全30回連載

【第8回】お小遣い帳の延長で覚える!「キャッシュフロー(手元現金)」の計算式
こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。
木曜夜20時の「騙されないための経営の授業」、第8回目です。
前回は、業者が言う「表面利回り」の嘘を暴き、経費を引いた「実質利回り」が大切だというお話をしました。
「よし、実質利回りが高ければ安心だな!」と思ったあなた、まだトラップがあります。
不動産経営で最も恐ろしいのは、利回りが良いのに黒字倒産すること。それを防ぐために社長が毎月絶対にチェックしなければいけないのが「キャッシュフロー(手元現金)」です。
■ 利回りとキャッシュフローは何が違う?
高校生のお小遣い帳をイメージしてください。
「今月はお正月に親戚からお年玉を3万円もらった(収入)。友達の誕生日プレゼントに5,000円使った(支出)。手元に2万5,000円残っている」
この、最終的に「今、自分の財布にいくら現金が残っているか」がキャッシュフローです。
一方、前回学んだ「利回り」は、あくまで「その物件が年間で何パーセント稼ぐ力があるか」という、書類上の割合(パーセンテージ)に過ぎません。
どんなに利回りが良くても、あなたの財布からお金が垂れ流しになっていたら、社長であるあなたは来月のローンが払えずにゲームオーバーになります。
■ キャッシュフローの正しい引き算
では、あなたのアパートの「財布」に残るお金を、シンプルな引き算で計算してみましょう。
入ってくるお金:毎月の実際の家賃収入(満室想定ではなく、空室を引いたもの)
出ていくお金①:毎月の実際の経費(管理費、電気代など)
出ていくお金②:【ここが重要】銀行へのローン返済(元金 + 利息)
家賃収入から、経費を引いて、さらに「銀行への返済」を引いた、最後に残ったお釣りこそが、あなたが自由に使える「キャッシュフロー(純現金)」です。
他社の勉強会では、この「出ていくお金②(ローン返済)」が大きすぎる物件を平気で勧めてきます。
例えば、毎月の家賃が50万円、経費が10万円、銀行への返済が38万円だとします。
「50万 − 10万 − 38万 = 2万円」
数千万円の借金を背負って、毎晩ハラハラして、手元に残るのが「たったの2万円」です。もし1部屋でも退去者が出たら、一瞬でマイナス(毎月自分の給料から持ち出し)になりますよね。
■ 数字の綺麗さに騙されるな
業者が持ってくるシミュレーションシートの「キャッシュフロー」の欄を見てください。
そこにある数字は、「30年間、1回も空室が出ず、1回もエアコンが壊れず、家賃も1円も下がらない」という、ファンタジーの世界の数字であることがほとんどです。
社長であるあなたの仕事は、そのファンタジーの数字から「現実の空室リスク」や「リアルな経費」を引き算して、自分の電卓で「本当の財布の残り高」を計算することです。
次回の予告
次回は【第9回】なぜ黒字なのに通帳の残高が減るのか?恐怖の「デッドクロス」を解剖をお届けします。
「儲かっているはずなのに、なぜか税金が払えない…」という、多くのサラリーマン大家さんが夜も眠れなくなる恐怖の現象を、高校生にもわかる言葉で解説します。お楽しみに!!
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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。
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