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10.82026

サラリーマン大家さんへの道:高校生から始める不動産経営の基本⑪

全30回連載

【第11回】高校の確率・統計で考える「空室率」の正しい見積もり方

こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。

毎週木曜日20時の定期便。第11回のテーマは「空室(くうしつ)」です。

アパートを経営する上で、一番の恐怖は「誰も部屋を借りてくれないこと」ですよね。家賃が入ってこなければ、売上はゼロです。

他社の勉強会でシミュレーションを見せてもらうと、ほぼ全ての業者がこう設定しています。

「空室リスク:一律 5% で計算していますので安心です」

一見、真面目にリスクを計算しているように見えますが、私はこの数字を見るたびに「高校の数学(確率・統計)の授業をやり直した方がいい」と思ってしまいます。なぜなら、この「一律5%」は現実の賃貸経営をまったく表していないからです。

■ 「5%の空室」という数字のトリック


高校の確率で考えましょう。「10部屋あるアパートで、空室率が5%」とはどういう状態でしょうか?

1年のうち、全部屋がほんの2〜3週間だけ空室になり、すぐに次の人が入る。これなら平均して5%になります。東京の一等地にある超人気マンションなら、この確率もあり得ます。

しかし、一般的なアパートの現実は違います。

誰かが退去したら、部屋をクリーニングして、ネットに広告を出して、次の人が入居するまでに最低でも2ヶ月〜3ヶ月はかかります。

もし、10部屋のうち1部屋が退去し、次の人が入るまでに3ヶ月かかったとしたら、その部屋のその年の空室率は25%(12ヶ月分の3ヶ月)です。

アパート全体で見ても、それだけでその年の空室率は一気に「7.5%」に跳ね上がります。

もし2部屋同時に退去して、3ヶ月埋まらなかったら?空室率は一気に「15%」です。業者が言っていた「5%」なんて、一瞬で吹き飛びますよね。

■ 地方物件の「0か100か」の恐怖


特に注意が必要なのが、部屋数が少ない物件(例:4部屋だけの一棟アパート)や、地方の物件です。

4部屋のうち1部屋が空室になった瞬間、あなたのアパートの空室率は一気に「25%」になります。売上が4分の1カットされるのです。

地方の駅遠物件の場合、一度退去者が出ると、次の人が入るまでに半年、あるいは1年以上かかることもザラにあります。

「平均して5%ずつじわじわ空室になる」のではなく、「埋まっている時は100%(満室)だけど、出たら何ヶ月も0%(空室)」という、激しい確率の波が襲ってくるのが現実です。

■ 社長なら「最悪の確率」を計算に入れておく


他社の勉強会マニアは、業者が入れた「5%」という綺麗な数字をそのままノートに写します。

本物の社長であるあなたは、こう考えて電卓を叩いてください。

「もし、この地域の一入居者の平均居住年数が2年だとして、毎年2部屋が退去し、次の入居までに4ヶ月かかるとしたら……空室率は何%になるだろう?」

この「最悪のシナリオ」を確率として計算に入れても、なお黒字(キャッシュフローがプラス)になる物件だけが、あなたが本当に買っていいアパートです。

次回の予告(来週木曜 20:00 配信)

次回は【第12回】家賃は毎年下がる。30年間の「家賃下落リスク」をグラフで予測するをお届けします。

新築のときの家賃が30年間続くわけがない。数字で見る「建物の老い」の現実です。お楽しみに!

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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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