■ 目次
- ■ プロパンガス会社は変更可能なのか
- ープロパンガスと都市ガスの違い
- ー料金について
- ー手間について
- ー災害時の復旧について
- ■ プロパンガスから都市ガスへの切り替えは可能なのか
- ■ 費用について
- ー引込工事費用
- ーガス機器の変更費用
- ープロパンガスを変更することによる違約金
- ■ ガス会社変更が難しい理由
- ■ まとめ
■ プロパンガス会社は変更可能なのか
賃貸住宅を借りている場合、「プロパンガスのガス会社を変更したい」、と考えたら変更できるのでしょうか。
結論からお伝えしますが、賃貸物件のプロパンガスのガス会社を借主個人が変更するのは簡単なことではない、ということです。
理由としては、いくつかあるのですが、そのそも「プロパンガスのガス会社を変更したい」、とう考えはどこから発生するのでしょう。その質問を考えた場合、プロパンガスのガス料金は都市ガスよりも高い傾向であり、光熱費を安くしたい、ということが上げられます。
●プロパンガスと都市ガスの違い
プロパンガスと都市ガスとの大きな違いは、料金、手間、災害時の復旧に関する点です。
●プロパンガス
割高な傾向 災害時復旧しやすい
●都市ガス
料金に縛りがある
災害時復旧に時間がかかる
●料金について
地域によって差はありますが、一般的にプロパンガスは都市ガスに比べて料金が割高な傾向があり、都市ガスには料金設定に縛りがあるのに対し、プロパンガスは小売業者が自由に料金を決められることが関係しています。
●手間について
都市ガスは地下のガス管を通じて供給されますが、プロパンガスは各家庭や物件に配置したガスボンベを通して供給されます。
ガスボンベは定期的な交換が必要なため、都市ガスに比べてプロパンガスは手間がかかります。
●災害時の復旧について
災害が起こった際には、復旧までに時間がかかる都市ガスに対し、プロパンガスはガスボンベの安全性などが確認でき次第すぐに使用することができます。
■ プロパンガスから都市ガスへの切り替えは可能なのか
賃貸住宅の雪面道路に都市ガスの本管が埋設されていらば、原則として都市ガスの供給が可能です。
接面道路に埋設されている都市ガスの本管から賃貸住宅につなげる工事を行うことにより、ガスの供給を受けることが可能です。
■ 費用について
●引込工事費用
都市ガスの供給には接面道路に埋設されている道路に埋設されているガス本管から賃貸住宅まで引き込み工事が必要です。
●ガス機器の変更費用
プロパンガスから都市ガスに変更する場合、今まで使っていた給湯器やガスコンロなどのガス機器をそのまま使用することはできないため、
- 現在ご使用のガス機器の部品を取り換えて都市ガスに対応させる。
- 都市ガス対応のガス機器を購入する。
の2つの方法となります。
現在使っているガス機器のメーカーが、都市ガス仕様に変更するための部品を扱っていれば、1つ目の方法をとることができます。
●プロパンガスを変更することによる違約金
現在使用しているプロパンガス会社との契約内容により異なりますが、無償契約を結んでいる場合、契約期間により違約金が発生します。
プロパンガスの供給を行っているガス会社と契約を締結しているのは貸主です。そのため、借主はガス会社と借主が貸主に代わって契約の変更を行うことはできません。
ただし、貸主がガス会社の変更について承諾すれば契約の変更は可能となります。
契約変更を許可してもらうためには、大家さんの負担が軽減する方法を選んだり、他の居住者と協力するのが有効です。
■ ガス会社変更が難しい理由
賃貸物件でプロパンガスの契約を変更したくても、基本的に個人での契約変更は難しいと考えられます。
プロパンガスの契約条件の一つとして物件を所有している必要があり、プロパンガスの契約を決定することができるのは貸主です。
また、世帯ごとに異なるガス会社を利用するのは、建物の構造上の理由からプロパンガス会社を選べない理由の一つです。
一つの建物内で複数のガス会社がガスを供給しようとすると、設備の設置や管理、費用をそれぞれの会社に振り分けることが難しくなります。
プロパンガスの供給にはガス管が必要であり、同じ建物の居住者は同じガス管を共有するのが基本です。
そのため、世帯ごとにガス管を使い分けることは難しく、同じ建物内の設備を複数の会社で管理するのは物理的に簡単なことではありません。
このような背景から、賃貸住宅などの集合住宅はプロパンガス会社との契約は、一つの建物につき一つのプロパンガス会社とされています。
■ プロパンガスガス会社を変更したい場合
賃貸住宅でプロパンガス会社との契約の決定権は貸主です。
借主がプロパンガス会社を変更したい場合は、貸主の許可が必要となります。
貸主の許可を取るには貸主にとってメリットがなければ意味がありません。メリットがあれば貸主より契約変更を許可してもらえる可能性があります。
また、入居者との協力も必要です。複数の居住者から契約変更を求められれば、貸主も検討してくれるかもしれません。ただし、貸主にとってメリットがあるかが問題となります。
■ まとめ
プロパンガス会社は基本的に借主が変更することはできません。
プロパンガス会社との契約は貸主とプロパンガス会社の間で締結されています。
借主がプロパンガス会社を変更したい場合、他の入居者と協力して貸主に変更に値するメリットが得られる事実が伝われば、話をうまく進められる可能性はあります。
■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠
私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)のパイオニア(先駆者)を目指しています。
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。
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