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8.62026

サラリーマン大家さんへの道:高校生から始める不動産経営の基本①②

全30回連載

【第1回(前編)】「勉強会マニア」が一番危ない?学んだ気でお金を失う人の共通点

こんにちは。不動産コンサルタントの飯島誠です。

最近、サラリーマンの方からアパート投資のご相談をいただく機会が非常に増えています。

お話を伺うと、「他社の勉強会やセミナーに何度も参加して、熱心に勉強しています!」という方がたくさんいらっしゃいます。

本を何冊も読み、専門用語をたくさん知っている方も珍しくありません。

しかし、大変失礼ながら、私はそうした「勉強家な人」ほど、心の中で「危ないな……」とハラハラしています。

なぜなら、多くの勉強会に参加している人ほど、実は「一番大切な分析」を他人に丸投げしている傾向があるからです。

■ 「学んだつもり」の罠


他社の華やかなセミナーに参加すると、成功事例や「レバレッジ」「節税効果」といった魅力的な言葉がたくさん飛び交います。

キレイな資料や、プロが作った完璧なExcelのシミュレーションシートを見せられると、なんだか自分も賢くなって、成功ルートに乗ったような気分になりますよね。

これが罠なのです。

心理学ではこれを「認知の歪み(学んだ気になって満足してしまう状態)」と呼びます。

厳しい現実を言います。他社の勉強会であなたが学んでいるのは、不動産投資の「基礎」ではなく、その業者が「あなたにアパートを買わせるための、都合の良いストーリー」であることがほとんどです。

■ 高校生でもわかる「お店屋さんごっこ」との違い


アパート投資を始めると、あなたは「サラリーマン大家さん」ではなく、「アパート経営という会社の社長」になります。

高校生の文化祭の模擬店(お店屋さんごっこ)をイメージしてください。

「タピオカ屋をやれば儲かるよ!」と友達(業者)に言われて、仕入れ値も、場所代も、何杯売れば黒字になるかも自分で計算せずに、友達の「絶対儲かるから!」という言葉だけでお店を出しますか?

出しませんよね。もし出したら、大赤字になってお小遣いが吹き飛ぶのは目に見えています。

しかし、なぜか数千万円、数億円という大金が動くアパート投資になると、業者が作った「30年間満室・家賃も下がらない」というあり得ない前提のシミュレーションシートを鵜呑みにして、自分で電卓を叩かずに契約してしまう人が後を絶ちません。

■ セミナーを10回受けるより、1回電卓を叩こう


知識をインプットすることは素晴らしいことです。しかし、他人が作った数字を眺めているだけでは、それは「勉強」ではなく「エンタメ(娯楽)」を消費しているのと同じです。

アパート経営というビジネスの社長になるなら、他人の言葉ではなく「自分で弾き出した数字」だけを信じる必要があります。

必要なのは、難しい経済学の知識ではありません。高校生までに習う、シンプルな算数・数学の力です。

では、具体的に「自分で数字を弾く」とはどういうことなのか?

そのまま、続けて【第2回(後編)】を読み進めてください。あなたの通帳から消えていく「本当のコスト」の正体を明かします。


【第2回(後編)】アパート投資は「不労所得」ではない。損益計算書で見る「経営」の現実

前編(第1回)では、アパート投資は「投資」ではなく「経営(ビジネス)」であり、あなたが社長になるのだとお伝えしました。

社長になったあなたに、最初にお金が入ってきたとき、絶対に勘違いしてはいけない超重要な基本があります。

それは、「通帳に振り込まれた家賃は、あなたの利益(お小遣い)ではない」ということです。

■ 「不労所得」という言葉の甘い罠


多くの勉強会や本では、アパート投資を「不労所得」や「私的年金」と呼びます。「一度買ってしまえば、毎月自動的にお金が振り込まれる魔法のシステム」のようなイメージです。

しかし、実際の経営はそんなに甘くありません。

会社を経営するときに必ず作る「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」という書類があります。

これは「いくら稼いで(売上)、何にいくら使い(費用)、最終的にいくら儲かったか(利益)」を記録する、社長の成績表です。

高校生のアルバイトなら「働いた時間 × 時給 = 自分のもの(給料)」ですが、社長の計算は違います。

入ってきたお金(売上・家賃収入)

出ていくお金(経費・ローン・税金)

この2つを正しく計算して、最後に残ったかすかなお金だけが、あなたの本当の「利益」です。

アパート経営は、不労(働かない)ではなく、立派な「管理ビジネス」なのです。

■ 毎月、あなたの通帳から消えていく「見えない費用」


業者のシミュレーションシートには、家賃収入からローンの返済を引いた「手残り」が大きく綺麗に書かれています。

しかし、損益計算書(経営の成績表)には、業者が見せたがらない「リアルな費用」がドサドサと乗ってきます。

1.管理代行手数料(不動産屋さんに管理を任せる代金)

2.共用部の電気代や水道代(廊下の電気など)

3.固定資産税・都市計画税(毎年必ず国から請求される税金)

4.火災保険・地震保険料(建物を守るためのコスト)

5.突発的な修繕費(エアコンが壊れた、雨漏りがした)

どうでしょうか。これらを全部差し引いた後、あなたの手元にいくら残るでしょうか?

他社の勉強会で「毎月10万円の手残りになります!」と言われた物件が、これらの費用を真面目に計算した途端、毎月数万円の「赤字(持ち出し)」に化けるケースは日常茶飯事です。

■ 「家賃をもらう人」から「価値を提供する人」へ


不労所得だと思っている人は、入居者を「お金を運んでくる人」としか見ません。

だから空室が出たときにパニックになります。一方で、経営マインドがある社長は、入居者を「自社の商品(部屋)を買ってくれた大切なお客様」として接します。

お客様に長く住んでもらうために、どんな設備が必要か?

退去されてしまったら、次の人を呼ぶためにいくらの広告費(経費)をかけるべきか?

これをノートに書き出し、計算することこそが「分析」であり「経営」です。

画面の中のシミュレーションを眺めてニヤニヤしている時間は、1秒もありません。

アパート経営の社長になったつもりで、まずは「入ってくるお金」と「出ていくお金」の項目を、お小遣い帳ではなく「会社の経費(損益計算書)」として意識してみることから始めましょう。


次回の予告

次回は【第3回】株やFXと何が違う?不動産経営だけが持つ「レバレッジ」の本質をお届けします。

「借金をして投資をする」という、高校生が聞いたら気絶しそうな戦略の、本当のメリットと恐ろしいデメリットを解剖します。お楽しみに!


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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