目次
- ■ はじめに
- ■ 実際に起きている問題
- ■ ゴミ問題は、なぜ起こるのか
■ ゴミを放置するとどうなる
■ ゴミ問題の対応策 - ■ 賃貸住宅における「置き配」
- ■ まとめ
■ はじめに
賃貸物件においてゴミ問題を抱えている物件は少なくありません。
ゴミの出し方などは市町村ごとに決められており、そのルールに沿ってゴミを出すだけのはずなのですが、意外とできていないようです。
そのルールに沿って出されていないゴミは収集されません。
また、ゴミ問題がきっかけでトラブルになるケースもあります。
そこで、今回は、ゴミ問題について考えてみます。
■ 実際に起きている問題
賃貸住宅のゴミ置き場でどのような問題が生じているのか、具体例を挙げると次の5点ほどになります。
①市町村が定めたゴミ出しの曜日が守られないこと
②分別方法や出し方が守られないこと
③ゴミ置き場が汚れていること
④ゴミ置き場の匂いが漏れてしまうこと
⑤入居者以外からの不法投棄、投げ込み
■ ゴミ問題は、なぜ起こるのか
ゴミの出し方などは各市町村により定められているため、他県などから引越しされていた方などゴミの出し方を知らずに間違えていたという場合もあります。
また、ゴミの出し方を注意した方に聞くと、次のような理由があるようです。
・コロナ禍以降仕事の変則化でゴミ出しの時間に寝ているから
・仕事へ出かける時間帯がして時間とずれているから
・子どもの送り迎えなどの時間とずれているから
・指定された日まで室内で保管しておくのが面倒
・一人暮らしのため、ゴミの分別が面倒
・食生活の変化により自炊せず、買ってきた容器を分別するのが面倒
・注意されないから
と言ったゴミの出し方によって、その行為が周囲に迷惑をかけていると自覚していないことが問題にあります。
■ ゴミを放置するとどうなる
ゴミの出し方の中でも生ゴミを決められた出し方をせず、収集してもらえないとどのようなことが起きるのか、と言う点です。
・害虫が発生する
生ゴミ決められた出し方をせず、放置されることで、ハエやゴキブリなどの害虫が発生するだけでなく、場合によってはネズミが出てくることもあります。
とくに、暑い夏場は害虫が発生しやすく、放置される時間が長くなるにつれ、ハエが卵を産み、ウジがわく可能性もがあります。
また、ハエの種類によっては、食中毒の1つである「病原性大腸菌O-157」とも関係していると言われています。
・ 腐敗臭が充満する
生ゴミは、雑菌が繁殖することで腐敗臭の原因となります。
雑菌は、水分の多いところや温度が高いところを好み、より活発に繁殖しますので、湿気が多い梅雨や高温になりやすい夏場は注意が必要です。
腐敗臭が原因で近隣住民などから苦情が寄せられる場合もあります。
・誰の責任なのか
賃貸物件においてゴミの放置に関する責任は、貸主や管理会社の責任と考えられている入居者の方は少なくないはずです。
しかし、基本的には貸主や管理会社が放置されたゴミなどを処分する義務はありません。
では、なぜ?貸主や管理会社がゴミを処分するのでしょうか。
それは、ルールをきちんと守っている入居者に迷惑がかかる、と言うこと。そして放置されたゴミのあるアパート・マンションは資産価値が下がるからです。
また、放置されたゴミがあると、他の人もマネをするわけではないでしょうが、ゴミを捨てる場合もあるからです。
本来であれば、そのままゴミを放置し、その結果どのようなことが生じるのかを、見せるのが良いことかもしれませんが、現実問題としてそのようなことはできないのです。
■ ゴミ問題の対応策
ゴミの対策として入居者への対策とその他の対策が考えられます。これらの対策は次のようなものです。
・入居者への対策
入居者への対策として、以下の方法が考えられます。
・ゴミの出し方のルールを紙面や口頭での周知徹底
・ゴミ置き場にゴミの出し方の見本例の掲示
・不法投棄に関する注意文のポスト投函および掲示
・ルール違反者に個別注意
・その他の対策
その他、以下の方法も考えられます。
・ゴミ置き場の清掃の徹底
・防犯カメラの設置(ダミーでも可)
・センサーライトの設置
・鍵の設置
【防犯カメラ設置の注意点】
貸主がゴミ置き場に防犯目的として防犯カメラを設置すること自体は、
・ゴミ置き場はアパート・マンションの共用部分であり、
・不法投棄の防止や放火などの防犯目的のため
設置の必要性があると考えられます。
しかし、防犯カメラの設置をする場合、防犯カメラは固定され、特定の部屋のみを監視できる状態にしてしまうとプライバシー侵害などの問題が発生する場合があります。
そのため、
・どの範囲を記録するのか、
・どのような使用方法をするのか、
・だれが閲覧の権限があるのか、
を取り決める必要が生じることにご注意ください。
■ まとめ
ゴミ置き場の問題には、ゴミ捨てのルールを守らない住人や、近隣の人が不法投棄をしていくという問題、分別ルールが守られていないためにゴミが回収されないという問題など、さまざまなことが考えられます。
ゴミの出し方を注意しようと、回収されなかったゴミを貸主の判断で処分したり、ゴミを開封して捨てた入居者を特定することは、問題に発展することもあります。
様々な問題を抱えるゴミ置き場ですが、管理会社や専門家と相談しながら入居者に対応していただくことをオススメします。
忘れてはならないのが、ゴミが市町村が定めたルールとおりに出せば問題は起きない、と言うことです。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠
私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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