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7.192024

不動産の基礎知識(賃貸住宅における法定点検とは?)

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 法定点検とは
  • ■ 建築基準法により定められている法定点検
  • ■ 消防法により定められている法定点検
  • ■ 水道法により定められている法定点検
  • ■ 各自治体の条例により定められている法定点検
  • ■ 浄化槽法により定められている法定点検
  • ■ その賃貸住宅において稀にある法定点検
  • ■ まとめ

■ はじめに


賃貸住宅などの共同住宅には借主の生活の安全を確保するため、消防設備・水道設備などの設備は法律により点検・報告が義務付けられています。

万一、火災が発生した場合に消火設備が作動しない、水道水が汚染されていた、など問題が生じた場合どうなるのでしょうか。

法定点検は、過去に起きてしまった事故や事件を教訓に法改正が重ねられた結果、義務づけられている点検・報告項目で期日までに点検せず報告を怠っていると、罰則を受けることになります。

万一、事故の発生により責任を問われるのは所有者あるいは管理者です。

事故の原因が管理不備と疑われた場合は調査がおこなわれ、法定点検がされていなかったことにより、予見できたはずの事故がおきてしまったと認定されると不法行為の責任が問われます。

今回は、賃貸住宅において実際のどのような設備の法定点検が義務付けられているのかを、考えてみます。

■ 法定点検とは


法定点検とは、「建築基準法」や「消防法」「水道法」などの法律によって義務付けられている点検であり、法律により一定周期において「定期的な検査」および「所轄官庁への報告」が義務付けられています。

マンションなどの共同住宅には複数の居住者が居住しており、所有者は居住者の安全を確保する必要が生じるため、建物の状態や災害時の避難経路、飲料水の品質などの調査を定期的に実施し、入居者が安心して暮らせる環境であるかどうかを確認しなければなりません。

なお、点検箇所によって適用される法律は異なり、建物に関する点検は「建築基準法」、消火器や火災報知機などの消防用設備点検については「消防法」、受水専用水道の水質などは「水道法」が適用されます。

法令ごとの法定点検は次のとおりです。

   

■ 建築基準法により定められている法定点検


一定の用途・規模以上の建物は、老朽化や設備不良、災害などで事故が起きると人命や財産に甚大なる被害をおよぼす事態に発展しかねません。

そこでそのような「特定建築物」と呼ばれる規模の建物について、適切な維持管理が行われているかを定期的に報告する義務が定められています。

特定建築物定期調査(建物自体を調査)

建築設備定期検査(換気や排気、非常灯、給排水を確認)

昇降機等定期検査(エレベーターやエスカレーターの安全を確認)

防火設備定期検査(防火扉や防火シャッターなどの防火設備を確認)

■ 消防法により定められている法定点検


消防用設備等点検

火災から生命や財産を守るため、建物には消火器や感知器などの消防用設備が設置されています。

万一の場合、消防用設備が作動しなければ意味がありません。そこで万一に備え確実に機能を発揮できるように常日頃から維持管理と定期的な点検を行い、その結果報告が義務づけられています。

■ 水道法により定められている法定点検


簡易専用水道検査

有効容量の合計が10㎥を超える貯水槽や高架水槽の設置者は、その管理について定期的に厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受けなければならないこととなっています。

■ 各自治体の条例により定められている法定点検


小規模受水槽水道検査

有効容量の合計が10㎥を超えない貯水槽設備でも、各自治体ごとに定められた検査機関による検査を受けなければなりません。

直結増圧給水ポンプ点検

直結増圧給水ポンプ(ブースターポンプ)は、各自治体により定期点検を行うことが条例で定められています。

■ 浄化槽法により定められている法定点検


浄化槽の保守点検・清掃・定期水質検査

浄化槽の管理者は、適正な維持管理により浄化槽の処理性能が確保されているかどうかを判断するため、保守点検・清掃と併せて法定検査を受検しなければなりません。

■ その賃貸住宅において稀にある法定点検


以下の法定点検は、よくある項目ではありませんが重要な項目です。建物管理が不得手な管理会社では見過ごす可能性がないとも限りません。よく確認しておきましょう。

①建築物環境衛生管理基準

建築物衛生法によって定められています。建築物衛生法では建築物環境衛生管理基準に従って、衛生環境の維持管理・監督することが義務づけられています。

②連結送水管耐圧性能点検

設置後一定期間を経過した「連結送水管」「屋内外消火栓等消防用ホース」はその機能に支障が無いかを確認し、消防署長等へ報告する事が消防法で義務付けられています。

③専用水道定期水質検査

専用水道の設置者は、水質検査を実施し、水が水質基準に適合しているかを確認することが水道法第20条により定められています。

④井戸水の水質検査

井戸水(飲用)の水質検査については、都道府県、政令市の条例により規制等があります。井戸水を利用しているエリアはまだ結構あります。

⑤自家用電気工作物定期点検

電気事業法では、キュービクルおよびそれに付随する設備を良好な状態に維持するために、月次点検および年次点検が法令により義務付けられています。

■ まとめ


法定点検は、原則所有者(=貸主)の責任と負担となります。建物の規模や備え付けてある設備の種類により法定点検が定められています。

また、設備等により関連する法令、点検頻度、点検資格者が異なります。

「知らなかった」では済まされない問題です。

法定点検とは、建物や設備に故障などがないか点検するもので、法律で義務付けられています。法定点検を行うことで、故障や事故を未然に防いで入居者の安全性を確保できる、こまめな点検で大きな修繕が起きる前に故障箇所を発見できるというメリットがあります。

管理会社などと打合せを行い、適切な対応をされることをオススメします。

一部引用「賃貸住宅経営者のための基礎知識 大家マニュアル」


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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