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6.152026

【賃貸オーナー必見】人口減少時代の勝ち残り戦略:なぜ「猫共生マンション」のようにターゲットを極限まで絞るべきなのか?

■ 目次

  • ■ 「万人受け」の終焉と「ニッチ特化」の必要性
  • ■ なぜ市場に「猫共生賃貸」はこれほど少ないのか?
  • ■ 入居者のマインド変化:賃貸だからこそ「今、好きな空間」に投資したい
  • ■ 「少ないからこそ勝てる」猫共生が持つ最強のメリット
  • ■ 実例に学ぶ:支持される理由 
  • ■ まとめ

日本の賃貸住宅市場は、今まさに大きな転換期を迎えています。

少子高齢化と人口減少が加速する一方で、新築賃貸マンション・アパートの供給は続き、多くのエリアで「空室率の上昇」が深刻な課題となっています。

このような供給過剰の時代において、従来のような「万人受けを狙う普通の物件」は、激しい価格競争(家賃値下げ合戦)に巻き込まれ、次第に淘汰されていく運命にあります。

では、これからの時代に長期安定経営を実現するためには、どのような戦略が必要なのでしょうか。その答えが「ターゲットを極限まで絞り込むこと」にあります。

今回は、藤沢市亀井野にある猫共生型賃貸マンション『クラルス』のような成功事例を参考にしながら、なぜターゲットを絞ることが大切なのか、

そしてなぜ市場にわずかしか存在しない「猫共生」というニッチ市場が、オーナーにとってこれ以上ないブルーオーシャンなのかを、構造的な理由と新たな入居者心理を交えて深く掘り下げていきます。

■ 「万人受け」の終焉と「ニッチ特化」の必要性


なぜ「普通の部屋」は選ばれなくなるのか?

一昔前であれば、「駅から徒歩10分以内」「バストイレ別」「南向き」といった条件を満たしていれば、特に工夫をしなくても入居者は集まりました。

しかし、物件が溢れ返る現代において、これらの条件は「あって当たり前」の最低ラインに過ぎません。

条件が同じ「普通の部屋」が並んだとき、入居希望者が最後に選ぶ基準は何でしょうか。それは「家賃の安さ」です。

ターゲットを絞らないということは、競合するすべての物件と同じ土俵に立つことを意味します。

結果として、大手ポータルサイトでの「家賃が安い順」のフィルターに晒され、1,000円、2,000円の値下げ競争に巻き込まれていくのです。

ターゲットを絞る=「その他大勢」を捨てる勇気

「ターゲットを絞ると、それ以外の人に応募してもらえなくなるから損をするのではないか」
そう不安に思うオーナー様も少なくありません。しかし、これは大きな誤解です。

すべてのジャンルで70点を目指した物件は、誰にとっても「悪くはないが、ここでなければならない理由もない部屋」になります。

一方で、特定の誰かに向けて120点を目指した物件は、その他の99人には響かなくても、「まさにこんな部屋を探していた!」という1人の入居者を強烈に惹きつけます。

満室経営に必要なのは、地域にいる何万人もの入居希望者全員に好かれることではありません。

自棟の戸数分(例えば15戸のマンションであれば、わずか15人)の「熱狂的なファン」を見つければ、それだけで満室は達成できるのです。

■ なぜ市場に「猫共生賃貸」はこれほど少ないのか?


ターゲットを絞る切り口には様々なものがありますが、今、最も底堅く、圧倒的な需給ギャップを誇るのが「猫(ペット)共生」です。

現在、日本の飼育犬・飼育猫の総数は、人間の子供(15歳未満)の数を大きく上回っています。

特に猫は、散歩が不要で留守番が得意なことから、一人暮らしや共働き世帯を中心に「猫を飼いたい」という需要が爆発的に伸びています。

それにもかかわらず、市場にある賃貸物件の「わずか数パーセント」しか猫を飼える物件はありません。

「ペット相談可」と書かれていても、その9割以上が「小型犬限定(猫不可)」というのが冷酷な現実です。

なぜ、これほど需要があるのに「猫共生賃貸」は少ないのでしょうか。

そこには、オーナーや管理会社が抱える「3つの心理的・構造的障壁」があります。

理由①:退去時の「原状回復費用」に対する強い恐怖心

最大の理由は、オーナーや管理会社が抱く「猫=部屋をボロボロにする」という固定観念です。

「爪研ぎで壁紙や柱がズタズタにされるのではないか」

「フローリングに尿を漏らされ、床下まで臭いが染み付いたらどうするのか」

こういったトラブルが発生した場合、退去時の原状回復費用が数十万〜数百万円に膨れ上がるリスクがあります。

「そんなリスクを冒すくらいなら、ペット不可で普通に貸した方がマシだ」と考えるオーナーが圧倒的多数派なのです。

理由②:近隣・入居者間の「騒音・臭いトラブル」の回避

集合住宅において、オーナーが最も避けたいのは入居者間のトラブルです。「猫の足音が階下に響くのではないか」「ベランダから隣の部屋に侵入してトラブルになるのではないか」「共用部が猫の毛や臭いで汚れるのではないか」といった管理上の懸念から、管理会社自体がオーナーに「猫はトラブルの元だからやめておきましょう」とストップをかけるケースが後を絶ちません。

