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8.52024

不動産の豆知識・雑学(専有面積表示:壁芯面積と内法面積)

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 壁芯面積と内法面積の違い
  • 壁芯面積と内法面積の他にもう一つの面積が存在する
  • ■ 壁芯と内法の面積の差はどれくらい?
  • ■ 壁芯面積では税制優遇が受けられないこともあります
  • ■ パンフレット表示を内法面積としない理由
  • ■ まとめ

■ はじめに


マンションの専有面積には、広告やパンフレットに表示される面積(壁芯面積)と登記記録(登記簿)に記載されている面積(内法面積)があり、その壁芯面積と内法面積は異なります。

この面積表示については意外と知られていない面があるかもしれません。

 今回は、マンションの専有面積を表す壁芯面積と内法面積の違いについて考えてみます。

■ 壁芯面積と内法面積の違い


壁芯面積(へきしんめんせき)

壁の中心線により囲まれた部分の面積を言います。マンションのパンフレットに記載されている面積や売買契約書にはこの壁芯面積が多く使用されます。

内法面積(うちのりめんせき)

内壁で囲まれた部分の面積をいいます。マンションの登記記録(登記簿)に記載されている面積であり、住宅ローン控除などの軽減措置はこの内法面積が適用されることになります。

※壁心面積は専有部分を取り囲む壁の中心線をもとに測るものであり、内法面積は壁の内側の部分だけを測るものです。よって専有部分に柱・パイプスペース・メーターボックスなどが多ければ、そのぶん面積の差は大きくなります。

※内法面積は、壁芯面積より狭くなります。

※内法面積が用いられるのはマンションなど区分所有建物の専有部分を登記するときのみです。

※登記記録(登記簿)の表題部に記載されている各階床面積(ワンフロア全体の面積)は、マンションの場合においても壁芯計算によって表記されています。

※建築基準法による床面積の算定でも壁心が用いられます。ただし、不動産登記法と建築基準法とでは、床面積に算入する部分、算入しない部分の規定が違うため、表示される面積が大きく異なる場合もあります。

※一戸建では登記される面積も壁芯面積となり、マンションのような2つの面積とはなりません。

壁芯面積と内法面積の他にもう一つの面積が存在する


マンションには壁芯面積と内法面積の他にもう一つの面積が存在します。

このもう一つの面積とは登記床面積に共用部分の持分を加えた面積となります。

この共用部分の持分を加算した面積を必要とするのは、固定資産税の課税や固定資産税評価額に用いられるもので、「現況床面積」として使用されています。

※各自治体によって表記方法が異なります。

では、面積表示についてまとめてみます。

※藤沢市のAマンションの面積表示。

壁芯面積:70.00㎡・・・パンフレットや広告などに使われる床面積
内法面積:66.03㎡・・・登記に使われる床面積
現況床面積:95.00㎡・・固定資産税の課税や固定資産税評価額として使われる登記床面積に共用部分の持分を加えた面積

壁芯と内法の面積の差はどれくらい?


壁芯面積は、実際に使える面積よりも広く表示されていることをお伝えしました。ここでは、壁芯と内法の面積の差はどの程度あるかを解説します。

壁の厚さは、構造形式等により異なり、構造、間取り等により次のとおりとなります。

1.構造

【木造】

構造を木造とするとなれば柱を壁の中に埋め込んでしまう大壁(おおかべ)仕様の場合、130mm程度が一般的な壁の厚さとなります。

内訳は、

柱の幅が105mmの場合、その両面に仕上げ下地で使われるプラスターボードの厚さが9〜12mm厚となり、その上に1〜2mmの壁紙で仕上げたとし、最低でも125mm、最大で133mmの壁厚となります。

【鉄筋コンクリートの場合】

マンション(3階~5階の中層)などに用いられる鉄筋コンクリート造の場合、壁式構造で160〜180mmが一般的の壁の厚さとなります。

これは構造体としての厚さとなり、内側の断熱材や壁紙、外側のタイル張りなどを含めると、300mm前後の厚さとなります。

※階数やコンクリートの強度などにより異なります。

※ラーメン構造と呼ばれる柱や梁により建物を支える構造の場合方式があります。

2.間取り

【ワンルームマンション】

内法寸法が4.0m×5.0mの20㎡の鉄筋コンクリート造のワンルームの部屋で、壁の厚みが300mmの場合、

  • 壁厚:300mm
  • 内法面積:4.0m×5.0m=20.0㎡
  • 壁芯面積:4.15 m×5.15m=21.37㎡
  • 面積差:20.0㎡ー21.37㎡=1.37㎡

内法面積と壁芯面積との差は1.37㎡となり、内法面積に対して約6.8%の差が生じ、ワンルームマンションでは、平均すると5%~8%程度、構造によっては11%程度の差が生じると言われています。

【ファミリータイプ】

ファミリータイプのマンションでは、壁芯面積と内法面積で平均6%程度の差が生じると言われています。

部屋の面積が広くなると、床面積に対して壁の厚みが占める割合が少なくなります。そのため、住戸の面積が大きくなるほど、壁芯面積と内法面積の差は縮まる傾向があります。

■ 壁芯面積では税制優遇が受けられないこともあります


住宅ローン控除を始めとして多くの税制では、優遇措置の適用対象面積として「50平方メートル以上」などの要件が設けられています。

この要件である適用対象面積は、登記記録(登記簿)に記載されている面積、いわゆる「内法面積」により判断されます。

新築分譲マンションのパンフレットでは「内法面積」の記載はなく、「壁心面積」の表示となります。そのため、パンフレットにおいて「専有面積:53㎡」と記載されていたとしても「内法面積」が50㎡以下となった場合、税制上の優遇措置が受けられないことになります。

内法面積(登記記録(登記簿)に記載されている面積) が基準となる税制優遇

登録免許税の軽減措置
不動産取得税の軽減措置
すまい給付金

固定資産税の減額措置
住宅取得等資金贈与の特例

その他に内法面積(登記記録(登記簿)に記載されている面積) が問題となるもの

火災保険

■ パンフレット表示を内法面積としない理由


税制優遇の適用判断基準や火災保険の加入時に内法面積が問題となるのであれば、新築分譲マンションのパンフレットに内法面積を利用できないのか?これは誰もが疑問に思うことです。

しかし、内法面積は原則として建物が完成してから土地家屋調査士が現況調査・測量を行ったうえで確定されることになります。

よって、建築前や未完成である新築分譲マンションは、募集時おいて内法面積が存在しないことになります。そのため、壁心面積での表示となります。

■ まとめ


マンションの専有面積は、「壁芯面積」と「内法面積」があります。

税制優遇等には「内法面積」が適用対象面積となります。

マンションでは、パンフレットの面積表示は「壁芯面積」であるため、不動産業者の営業担当者などに必ず「内法面積」を確認することをオススメします。。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

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