全30回連載

【第15回】駅から徒歩15分でも満室になる物件、徒歩5分でも空室になる物件の違い
こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。
木曜夜20時の授業、第15回目です。
不動産の世界には、「駅近(えきちか)は正義」という絶対のルールがあるように思われています。
他社の勉強会でも「駅から徒歩5分以内を選びましょう。10分以上は空室リスクが高まります」と教わることが多いでしょう。
しかし、実際の現場では、「駅から徒歩15分なのに、ずーーっと満室の人気アパート」もあれば、「駅から徒歩5分なのに、半分空室のガラガラマンション」もあります。
この違いは一体なぜ生まれるのでしょうか?
答えは、高校の現代社会や商業の授業で習う「ターゲット(顧客)のライフスタイル分析」にあります。
■ 誰に、その「部屋」という商品を売るのか?
アパート経営の社長であるあなたは、お部屋という「商品」を、どんなお客様に買ってもらう(借りてもらう)かを明確にする必要があります。
case1:都心に通勤する、20代の独身サラリーマン
この人のライフスタイルは「寝に帰るだけ。通勤時間を短くしたい」です。だから、部屋が狭くても、家賃が少し高くても「駅から徒歩5分」を選びます。この人に徒歩15分の物件を勧めても、絶対に入居してくれません。
case2:地方のバイパス沿いにある工場に勤める、車通勤の20代男性
この人のライフスタイルは、移動はすべて「車」です。電車には年に数回しか乗りません。この人にとって「駅からの近さ」の価値はゼロです。それよりも「広い駐車場が2台分あるか」「近くにコンビニやガソリンスタンドがあるか」の方が重要です。
■ 業者が隠す「徒歩5分」の致命的な弱点
もし、さきほどの「車通勤の男性」が多い地方の街で、業者の言う通りに「駅から徒歩5分の、駐車場がないアパート」を建てたらどうなるでしょうか?
駅の近くなので土地の値段は高く、利回りは下がります。
なのに、地元の人(車社会の人)からは「駐車場がないから不便」と見向きもされず、空室だらけになります。これが「駅近なのにガラガラ」の正体です。
逆に、駅から徒歩15分(あるいはそれ以上)離れていても、車社会のエリアで「敷地内駐車場100%完備、お家賃もお手頃」にすれば、地元の若者が大喜びで奪い合いになります。
「駅からの距離」という数字のトラップに騙されてはいけません。
その街に住む人が、毎日「どんな乗り物に乗って、どこへ仕事に行っているのか」。
ターゲットの足元を分析することこそが、本物の社長のエリア選びです。
次回の予告(来週木曜 20:00 配信)
次回は【第16回】現地調査(レントロール)のプロの技。近隣の競合アパートを偵察する方法をお届けします。
業者の資料を飛び出し、実際に自分の足で現地を歩いて「ライバルたちの弱点」を見つけ出す、スパイ大作戦のような分析術を教えます。お楽しみに!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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