理由③:建築・リフォームの「専門ノウハウ」の不足

一般的なハウスメーカーや工務店は、効率よく安価に建てられる「標準仕様」のアパートを提案します。

猫が快適に暮らせる動線(キャットウォークの配置や脱走防止扉など)や、猫の習性を考慮した内装材の選定には、専門的な設計ノウハウが必要です。

多くのオーナーにとって、未知の領域である「猫特化型」の建築に踏み切るには情報が少なく、結果として「どこにでもある普通の物件」を建ててしまうという構造的な問題があります。

■ 入居者のマインド変化:賃貸だからこそ「今、好きな空間」に投資したい


このように、オーナー側がリスクを恐れて供給を渋る一方で、入居者側の「部屋に対する価値観」には劇的な変化が起きています。

近年、若い世代を中心に「結婚したらマイホームを買う」という価値観は絶対的なものではなくなりつつあります。

「一生同じ場所に住むつもりはない」「ライフステージや仕事に合わせて気楽に住み替えたい」という、ポジティブな理由で賃貸を選び続ける人が増えているのです。

しかし、ここで重要なのは、彼らが「家へのこだわりを諦めているわけではない」という点です。

むしろ彼らは、「一生住むわけではないからこそ、短期間(数年間)暮らす今の部屋は、自分の趣味や好みを100%詰め込んだ最高の空間にしたい」という強い希望を持っています。

特に猫の飼い主にとって、「いつか家を買ったら猫を飼おう」ではなく、「賃貸に住んでいる『今』という時間を、大好きな猫と妥協のない環境で過ごしたい」という欲求は非常に切実です。

持ち家を購入するとなれば、何千万円もの住宅ローンや将来の資産価値、金利リスクなど、多くの重荷を背負わなければなりません。

しかし、賃貸であれば「数年間、自分の好みのライフスタイルに投資する」という軽やかな感覚で、多少家賃が高くても、自分のこだわり(猫ファースト)に振り切った尖った物件を喜んで選ぶのです。

オーナー側は、この「賃貸ならではの気楽さと、だからこそ『今』を妥協したくない」という現代の入居者心理を掴まなければなりません。

■ 「少ないからこそ勝てる」猫共生が持つ最強のメリット


市場の供給が極めて少なく、かつ「今、こだわりたい」という入居者の強い熱量がある。この2つが掛け合わさることで、猫共生賃貸は「ライバルが誰もいない独占市場(ブルーオーシャン)」となります。

先述したオーナー側の懸念(原状回復などのリスク)は、正しい設計と管理ルール(ソフト面)によって完全にコントロール可能です。

リスクを克服した先には、一般の賃貸では絶対に得られない「3つの特権」が待っています。

① 圧倒的な「引き合い(客付け)」の強さ

一般的な物件であれば、繁忙期(1月〜3月)を逃すと空室が長期化しがちです。しかし、猫共生物件は季節を問いません。

ポータルサイトで「猫可×共生設備」で検索するユーザーは、常にアンテナを張っています。

供給が圧倒的に少ないため、駅から少し離れた立地であっても、ネットに情報を掲載した瞬間に問い合わせが殺到するケースも珍しくありません。

② 家賃設定を高くできる(プレミアム家賃の実現)

ターゲットを極限まで絞り、そのターゲットが困っている課題を解決する物件は、相場より高い家賃を設定しても喜んで選ばれます。

猫の飼い主にとって、愛猫と安心して暮らせる環境は、多少の家賃差を優に超える価値があります。

周辺相場が11万円のエリアであっても、完璧な猫共生仕様であれば、13万〜14万円といった「相場+10〜20%」のプレミアム家賃を正当に維持できます。

③ 驚異的な「退去率の低さ(長期入居)」

賃貸経営において、最もコストがかかる瞬間は「入居者の退去」です。原状回復費用、次の募集広告費、そして数ヶ月に及ぶ空室期間の家賃収入ロスは、オーナーのキャッシュフローを大きく圧迫します。
しかし、猫共生物件の入居者は「一度入居すると、驚くほど退去しない」という特徴があります。理由はシンプルで、「次に猫と暮らせる同等以上の物件を見つけるのが極めて困難だから」です。転勤などの物理的な理由がない限り、4年、5年、あるいはそれ以上の長期にわたって住み続けてくれるため、経営が極めて安定します。

