全30回連載

第3回:誰が財産をもらえるの?(法律で決まっている「法定相続人」のルール)
前回の第2回では、相続とは亡くなった人の財産(プラスもマイナスも!)を家族が引き継ぐ「バトンタッチ」のようなものだと解説しました。
では、そのバトンは一体「誰」に渡せばいいのでしょうか?
「残された家族でテキトーに話し合って決めてね」としてしまうと、間違いなくケンカが起きます。
そこで法律(民法)では、あらかじめ「この人が財産をもらう権利を持っていますよ」というメンバーをカチッと決めています。
このメンバーのことを専門用語で「法定相続人(ほうていそうぞくにん)」と呼びます。
今回は、この法定相続人に選ばれる人のルールと、その「おトクな優先順位」について、パズルを解くように分かりやすく解説していきます。
常にバトンを受け取る「絶対王者」は誰?
まず、どんな状況であっても「100%確実に法定相続人になる」という絶対的な権利を持つ人がいます。
それが、亡くなった人の「配偶者(はいぐうしゃ)」、つまり結婚している旦那さんや奥さんです。
法律上、夫婦は「人生を一緒に作り上げてきたパートナー」として最も重く守られています。
そのため、旦那さんが亡くなれば奥さんが、奥さんが亡くなれば旦那さんが、必ず最初にバトンを受け取るメンバーに選ばれます。
ただし、ここで注意が必要なのは、法律上の「婚姻届(こんいんとどけ)」を出している夫婦に限るということです。
どれだけ長く一緒に暮らしていても、籍を入れていなければ法律上の配偶者にはなれないので注意してください。
次に並ぶのは誰?「優先順位(ランキング)」のルール
配偶者以外の家族(子ども、親、きょうだいなど)には、バトンを受け取れる「優先順位(第1位〜第3位)」というランキングが決まっています。
上の順位の人が1人でも生きていれば、下の順位の人には絶対にバトンは回ってきません。
家系図を上から下にスクロールするイメージで見ていきましょう。
【第1位】子ども(およびその子孫)
いちばん優先されるのは、亡くなった人の「子ども」です。もし子どもがすでに亡くなっていて、その子ども(亡くなった人から見た『孫』)がいれば、孫が代わりに第1位の権利を引き継ぎます。
【第2位】親(およびその先祖)
もし、亡くなった人に子どもや孫(第1位)が一人もいない場合に初めて、バトンは上の世代である「親(お父さん・お母さん)」に回ります。
親がすでに亡くなっていて、おじいちゃん・おばあちゃんが生きていれば、その人たちが引き継ぎます。
【第3位】きょうだい(およびその子ども)
子どももおらず、親世代も全員亡くなっている場合に、ようやく最後の砦として「きょうだい(兄・弟・姉・妹)」にバトンが回ってきます。
きょうだいが亡くなっていれば、その子ども(甥・姪)が代わりになります。
「うちの家族の場合は誰になる?」のシミュレーション
文字だけだと難しいので、よくある家庭の例を家系図と併せて考えてみましょう。

例:4人家族(お父さん、お母さん、高校生のあなた、妹)で、お父さんが亡くなった場合
この場合、まず「絶対王者」のお母さん(配偶者)が選ばれます。
次に、優先順位第1位の「子ども」であるあなたと妹が選ばれます。
結果として、このケースの法定相続人は「お母さん、あなた、妹」の3人になります。お父さんには田舎にお兄さん(あなたの伯父)がいるかもしれませんが、第1位のあなたたちがいるため、第3位の伯父さんには1円も権利は回りません。
まとめ:バトンの行き先は家系図で決まる
相続の話し合い(遺産分割協議)をスタートするとき、最初にやらなければならないのが、この「法定相続人は誰か?」を調べることです。
大人の手続きでは、亡くなった人の生まれてから死ぬまでの全ての「戸籍謄本(こいん・こせき)」を集めて、隠れた子どもや前妻がいないかなどを厳密にチェックします。
誰がバトンを受け取る権利があるのかを正しく知ることが、もめない相続の第一歩になるのです。
次回は、メンバーが決まったら「じゃあ、それぞれどれくらいの割合で分ければいいの?」という疑問にお答えします。第4回「どれくらいずつ分けるの?(『法定相続分』という目安の割合)」をお届けします。お楽しみに!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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