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4.202026

賃貸物件の鍵紛失のリスク、を考える

目次

  • ■ はじめに
  • ■ 鍵を紛失した場合のリスク
  • ■ 鍵を紛失した場合の手続き
  • ■ 鍵交換費用と注意点
  • ■ 契約時に鍵交換をした場合の所有権は誰?
  • ■ まとめ

■ はじめに


賃貸借において、借主が契約期間中に鍵を紛失する、ということは少なからずあります。

万一、鍵を紛失した場合、誰にどのように連絡をすればよいのか、または鍵交換をした方がよいのか、わからないものです。

そこで、今回は、借主が鍵を紛失した場合の対処方法などを考えてみます。

■ 鍵を紛失した場合のリスク


鍵を紛失した場合、家に帰れない、というだけでなく、防犯・金銭・契約の3つの側面でリスクが発生します。

この、防犯・金銭・契約の3つの側面のうち防犯面については、気になる方は少なくないはずです。では、金銭・契約の面ではどのようなリスクが派生するのでしょうか。

次にまとめてみましたので確認してください。

1. 防犯上のリスク

①不法侵入・空き巣のリスク

鍵そのものに住所は書かれていませんが、免許証など住所がわかるものと一緒に紛失した場合、第三者に自宅を特定され、侵入される恐れがあります。

②合鍵の不正作成されるリスク

鍵に刻印されている「鍵番号」をメモされると、後日合鍵を勝手に作られるリスクもあります。

③尾行されるリスク

鍵を拾った人物が周辺を徘徊し、鍵が合う家を探したり、持ち主を尾行して特定したりする可能性が考えられます。 

2. 金銭的なリスク

①シリンダー交換費用

防犯の観点から、シリンダー(鍵穴)ごとの交換が必要になります。相場は15,000円〜30,000円程度ですが、オートロック連動型や特殊な鍵の場合はさらに高額(40,000円〜)になることがあります。

②解錠費用

鍵専門業者に依頼して家を開けてもらう場合、さらに10,000円前後の作業料が発生します。

③オートロック全戸交換の懸念

稀なケースですが、セキュリティの都合上、マンション全体のオートロックのシステム変更や全戸の鍵交換が必要と判断された場合、多額の損害賠償を請求される可能性が法律上の議論として存在します。 

3. 契約・退去時のトラブル

①善管注意義務違反

借主には「借りたものを大切に保管する義務」があるため、紛失は義務違反とみなされ、費用は全額自己負担となります。

②退去時の精算

紛失を報告せずに合鍵で済ませていても、退去時の鍵返却で本数が足りなかったり、メーカー純正キーでないことが発覚したりすると、その時点で交換費用を請求されます。 

紛失経過によるリスク

リスクの種類具体的な内容
紛失時のリスク帰宅できない、鍵業者への支払い、警察への届け出
紛失数日後のリスク第三者による侵入、ストーカー被害、管理会社からの注意
解約時のリスク退去時の敷金返還トラブル、原状回復費用の請求

■ 鍵を紛失した場合の手続き


賃貸物件の鍵を紛失した場合、防犯上のリスクを最小限にするためには、以下の手順で対応されることをお薦めします。

1.管理会社・大家さんへ連絡する 

まずは、管理会社または貸主へ連絡をすること。 

①スペアキーの確認

管理会社がスペアキーを保管している場合、本人確認(運転免許証など)ができれば解錠や一時貸し出しを受けられることがあります。

②承諾の取得

賃貸物件の鍵は貸主の所有物のため、借主の判断にて鍵交換を行う業者を呼んで交換することはできないのが原則です。鍵交換を行う場合、事前に管理会社、貸主の許可が必要となります。

③夜間・休日: 契約プランによっては、24時間対応の安心サポート窓口が利用できる場合があります。 

2.警察に「遺失届」を出す 

最寄りの交番や警察署へ鍵紛失による遺失届を提出すること。 

鍵が見つかった際に連絡がもらえるだけでなく、万が一悪用されて犯罪被害に遭った際の証明にもなります。

.火災保険・家財保険の確認

加入している火災保険や家財保険に「鍵の紛失・解錠サービス」が付帯していることがあります。 

保険が適用された場合、出張費や解錠費用が無料、または一部補填される場合があるため、保険会社へ問い合わせるか、契約内容を確認してください。 

鍵交換費用と注意点


①費用負担

原則として、解錠費用やシリンダー交換費用は借主の自己負担となります。

②鍵の交換

防犯上の理由から、鍵が見つからない場合はシリンダーごとの交換を推奨されることが一般的です。

③退去時のルール

退去時には入居時に受け取った全ての鍵を返却する義務があるため、合鍵で済ませて報告を怠ると、退去時に交換費用を請求される可能性があります。 

■ 契約時に鍵交換をした場合の所有権は誰?


契約締結時に鍵交換費用を借主が支払うという賃貸条件は多く見受けられます。この場合、鍵交換費用は借主が支払ったからと言って、鍵を紛失しても問題ないだろう、と考えることはできません。

結論から言いますと、借主が交換費用を負担した場合でも、鍵(シリンダー本体および鍵)の所有権は貸主に帰属するのが一般的となっています。

なぜ?貸主に帰属するのか、以下にまとめてみました。

①建物の一部(付合物)としての扱い

法律(民法242条)上の考え方では、鍵やシリンダーは建物と一体となって機能する「付合物」とみなされます。建物自体が貸主の所有物である以上、その一部である鍵も貸主の所有物であること。

②交換費用の負担

契約時に支払ったのは、借主の防犯のために行う「交換作業にかかる費用」であり、鍵そのものを買い取ったわけではないという解釈が一般的であること。

③善管注意義務

借主は貸主から鍵を一時的に「預かっている」状態です。

そのため、退去時にはすべての鍵を返却する義務があります。 

※注意点

①勝手な交換はできない

所有権が貸主にあるため、借主が自分の判断で勝手に別の鍵に付け替えることは、たとえ自費であっても契約違反になる可能性があります。

②紛失時の責任

所有物である鍵を紛失したことによる資産価値の低下(防犯性の喪失)を補填するため、紛失時の交換費用は借主が負担することになります。 

賃貸借契約書に記載されている鍵についての項目を確認してください。

■ まとめ


1.鍵の所有権と管理義務

賃貸の鍵は、契約時に借主が交換費用を負担した場合であっても、法律上は建物の付随物として貸主に所有権があります。

借主は貸主から鍵を預かっている状態であり、善良な管理者の注意をもって保管する「善管注意義務」を負っています。

    2.発生するリスク

    防犯リスク

    第三者に拾われ、住所を特定された場合に空き巣や不法侵入を許す恐れがあります。

    金銭リスク

    紛失は借主の過失となるため、開錠費用やシリンダー交換費用(相場1.5万〜3万円以上)は全額借主負担となります。

    契約リスク

    無断で鍵を交換することは契約違反になる可能性があり、また退去時に紛失が発覚すると原状回復費用として精算時に請求されます。

    3.必要な手続きと順序

    管理会社・貸主への連絡

    スペアキーの有無を確認し、防犯のための鍵交換について許可を得る。

    警察への遺失届

    悪用防止と、発見時の連絡のために速やかに届け出る。

    保険の確認

    加入している家財保険等に「開錠・交換サービス」が付帯していないか確認し、費用負担を軽減する。

    以上にように鍵を紛失した場合、、防犯・金銭・契約の3つのリスクがあるため、紛失した場合、管理会社・貸主へは至急連絡のうえ、対応をいてもらうことが大切です。


    ■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

    私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

    1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
    東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
    コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

    ●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

    ●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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