■ 実例に学ぶ:支持される理由


では、具体的に「少ない市場で勝ち誇る物件」として、藤沢市亀井野3丁目の『クラルス(2022年築)』を見てみましょう。

この物件には、ターゲットを絞り込んで成功するためのヒントが詰まっています。

① 「六会日大前」という立地とターゲットの掛け合わせ

小田急江ノ島線の六会日大前駅周辺は、日本大学生物資源科学部があるため、元々は学生街としての側面が強いエリアです。

しかし、学生向けのワンルームは浮き沈みが激しく、少子化の影響をダイレクトに受けます。

『クラルス』は、あえてターゲットを単身の学生ではなく、「ゆったり暮らしたい社会人カップルやファミリー、あるいは経済的に余裕のある単身者」に向けた「2LDK(約56m²)」とし、そこに「猫共生」という付加価値を掛け合わせました。

まさに「人生の特定の期間、猫と一緒に理想の暮らしをしたい」という層のニーズをピンポイントで捉えたのです。

これにより、近隣の学生向けアパートとの競合を完全に回避し、周辺相場を上回る13万円台後半の家賃でありながら、高い人気を誇る物件となっています。

② リスクを先回りして解消する設計(ハード面)

『クラルス』のように猫共生住宅のプロが設計する物件は、オーナーが最も恐れる「退去時の修繕リスク」を最初からコントロールしています。

腰壁(上下見切り)仕様のクロス

猫が爪を研ぐのは、主に床から1メートル前後の高さです。

壁紙を上下で分け、下側だけを「傷に強いペット用クロス」にすることで、万が一傷ついても下の部分だけを安価に張り替えることができます。

キャットウォークやステップの標準装備

壁に最初からキャットウォークを設置しておくことで、入居者が勝手に壁に穴を開けて棚を取り付けるリスクを防ぎます。

このように、「入居者の満足度を高める設備」が、同時に「オーナーの資産を守る防衛策」にもなっている点が、優れた特化型物件の共通点です。

キャットステップ、キャットウォーク
猫ちゃんの隠れ場所
猫ちゃんがやけどをしないよう独立キッチン 正面には開閉式窓

キャットドア ※キャットウォークから洋室は入れるようキャットドアを設置してあります
トイレに猫ちゃん専用トイレ置場
キャットウォークにはキャットドアを設置

キャットウォークを見上げるかなり壮大です
独立キッチン 猫ちゃんの侵入を防ぎやけどなどしないように注意しています

■ ターゲットを絞る際の3つの鉄則


もし皆様が、所有する物件の空室対策や、今後の新築計画で「ターゲットを絞ろう」と決断された場合、成功のために守るべき3つの鉄則があります。

鉄則①:中途半端な「足し算」はしない

よくある失敗が、「猫も犬も、ついでに楽器もバイクもOKにしよう」という、ターゲットの足し算です。

間口を広げようとしてあれもこれも取り入れると、結局コンセプトがブレてしまいます。

例えば、猫の飼い主は「犬の激しい鳴き声」を嫌う傾向があります。「猫専用」と、「引き算」をしてエッジを立たせるからこそ、そのターゲットに深く刺さるのです。

鉄則②:ハード(設備)だけでなくソフト(規約・運営)もセットで考える

設備を整えるだけでは不十分です。

大切なのは入居後の「管理規約」です。「飼育できる猫は3匹まで」「ワクチン接種、不妊・去勢手術の義務化」「完全室内飼育の徹底」など、ルールを明確にしておくことでトラブルを防ぎます。

同じ「猫好き」という価値観を持ったコミュニティが形成されるため、マンション内のマナーが非常に良く保たれるという副次的なメリットも生まれます。

③ 仲介会社への「伝え方」を工夫する

どんなに素晴らしい特化型物件を作っても、地元の不動産仲介会社の営業マンがその価値を理解していなければ、一般のポータルサイトに埋もれてしまいます。

「この物件は、猫好きのためのこういう設備があります」という魅力を、パンフレットや内見時のPOP(ポップ)を使って仲介会社にしっかりアピールすることが大切です。

■ まとめ


これからの賃貸経営は「愛される尖った物件」に向かうとはずです。

少子高齢化、空室率の上昇が叫ばれる日本の賃貸市場において、これまでの「普通の部屋を、普通に貸す」というビジネスモデルは限界を迎えています。

市場に「猫共生賃貸」が少ない理由は、多くのオーナーがリスクを恐れ、古い常識に縛られているからです。

しかし、適切な対策さえ講じれば、これほどリターンの大きい市場はありません。

「一生住む家ではないけれど、今住む賃貸だからこそ、自分の好みと愛猫との時間に投資したい」

藤沢市亀井野の『クラルス』のように、そう願う現代の入居者の強い想いに真摯に向き合い、ターゲットを徹底的に絞り込んだ物件は、時代が移り変わっても色褪せることはありません。

家賃値下げ競争から完全に脱却し、入居者から「ここに住みたい」と指名される、愛される物件づくり。

万人受けを捨て、特定の誰かに深く刺さる「尖った賃貸経営」へ、一歩踏み出してみませんか?


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

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