執筆者プロフィール 司法書士 木村 光太朗


お客様が慣れない法的手続きに直面した時、「何から手を付けたらいいのかわからない」、「誰に相談したらいいのかもわからない」といったことはあると思います。
そのような時は、木村光太朗司法書士事務所へご相談ください。
問題が解決し、「依頼して本当に良かった」と言われる事務所づくりを目指しています

目次
- ■ はじめに
- ■ 相続手続きの基本ステップ
- ■ 相続放棄も選択肢の一つ
- ■ 「相続登記」の義務化と重要性
- ■ 遺産分割協議と遺言書の重要性
- ■ 司法書士に相談するメリット
- ■ まとめ
■ はじめに
茅ヶ崎・寒川・藤沢・平塚エリアにお住まいの方がご家族の相続に直面したとき、何から手を付ければよいか戸惑ってしまうこともあるでしょう。
相続手続きは専門的な内容も多く、初めての方には複雑に感じられるかもしれません。
しかし、基本的な流れとポイントを押さえておけば、スムーズに進めることができます。
本記事では、一般の相続人の方向けに、相続手続きの基本や注意点を司法書士の観点からわかりやすく解説します。
大切な遺産を適切に引き継ぐために、ぜひ参考にしてください。
なお、手続きに不安がある場合は早めに専門家に相談することで、後々のトラブルを防ぎスムーズに進めることができます。
■ 相続手続きの基本ステップ
相続が発生した際、どのような流れで手続きを進めていけば良いのでしょうか。以下に基本的なステップを示します。
遺言書の確認:遺言書の有無を確認しましょう。遺言書が見つかった場合は、その内容を確認します。ただし、自筆の遺言書が出てきた場合は、開封せず家庭裁判所で検認の手続きを行う必要があります。遺言書がない場合や、遺言で指定されていない財産については、次の遺産分割協議に進みます。
相続人の確定:被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本等を取得し、法定相続人を確定します。相続人となる人が誰なのかを正確に把握しましょう。戸籍の収集は大変ですが、漏れがあると後の手続きが進められないため、慎重に行う必要があります。
相続財産の把握:遺産にどのような財産があるか調査します。土地・建物、預貯金、株式、自動車などのプラスの財産だけでなく、借金や未払いの税金といったマイナスの財産も洗い出しましょう。財産を把握することで、相続税の申告が必要か、相続放棄を検討すべきかなど判断する材料になります。
遺産分割協議:相続人が複数いる場合は、誰がどの財産を受け継ぐか話し合います。法律上の相続分を参考にしつつ、各相続人の希望も踏まえて合意を目指します。合意ができたら、その内容を「遺産分割協議書」という書面にまとめます。相続人全員が実印で署名・押印し、それぞれの印鑑証明書を添付して完成させます。この協議書は不動産の名義変更(相続登記)などの手続きで必要になります。
各種の名義変更手続き:遺産分割の内容に従って、財産ごとに名義変更の手続きを行います。例えば、不動産は相続登記(所有権移転登記)を法務局で申請します。銀行預金は所定の書類を提出して口座名義人の変更や払戻しの手続きを行います。株式や自動車なども、それぞれ所定の移転や名義変更の手続きが必要です。
相続税の申告:遺産の総額が基礎控除額(例えば現行では「3000万円+600万円×法定相続人の数」)を超える場合、相続税の申告・納付が必要です。相続税の申告は被相続人の死亡から10か月以内に税務署へ申告しなければなりません。相続税が発生しない場合でも、各種名義変更の中で税務署等への届出が必要なケースもありますので注意しましょう。税金に関する手続きは税理士等の専門家に相談することをおすすめします。
以上が主な流れですが、ケースによっては相続放棄を選択することもあります。
次に、相続放棄について見てみましょう。
■ 相続放棄も選択肢の一つ
相続放棄とは、プラスの財産もマイナスの財産も一切相続せず、初めから相続人でなかったことにする手続きです。
借金など負債が多い場合や、引き継ぐ必要のない不動産だけが残る場合などに検討されます。
相続放棄をするには家庭裁判所に申述を行い、受理してもらう必要があります。
期限は相続開始(通常は被相続人の死亡を知った時)から3か月以内と定められており、これを「熟慮期間」と呼びます。
この期間内に手続きをしないと原則として相続放棄はできなくなるため、債務超過が疑われる場合は早めに判断しましょう。
一度相続放棄をすると、その相続については最初から相続人ではなかったものとみなされ、プラスの財産も含め一切受け取ることができません。
他の相続人の相続分にも影響する可能性がありますので、迷う場合は専門家に相談してアドバイスを受けることをおすすめします。
■ 「相続登記」の義務化と重要性
相続登記とは、不動産の名義を被相続人から相続人に変更する手続きです。
以前は相続登記を放置していても罰則はありませんでしたが、2024年4月より法改正により相続登記の申請が義務化されました。
