お問い合わせ・お見積りはこちらから

0466-82-5511

NEWS

7.152024

不動産の豆知識・雑学特集(面積表示:坪と㎡)

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 0.3025(121/400)の謎に迫る
  • ■ 不動産登記簿にも影響
  • ■ 坪の意味
  • ■ まとめ

■ はじめに


不動産の面積を伝える際、「〇〇〇㎡です。」と答えるのは一般的なことだと思いまます。

しかし、不動産の面積を「坪で教えてくれ」、と言われる方少なくありません。

昭和41年の不動産登記法改正によりメートル法に統一され、すでに58年経過していますが、土地の面積や単価は「坪」の方がイメージしやすい方が多いのではないでしょうか?

不動産の広告においても不動産の表示に関する公正競争規約によりメートル法での表示が義務付けられています

しかし、売却物件の紹介図面である販売図面や賃貸の募集図面では、今でも土地面積○○〇.○○㎡(○○〇.○○坪)や専有面積○○.○○㎡(○○.○○坪)と記載しています。

その結果、物件概要のご説明において「※土地・建物・専有・バルコニー面積1坪=3.3025㎡(121/400)にて計算。㎡・坪表示共に少数第2以下切り捨てのため全て約表示。」と説明しています。

このように、不動産業界では坪でイメージして平方メートルで記載する状態が現在まで継続している状態です。

㎡面積を坪面積に変えて表示する場合、0.3025(121/400)で割り戻すように教わりました。

例えば、150㎡は、45.37坪というようにです。

では、この0.3025(121/400)とはどこから出てきた数字なのでしょうか。

今回は、0.3025(121/400)とはどのような根拠なのか、考えてみます。

■ 0.3025(121/400)の謎に迫る


日本では昔から長さの単位として「寸、尺、間」、面積として「歩、坪、畝、反、町」が使われていました。

これらの単位は、今では全く使われていないのか?と言われればそうでありません。

例えば、市役所の道路課では、「この道路〇尺道路ですよ。」、農業員会では「この方は、〇反所有していますね。」とか様々な場所で使われています。

また、建築用語としても建築面積のことを「建坪」とも呼ぶように長さの単位である「間」や「尺」が用いられ、「主寝室のクロゼットは幅一間半」「廊下の幅は半間」などのように使われています。

1寸(すん)=約30.3ミリメートル 

1尺(しゃく)=約303ミリメートル

1間(けん)=約1,818ミリメートル


不動産以外でも、未だに尺貫法が使用されている場面は多く見かけ、日本酒の「升」や「合」、釘の長さなどの「寸」、油などの液体が入った「一斗缶」などは、尺貫法の名残は今でも残っているのです。

メートル条約により、国によって異なる長さ・重さなどの単位をメートルやキログラムなどに統一しようとメートル法が用いられています。

1891(明治24)年にはメートル法を導入する「度量衡法」が公布され、1893(明治26)年に施行されまています。

しかし、1921(大正10)年に改正度量衡法を公布し、国内の単位をメートル法に統一しましたが、尺貫法に慣れ過ぎていたため、これまでのやり方を簡単に切り替えられず、尺貫法も併用されることになりました。

その後、1951(昭和26)年に公布、翌年に施行された「計量法」によってメートル法が浸透し始め、1959(昭和34)年になってメートル法が完全に実施され、尺貫法は廃止された歴史があります。

