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10.42026

藤沢の不動産屋さんが教える!コンビニの買い物から一人暮らしまで。高校生のための民法(総則編)⑤

全28回連載:全30話

こんにちは!藤沢市の不動産屋さんです。

9月の法律コラム連載の締めくくりとなる第7話は、皆さんがニュースなどで一度は耳にしたことがある、でも絶対に巻き込まれたくないトラブル。「詐欺(さぎ)」と「強迫(きょうはく)」がテーマです。

悪い不動産屋にウソをつかれて欠陥住宅を買わされたり(詐欺)、怖い人に「この土地を安く売らないとどうなるか分かってるな?」と脅されてハンコを押させられたり(強迫)……。

本人は嫌がっている、あるいは騙されているわけですから、自分の正しい意思で契約していませんよね。民法第96条は、こうした卑劣な手段で契約を迫られた人をどのように救い出してくれるのでしょうか?じっくり解説します!

民法第96条1項には、ズバリこう書かれています。

(詐欺又は強迫)
第96条 詐欺又は強迫による意思表示は、取り消すことができる。

ルールは明快です。騙されたり(詐欺)、脅されたり(強迫)して結んでしまった契約は、後から「なかったこと(取消し)」にできます。

「でも、騙される方も悪いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、民法は「騙すような悪いやつが100%悪い!」というスタンスです。

そのため、騙されて契約した側にどれだけ不注意(過失)があったとしても、契約を取り消して、払ったお金を全額返してもらう権利が認められます。

一見、同じように取り消せる「詐欺」と「強迫」ですが、ここでも「何も知らない第三者」が登場すると、民法が差し伸べる手の温かさがガラリと変わります。

あなたが悪いAに騙されて、藤沢の土地を格安で売ってしまったとします。悪いAは、すぐにその土地を何も知らないクリーンなBさんに転売してしまいました。

後から騙されたことに気づいたあなたは、Bさんに「詐欺だったから土地を返して!」と言えるでしょうか?

民法の答えは、「言えない(土地を取り戻せない)」です(民法96条3項)。

なぜなら、民法は「騙したAが一番悪い」としつつも、「騙されてハンコを押しちゃったあなたにも、少しは落ち度があるよね。

それなら、何も知らずにお金を払って土地を買った可哀想なBさん(善意無過失の第三者)を勝たせてあげよう」と考えるからです。

では、これが「脅し(強迫)」だったらどうでしょうか。

怖いAに「土地を売らないと命の保証はないぞ」と脅され、泣く泣く格安で土地を売ったとします。悪いAは、すぐにその土地を何も知らないクリーンなBさんに転売しました。

後から脅しの恐怖から解放されたあなたは、Bさんに「脅されて書かされたから土地を返して!」と言えるでしょうか?

民法の答えは、「言える!(Bさんから土地を取り戻せる!)」です。

民法はこう考えます。「脅されて命の危険を感じている人に、冷静に断れなんて言えるわけがない。脅された人は1ミリも悪くない!だから、たとえ何も知らないBさんが可哀想だとしても、脅されたあなたを最優先で全力で守る!」

「詐欺」と「強迫」では、被害者の心の追い詰められ方が違うため、法律の守り方の強さもこれだけ変わってくるのです。

実務では、さらに複雑なケースもあります。

あなたが土地を売った相手(売り主)は普通の良い人なのに、「間に入ってきた怪しい仲介人やブローカー(第三者)」に騙されて契約させられてしまった、というようなパターンです。

これを「第三者による詐欺」と呼びます(民法96条2項)。

この場合、あなたが契約を取り消せるかどうかは、「契約相手(買い主)が、あなたが騙されているという事実を知っていた(悪意)、または気づけた(有過失)か」によって決まります。

相手も「え、あの仲介人、あなたを騙してたの!?」と全く知らなかった(善意無過失)場合は、相手を裏切ることになるので取り消せなくなります。

不動産取引では、こうした「怪しい人物」が間に入り込んでこないよう、私たち宅地建物取引士が、取引に関わる全ての人の関係性をプロの目で厳しくチェックしています。

1.詐欺・強迫による契約は、どちらも後から取り消すことができる。

2.詐欺で騙されて売った物は、何も知らない第三者の手に渡ると取り戻せない。

3.強迫で脅されて売った物は、どんな第三者が相手でも、絶対に全力で取り戻せる!

高校生の皆さんも、ネット上の「これ、今だけ無料!」といった詐欺広告や、「これを買わないと友達グループから省くぞ」といった強迫めいたトラブルには絶対に屈しないでくださいね。

困ったらすぐに大人や警察、そして私たち街の不動産屋さんにも相談してください!

これにて、契約のピンチを救う「意思表示のトラブル編」は完結です。

来週からの新しい連載(第8話〜)では、あなたの代わりに契約を行ってくれる便利な仕組み【代理(だいり)】のドラマへと進んでいきます。お楽しみに!

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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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