具体的には、不動産を相続した相続人は、その所有権を取得したことを知った日(通常は被相続人が亡くなった日)から3年以内に登記申請を行う必要があります。
正当な理由なくこれを怠ると、10万円以下の過料(行政上の罰則)が科される可能性がありますので注意が必要です。
また、この義務化は施行日前に発生した相続にも適用されます。過去に名義変更をせず放置されている不動産がある場合も、原則として2027年3月末までに相続登記を完了させる必要があります。
相続登記を先延ばしにすると、相続人の世代交代によりさらに多くの人が関与することになり、手続きが煩雑化するリスクがあります。
また、不動産を売却したいときや担保に入れたいときに、名義が故人のままだとスムーズに取引できません。
相続登記は法律上の義務であると同時に、ご自身の権利を確実にするためにも早めに行うことが大切です。
司法書士は相続登記の専門家です。書類の収集から申請手続きまで迅速かつ正確に対応できますので、不動産を相続した際はお気軽にご相談ください。
■ 遺産分割協議と遺言書の重要性
遺産分割協議は、相続人全員の同意によって遺産の分け方を決める話し合いです。相続財産に不動産が含まれる場合や、相続人の人数が多い場合、意見が合わず協議が難航するケースもあります。
そうしたトラブルを避けるために重要なのが遺言書です。被相続人が生前に公正証書遺言などを作成していれば、基本的にはその遺言の指定に従って財産を分けることになります。
遺言書があることで、相続人間の無用な争いを防ぎ、比較的スムーズに手続きを進めやすくなります。
一方、遺言書がない場合でも、法定相続分(法律で定められた各相続人の取り分の目安)を参考にしながら、話し合いで合意を目指します。
重要なのは、感情的な対立を避け、公平感のある解決策を見つけることです。必要に応じて専門家が間に入って調整することで、円満に合意できるケースも少なくありません。
仮に話し合いがまとまらない場合、最終的には家庭裁判所で調停や審判といった法的手続きによって解決を図ることになります。
そこに至ると時間も労力もかかるため、できるだけ相続人間で冷静に話し合い、早めに専門家に相談することが望ましいでしょう。
なお、遺言書は残された相続人の心理的・手続的負担を軽減する大きな効果があります。
もしご家族に高齢の方がいらっしゃる場合は、将来に備えて遺言書の作成を検討することも有益です。
司法書士は遺言書作成のサポートも行っていますので、関心がある方はお気軽にご相談ください。
■ 司法書士に相談するメリット
相続手続きはご自身でも行うことができますが、多くの方にとって煩雑で負担の大きいものです。そこで、専門家である司法書士に依頼するメリットをいくつかご紹介します。
☑ 手続きのトータルサポート:戸籍や住民票等の収集、遺産分割協議書の作成、不動産の相続登記申請など、一連の手続きを司法書士が代行します。経験豊富な専門家に任せることで、手続き漏れや書類不備によるやり直しを防ぐことができます。
☑ 時間と労力の節約:平日に役所や法務局へ出向いたり、各機関へ問い合わせをしたりするのは大変です。司法書士に依頼すれば、ご自身は必要最低限の確認や意思決定を行うだけで済み、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えることができます。
☑ 専門知識による安心感:相続に関する法律や制度(例えば、2024年の相続登記義務化や法定相続情報証明制度など)に精通した司法書士が対応します。常に最新の情報に基づいて適切な手続きを進められるため、自分で一から調べる手間も省け、安心して任せることができます。
☑ 他専門家との連携:相続税の申告が必要な場合には税理士、紛争性が高いケースでは弁護士など、状況に応じて他の専門家の助力が欠かせません。司法書士はそうした各専門家とも連携してサポートできるため、ワンストップで総合的な支援を受けることができます。
■ まとめ
相続手続きは、戸籍収集や書類作成、不動産の登記申請など、多岐にわたる手順を正確に踏む必要があり、慣れない方にとっては大きな負担となりがちです。
本記事でご紹介したように、基本的な流れやポイントを押さえておくことで、ある程度は見通しを立てることができるでしょう。
しかし、法律改正による新たな義務への対応や、家庭裁判所への申立てが必要なケースなど、専門知識を要する場面も少なくありません。
ご自身だけで対応するのが難しいと感じたら、無理をせず司法書士など専門家に相談することをおすすめします。
専門家に任せることで、手続きのミスやトラブルを防ぎ、大切な財産を安心して引き継ぐことができます。
弊所では、茅ヶ崎・寒川・藤沢・平塚エリアの皆様の相続手続きを丁寧かつ確実にサポートしております。相続に関してお困りの際は、どうぞお気軽に弊所にご相談ください。
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