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6.32024

コラム

賃貸物件での「鳩による被害」は誰の負担なのか、を考える

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 鳩による被害の確認
  • ■ 鳩がバルコニーなどに来る原因
  • ■ 被害は誰の負担となるのか
  •  ー貸主負担の対応と考えるべきケース
  •  ー借主負担の対応と考えるべきケース
  • ■ 鳩の飛来を防ぐ予防策
  • ■ まとめ

■ はじめに


賃貸住宅においてバルコニーなどに鳩が飛来してしまい困ることがあります。
今まで林であった場所が住宅地として整備されるなど、止まり木の少ない地域では賃貸住宅などが鳩にとって生活しやすい環境になり、被害が増加しています。

一度追い払ってしまえば、それで終わり。と言うことであれば問題ありませんが、そう簡単な話でもありません。

では、このような鳩の飛来による防除は貸主・借主どちらが負担すべきものなのでしょうか。今回は、その防除・責任負担等について考えてみたいと思います。

■ 鳩による被害の確認


鳩による被害として次のようなことが考えられます。

● 糞害

鳩やカラスは様々な菌やウィルス、寄生虫などを持っており、これらは糞に含まれているため、溜まった糞を放置しておくことにより健康的に問題があります。

また、賃貸住宅の発生場所としてベランダで発生するケースが多いため、布団や洗濯物が干せなくなる場合があり、糞の多さにより悪臭を発生させ、景観的にも問題があります。

衛生被害

先述したとおり糞には様々な菌やウイルス、寄生虫などが含まれており、衛生的に問題が多いだけでなく、感染症などの病気の原因ともなる非常に危険な側面を持っています。

鳩のフンは乾燥すると細かい粉末状になって空気中を漂い、免疫力の低いお年寄りや小さいお子様やご妊娠されている方が吸い込んでしまうと様々な病気の原因となってしまいます。

● 害虫被害

溜まった鳥のフンは、ダニやゴキブリのような害虫の餌になる可能性があります。
また、特に鳩はトリサシダニやノミといった寄生虫の温床となっており、鳩のフンはそうした害虫が集まってくる原因ともなっています。

● 騒音被害

ベランダに鳥の巣を作られてしまった場合、多くの場合はヒナが居ます。

ヒナは昼夜問わず、鳴き声を発する為、睡眠の妨げとなる場合があります。

■ 鳩がバルコニーなどに来る原因


ハトは安全な場所で快適な場所に巣を作る習性があると言われいます。

賃貸住宅のバルコニーなど高い位置にあり、外敵に襲われる可能性が低く、屋根がある場所で雨風を防ぐことができるなど鳩にとっては理想の場所なのようです。

また、巣を作っても安全かどうか、その場所の滞在時間を徐々に増やしながら確認し、鳩は一度安全な場所であると認識してしまうとその場所からはなかなか離れませんのでバルコニーで見かけたら放置せずに追い出し、安全な場所ではないということを認識させることが大切なようです。

※鳩が巣をつくる目的は、主に「繁殖」であり、草木が生え、虫たちが豊富となる3月、4月、5月にかけて巣作りを始めることが多いようです。

※バルコニーに面するシャッターを何日も開けずにいた場合や長期不在にしている場合など、注意してください。

■ 被害は誰の負担となるのか。


賃貸住宅の場合、室内の修繕や設備の不具合などは貸主の責任範囲となることは明確に定まっています。

しかし、害虫の発生など、借主が対処することになることもあります。

ここで解決の悩ませることは鳩の場合、どこからもなく飛来してきます。

このどこからもなく飛来してくる鳩の場合、責任は貸主か借主か、明確な規定を設けることが困難であり、非常に扱いが難しい問題と言えます。

そこで法的な見地、実務上の管理から貸主・借主は、次の対応が求められると考えられます。

●貸主負担の対応と考えるべきケース

① 入居する以前にすでにベランダに鳩が住みついている。

② 入居した際にすでにベランダが鳩糞で汚れている。

③ 隣接する部屋のベランダに鳩が巣を作っており苦情を入れたが放置され続けている。

④ 賃貸住宅に過去に鳩が巣を作っていたり、寄り付いている。

●借主負担の対応と考えるべきケース

① 鳩に餌を与えていた場合

② 入居後、一定期間経過してから鳩糞の汚損を受けた場合

③ 長期間不在時に鳩が営巣してしまった場合

④ 鳩が滞在してるにもかかわらず何ら対策を講じない場合

■ 鳩の飛来を防ぐ予防策


以下のような方法で、鳩を寄り付かせないための予防をしておきましょう。

① 鳩がとまりそうな場所に、定期的に忌避剤を塗布する

② プロテクターやネットなどで侵入を予防する

③ 超音波などの害獣対策器を設置する

④ シャッターを開け、人の出入りで寄り付かなくさせる

④ 定期的にベランダなどの清掃を行う

忌避剤塗布が効果的と言われています。ただし、賃貸住宅の管理規約で美観維持に関する規定がある場合や、薬剤を塗布することに抵抗がない場合におススメです。


貸住宅の管理規約で美観維持に関する規定がない場合には、ネットやピン型のプロテクターを設置することも有効です。
ただし、ネットを設置する作業は危険を伴うため、専門業者へ依頼することをオススメします。

その他、害獣対策器を設置する方法もあります。これは、ソーラーパワーで稼働し、鳩を察知して作動するものが多く、防塵・防水機能も備えたものが主流になっています。

※作業は危険を伴うため、専門業者へ依頼することをオススメします。

そして原則ですが、常にベランダなどに出る窓のシャッターの開閉のうえ、清掃を行っていただき、安全な場所ではないということを認識させることが大切です。

■ まとめ


鳩の場合、どこからもなく飛来してくるもので、賃貸住宅の場合は責任の線引きが非常に難しい問題です。
貸主、借主も、鳩が来てしまう前に出来る範囲で予防対策をしておけば、鳩だけでなく無用なトラブルも回避することができます。

また、注意いただきたいのは鳥の巣の撤去です。

鳥の巣があるのを発見すると即座に撤去することが必要です。

しかし、巣の中に卵やヒナがいる場合は撤去できません。

環境省の「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」によると自然の動物を保護するために卵やヒナを捕獲する場合、学術研究や生活環境・生態系に係る被害の防止など、正当な理由と許可がないと撤去することはできません。このような場合、借主の生活に極力配慮した処置を行い、巣立つまで待ち、その後に撤去することになります。

よって、鳩の飛来を防ぐ予防策が大切となります。

余談

賃貸住宅などにツバメが巣を作っているのを見かけます。

昔から、ツバメが巣をつくると幸運であると言います。

諸説ありますが、ツバメは害虫を食べるため、農家では害虫被害が少なくなり、作物がよく育ち幸運になると言われているみたいです。

しかし、ツバメ目線でいうと、卵やヒナの天敵である鳥たちが一番恐れているのが人間で、人の住むところに巣をつくるのが安全であるとツバメは考えているようです。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

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