建築する場合に、建築基準法に定められた道路に2メートル以上接していなければならないという決まりのことであり、この接道義務を満たしていない場合には建築確認は受理されないということです。

接道義務は、災害時の避難路や緊急車両の通行を確保するために、必ず守らなければいけず、接道義務を満たしていない場合、工事の停止や再建築を命じられることもあります。

また、今回はお伝えしておりませんが、用途地域と道路幅員との関係による建築物への規制や旗竿地の場合での竿部分の幅、奥行きにより建築物の規制を受ける場合があります。

不動産の売買をされる場合には、接道義務について把握して売買を進めてください。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

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