そこで長年親しんできた尺貫法と新たにやってきたメートル法。

この2つの法の長さを統一しなければならず度量衡法にて1尺=10/33mと定義され、1坪=36尺平方と定義されました。

この定義により、

1尺=10/33mの定義に基づき換算すると、1尺平方=100/1089となります。

1坪=36尺平方と定義されていることから、36尺平方×100/1089=3600/1089

1坪は、400/121平方メートルとなります。

よって、1坪は、1㎡×400/121=3.0578512396694㎡。

しかし、これでは小数点以下第14位までとなり、計算するごとに大変です。

そこで、1坪=400/121㎡であることから、1㎡は121/400坪。

したがって、1坪=㎡×0.3025、1㎡=坪÷0.3025と計算すると取り決められたのです。

■ 不動産登記簿にも影響


不動産登記簿においても尺貫法による表示からメートル法への書き換えを行った経緯を持つものがあります。

上に記載した不動産登記簿謄本(登記事項証明書)が参考になりますので、参考例としてご説明をします。

① 地積欄に120と記載されており、その左側に「旧」が〇囲みされています。これは、尺貫法で面積が記載されているという意味です。

② 地積欄に1行目に記載されている面積の数字が120と記載されていますよ。そして

③ その下の行に165.28㎡と記載されています。

この部分が尺貫法による表示からメートル法への書き換えを行った経緯となっているのです。

まず、120と記載されている面積の単位は平方メートルではなく、120の左側に「旧」が〇囲みされたいるので尺貫法で面積が記載されているという意味となります。

この尺貫法である「120」は、1畝20歩という面積を意味であり、メートル法に換算した場合、1反=300坪、1畝=30坪、1歩=1坪であるため、


(1畝=30坪)+(20歩=20坪)=50坪となり、50坪÷0.3025(121/400)=165.28㎡となります。

また、不動産登記法上地目が「畑」の場合少数以下は切り捨てによる表示となりますが、地目を「宅地」に変更しているため、小数点以下第2位まで表示を行うため、165.28㎡の記載となります。

※尺貫法の単位から平方メートルへの登記簿の換算について


土地又は建物に関する計量については、昭和 41 年 3 月 31 日までは尺貫法による計量単位を用いてさ
しつかえなかったのですが、昭和 41 年4 月11 日以後は、すべて平方メートル(㎡)による計量単位を用いなければならなくなりました。

これは昭和 41 年 3 月 1 日民事甲第 279 号民事局長通達に基づき、1 万坪未満は換算表を作り平方メートルに換算するようにしましたが、換算率は 1 万坪未満については、1 坪を3.30578512 ㎡とし、1 万坪以上については 1 坪を 121 分の 400 ㎡としました。

■ 坪の意味


「坪」という単位は、土地の面積を表す単位の1つです。

この「坪」という単位は、田んぼの広さから由来され、1坪はひと一人が1日で食べる量の米を収穫することができる広さのこと意味しています。

「坪」という単位が使い始められたのは、奈良時代といわれており、当時の法律である養老令の中には、土地区画や年貢などが定められていました。

その土地区画に関する条里制で、「長さ30歩(ぶ)、幅12歩(ぶ)の広さを1段とする」という記載があります。

この「1段」と言うのは360歩(ぶ)を意味しており、1歩(ぶ)×1歩(ぶ)は約1.8m×約1.8 mとなります。

つまり「1歩」は現在の「1坪」とほぼ同じ面積であり、時代が流れるにつれ「歩」という単位が「坪」に変化してきたことが推測できるのです。

※1歩(ぶ)は、2歩(ほ)分となります。右足分と左足分を1セットで歩幅としていたため。

■ まとめ


私たちが日常的に使っている「坪」は、明治時代にメートル法を基準として、旧来からの尺貫法との整合性を最大限に保ちつつ、メートル法へ移行するときには混乱が生じぬよう1尺=10/33m、1坪=36尺平方と定義されました。

これらの定義により1坪=㎡×0.3025、1㎡=坪÷0.3025と計算することに決まりました。

メートル法を基準としている現代においても、尺貫法の名残は多く残っており、建築を含めた不動産業界では数多くの名残があります。

今回は、1坪=㎡×0.3025、1㎡=坪÷0.3025「0.3025」はどこから来たのか、をメインにお伝えしましたが、打ち合わせなどで尺貫法が出てきましたら、メートルなどに換算してもらい自身の感覚で理解できるようにご質問されることをオススメします。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

#不動産 #売買 #不動産売買 #賃貸 #豆知識 #雑学 #所要時間 
#小田急江ノ島線 #六会日大前 #尺貫法 #メートル法