全30回連載

【第7回】一番最初につまずく罠。「表面利回り」と「実質利回り」の決定的な違い
こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。
毎週木曜日の20時にお届けしているこのコラム。今週からいよいよ【第2章:数字と分析の基本】がスタートします。
他社の勉強会に行くと、資料の一番目立つところに大きな文字でこう書かれています。
「注目!駅近・利回り10%の優良物件!」
不動産投資に興味を持った人が、最初に覚える専門用語がこの「利回り」です。しかし、業者が叫んでいる利回りのほとんどは「表面(ひょうめん)利回り」という、実態を無視した数字です。
社長であるあなたは、この数字をそのまま信じてはいけません。
■ 高校の算数でわかる「表面利回り」の計算
表面利回りの計算は非常にシンプルです。高校生どころか、小学生の割り算で出せます。
【計算式】 年間の家賃収入 ÷ 物件の価格 = 表面利回り
例えば、3,000万円のアパートを買い、満室時の家賃収入が年間300万円だとします。
「300万円 ÷ 3,000万円 = 0.1(10%)」となり、表面利回りは10%です。
「10年で元が取れる!すごい!」と思いますか?
これが大きな罠です。この計算には、第2回でお話しした「毎月消えていく見えない経費」が1円も入っていません。
■ 本物の実力を測る「実質(じっしつ)利回り」
ビジネスの社長が本当に見なければいけないのは、経費をすべて引き算した後の「実質利回り」です。
同じ3,000万円の物件でも、リアルに経営を始めると、管理費や税金、保険料などで、毎年約60万円の経費(売上の約2割)が出ていくとします。
さらに、常に満室とは限らないので、空室リスクとして年間30万円分をあらかじめ引いておきます。
すると、手元に残る本当の収入は「300万 − 60万 − 30万 = 210万円」になります。
- 【本当の計算式】(年間家賃 − 経費)÷ 物件の価格 = 実質利回り
- 【実際の数字】 210万円 ÷ 3,000万円 = 0.07(7%)
どうでしょうか。業者が「10%です!」とアピールしていた物件の、本当の実力は「7%」でした。これを知らずに10%のつもりでお金を借りてしまうから、後で破産しかけるのです。
■ 今週の電卓ワーク
他社の勉強会で気になる物件の資料をもらったら、書いてある利回りを指で隠してください。
そして、家賃収入から「だいたい2割〜2.5割の経費」を引き算し、それを物件価格で割り算してみましょう。それが、その物件の「化けの皮を剥いだ本当の姿」です。
次回の予告
次回は【第8回】お小遣い帳の延長で覚える!「キャッシュフロー(手元現金)」の計算式をお届けします。
利回りが良くても、手元にお金が残らない?不動産経営で最も大切な「現金」の残し方を解説します。お楽しみに!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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