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9.272026

藤沢の不動産屋さんが教える!コンビニの買い物から一人暮らしまで。高校生のための民法(総則編)④

全28回連載:全30話

こんにちは!藤沢市の不動産屋さんです。

これまでの第4話・第5話では、「冗談(心裡留保)」や「グルになったウソ(虚偽表示)」など、あえて本心とは違う言葉を使ったトラブルを見てきました。

では、「本人は100%大真面目なのに、うっかり勘違いして契約してしまった」という場合はどうなるでしょうか?

「10万円の家賃を、書き間違えて1万円にしてしまった!」

「辻堂駅の近くだと思って契約したら、全然違う場所の物件だった!」

人間のすることですから、こうした「ミス」は誰にでも起こり得ますよね。民法では、このような大きな勘違いのことを「錯誤(さくご)」と呼びます。

今回は、勘違いで大損しそうになった人を救う民法第95条のルールを、じっくり分かりやすく解説します!

民法でいう錯誤とは、簡単に言うと「本人の思い込みと、実際の事実がズレていること」です。

錯誤には、大きく分けて次の2つのパターンがあります。

頭の中では「家賃10万円」と思っているのに、契約書にうっかり「家賃1万円」と書き間違えてハンコを押してしまった、というようなケースです。

「ここに新しく藤沢市の大きな商業施設ができる!」という噂(実はデマ)を信じ切って、将来値上がりするだろうと周辺の土地を高く買ってしまった、というようなケースです。

契約書には正しく金額を書いているけれど、「なぜそれを買おうと思ったか(動機)」が激しく勘違いしている状態です。

大真面目に大勘違いをしてしまった人を守るため、民法第95条1項にはこう書かれています。

(錯誤)
第95条 意思表示は、次に掲げる錯誤に基づくものであって、その錯誤が法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、取り消すことができる。

結論は、「その勘違いが、契約にとって『めちゃくちゃ重要』なことなら、後から契約をキャンセル(取消し)していいよ」ということです。

これを法律用語で「錯誤取消(さくごとりけし)」と言います。

先ほどの②のパターン(新施設ができるというデマを信じて土地を買った)の場合、買った人の頭の中だけの勘違いですよね。

売り主さんからすれば「そんな君の勝手な思い込みなんて知るか!」と言いたくなります。

そのため民法では、動機の勘違いで契約を取り消したいなら、「私はこういう目的(動機)でこの土地を買うんですよ」ということを、相手にちゃんと伝えて(表示して)いなければならない、というルールにしています(民法95条2項)。

「藤沢市に新施設ができるから、この土地を買います」と相手に伝えて契約していれば、それがデマだと分かった時に取り消せるチャンスが生まれるわけです。

「じゃあ、勘違いしたら何でも取り消せるんだ!」と思うかもしれませんが、そんなに甘くはありません。

もし、ちょっと確認すればすぐに間違いだと分かったはずなのに、本人がものすごくズボラで確認を怠っていた場合(これを法律用語で「重大な過失=重過失」と言います)、民法は「そんなに不注意な人は守ってあげないよ」として、取り消しを認めません(民法95条3項本文)。

自分が大不注意(重過失)だったとしても、次の場合は例外的に取り消せます。

相手も同じ勘違いをしていた時: お互い様なので取り消せます(共通錯誤)。

相手が「こいつ勘違いしてるな」と気づいていた時(または不注意で気づかなかった時): 勘違いに乗っかろうとした相手の方が意地悪なので、取り消せます。

これまでのウソや冗談の回でも出てきましたが、ここでも「何も知らないクリーンな第三者(善意無過失の第三者)」が登場すると、話が変わります。

あなたが大勘違い(錯誤)で売ってしまった土地を、買った人がすぐに別の人(Cさん)に転売してしまったとします。

Cさんが「前の取引で勘違いがあったなんて、これっぽっちも知らないよ」という綺麗な状態だった場合、あなたはCさんから土地を取り戻すことはできません(民法95条4項)。

不動産取引において、「やっぱり勘違いだったから返して」がいつでも通用してしまうと、買った人は安心して夜も眠れなくなってしまいます。

だからこそ、私たち不動産業者は、重要事項説明書などの分厚い書類を使い、お客様に「本当にこの物件で間違いないですか?家賃や広さはこれでいいですか?」と、錯誤が起きないように何度も確認するのです。

1.契約にとってめちゃくちゃ重要な勘違い(錯誤)なら、契約を取り消せる!

2.「〜だから買う」というキッカケ(動機)の勘違いは、相手にその理由を伝えていないと取り消せない。

3.自分に大きな不注意(重過失)があったり、何も知らない第三者が間に挟まると、取り消せなくなる!

高校生の皆さんも、ネットショッピングで「個数を『1個』じゃなくて『11個』と押し間違えた!」なんていう表示の錯誤には気をつけてくださいね!

次回は、これまでのトラブルとは一変、悪い人に騙されたり脅されたりして契約させられてしまった時の救済ルール、【第7話:詐欺と強迫(騙された・脅された契約)】について詳しく解説します。お楽しみに!

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■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

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