国土交通省は9月19日付、今年度(2023年度)の都道府県地価(基準地価)を公表されました。基準地価とは、全国約2万地点の基準値における7月1日時点の標準価格です。皆様がよくニュースなどで耳にされるのは、公示地価かと思われます。公示地価とは、国土交通省が3月中旬に公表している土地の価格です。土地の取引価格に指標を与えることや適性な地価の形成に寄与することなどが目的です。1月1日時点の全国約2万3,000か所の標準地が地価公示法に基づいて評価されます。
土地を取引する際には、適正価格を意識する必要があります。購入時に想定を上回る価格だったり、逆に売却時に想定を下回る値段だったりする場合に、客観的に適正価格がいくらなのか取引相手に提示できると交渉もスムーズにいくかもしれません。
■ 藤沢市の変動率
藤沢市の今年度(2023年度)の公示地価は平均23万3563円/m2、坪単価では平均77万2110円/坪で、全国順位は62位です。前年からの変動率は+2.22%で、変動率の全国順位は170位です。
藤沢市の今年度(2023年度)の基準地価は平均25万1333円/m2、坪単価では平均83万0853円/坪で、全国順位は59位です。前年からの変動率は+3.93%で、変動率の全国順位は117位です。
今回は、3月に発表された公示地価と9月に発表された基準地価の上位30地点を記載してみましたのでご覧ください。
■ 藤沢市の2023年度:公示地価・基準地価 上位30地点
※公示地価、基準地価ともに藤沢駅・辻堂駅・湘南台駅周辺の地域の上昇が高いようです。
■ 公示地価・基準地価とは
公示地価・基準地価はいずれも公的機関が公表している、日本各地の「土地の値段」です。
買主側の土地に対するニーズの高さ、あるいは売主側に早期の現金化ニーズが高いなど、売買時のさまざまな事情によって取引価格は左右されます。そのため、政府は「平均的」な土地を標準地として、その正常な地価を公表することで土地取引の際の指標を定めるようにしています。
公示地価
公示地価は、指標としての役割を持つ地価です。
公示地価は「公示価格(地価公示価格)」とも呼ばれることがあります。「土地の一物四価」という4種類の価格(実勢価格(時価)・公示地価・相続税評価額(路線価)・固定資産税評価額)のうちの1つで、国土交通省土地鑑定委員会が定めた全国の標準地の標準価格です。要するに、土地取引を行う際の標準的な価格が公示地価であると捉えればよいでしょう。
ほかにも、公共事業用地取得価格算定の基準、国土利用計画法による土地の価格審査の基準などとしても用いられます。
標準地の1平方メートルあたりの価格を公示地価としており、これが特別な事情がない限りにおいて適正と見込まれる価格(正常価格)となります。必ずしも土地の取引価格を公示地価に合わせる必要はないのですが、重要な指標としてしばしば参考にされます。
毎年1月1日時点の更地価格を調査し、3月中旬頃に公示されます。2020年は、3月19日に発表されました。三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)で住宅地・商業地ともに上昇しただけでなく、全国平均でもともに上昇するなど、全国的に地価の緩やかな回復傾向が明らかとなりました。
公示地価は、土地取引だけの参考価格ではありません。土地に対する相続税や贈与税を決める際の目安や、固定資産税評価額の目安としても用いられます。
基準地価
「基準地価」は各都道府県が主体となって毎年7月1日時点の評価が、9月下旬頃に公示されます。
基準地価の評価方法は基本的に公示地価とほぼ同じですが、1地点につき不動産鑑定士1名以上による鑑定評価をもとに決めるという点と、都市計画区域以外も含まれる点が異なります。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠
私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。