目次
- ■ はじめに
- ■ 誰が決めているのか。
- ■ どうして80mが1分なのか
- ■ 徒歩所要時間の計算方法
- ■ 徒歩所要時間の計測方法
- ■ まとめ
■ はじめに
不動産の広告を目にされる機会は多いと思います。
売買でも賃貸でも、「その物件って駅から何分?」「駅から8分だよ」と広告表示をそのまま伝えているはずです。
しかし。この「駅から8分だよ」の「8分」とは、どこから出てきた数字なのでしょうか。
今回の「雑学」はこの不動産の徒歩表示である「8分」とは何の根拠だよ、とお考えの方のために考えてみます。
■ 誰が決めているのか
不動産に関する表示は、不動産公正取引協議会連合会が「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」という規則の中で決めています。
表示基準の物件の内容・取引条件等に係る表示基準の項の中に〔各種施設までの距離又は所要時間〕という定めがあり、その中に次の決まりが定められています。
徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を 表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。
これにより、徒歩所要時間を表示しているのです。
■ どうして80mが1分なのか
徒歩1分をどれだけの距離にするか、決める際に様々な年代の方に実際1分間歩いて決めたようです。
その中で成人男性やお年寄り、子供にも計測をお願いしたようですが、結論として
女性がハイヒールを履いて歩いた平均の分速が80.3mであったこと
により、1分=80mと基準が定められ、この基準が現在も使用されているのです
実際、成人男性が歩く速さは、ハイヒールを履いた女性よりも早くなることが予想されますので、成人男性の方はその辺りも考慮して物件を選択してはいかがでしょうか。
■ 徒歩所要時間の計算方法
80mを徒歩1分として算出する、と言うことはご理解いただいたはずです。
では、最寄り駅まで350mの場合は、何分とするのでしょうか。
答えは、5分です。
350m÷80m=4分と30mでも、4分と3/8でもありません。
徒歩1分の距離は80mですので、徒歩5分の場合の距離は、『320mを超えた距離〜400mまで』の間に該当する事になり、
最寄り駅まで320mであれば、4分。
最寄り駅まで340mであれば、5分。
最寄り駅まで400mであっても、5分
といった表記になるわけです。
■ 徒歩所要時間の計測方法
直線距離ではありません
徒歩所要時間の計測方法は、道路に沿って計測した距離であり、直線距離ではありません。
実際に、目的物まで道路に沿って計測して計算して算出しています。
例えば直線距離で100mの距離に最寄りの駅があった場合でも、道路に沿って計測するため、実際の表示は、最寄り駅まで約300m(徒歩4分)となります。
※ここ数年はグーグルマップを確認しながら探される方が多く、グーグルマップより距離を求めている場合も多くなっています。
信号・踏切があっても考慮されない
徒歩表示には、横断歩道の信号の待ち時間や、踏切り待ちの時間は含まれていません。
そのため、最寄り駅までの間に信号や踏切がある場合には表示より、実際にかかる時間が長くなる場合があります。
坂道があっても計考慮されない
徒歩所要時間は、坂道であっても道路に沿って計測するため、実際にかかる時間は長くなります。
地図だけで判断し、「駅から徒歩10分だから問題なし」と考えていても、実際に歩いたら坂道があり、最寄り駅まで15分かかるなんてこともあります。
物件を契約する際は、事前に内覧し、周りの環境を自分で見る事が重要となってきます。
■ まとめ
計測方法は、道路に沿って計測した距離であり、道路距離80mを徒歩1分として計算します。
最寄り駅まで320mであれば、4分。最寄り駅まで340mであれば、5分。最寄り駅まで400mであっても、5分と言ったように距離に1分未満の端数が出たときは、切り上げて計算をします。
※60mの距離にあったとしても、「徒歩0分」ではなく「徒歩1分」と表示します。
信号・踏切りの待ち時間、坂道のある場合でも計算に含まれません。
以上、1分でわかる徒歩所要時間のまとめでした。
まずは契約を締結する前に周りの環境を確認のうえ契約をしていただくことをオススメします。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠
私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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