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3.22026

不動産売買の「価格はあってないようなもの?」の真意、を考える

目次

  • ■はじめに
  • ■不動産の売買仲介は価格があってないようなもの
  • ■正当な価格を知るためのポイント
  • ■目的を達成するためには、スケジュール表を
  • ■まとめ

■ はじめに


不動産の売却を行うとする場合、「査定額」を知りたい、と考えることは必然と思われます。

しかし、いざ、売却を行うと、「査定額より高く売れた」と言われる方や「査定額より安くなった」と言われる方など査定額の異なる成約結果があります。

「不動産の売買仲介は価格があってないようなものだね」と思われる方もおいでになると思いますが、実は不動産の売買仲介では、「不動産の売買仲介は価格があってないようなもの」が不動産業界の実態を非常によく捉えている表現です。

今回は、どうして「不動産の売買仲介は価格があってないようなもの」なのか、そしてどのように価格を知ることができ、その価格を維持しながら売却を行うことができないのか、を考えてみます。

■ 不動産の売買仲介は価格があってないようなもの


不動産は、スーパーなどの品物のように定価が決められていないため、最終的に「売主が売りたい価格」と「買主が買いたい価格」が合意した金額が「成約価格」になるという構造となっているからです。

なぜそのような構造となっているのか、その背景にある主な要因は以下のとおりです。

例えば隣接土地であっても日当たり、接道の向き、室内の綺麗さ、土地の境界がハッキリしているか等で価値が異なりことや「子供をこの小学校に通わせたい」「実家の隣が空いた」など、特定の個人にとっての「どうしても購入したい理由」が重なると、相場を無視した高値で成約することがあります。

また、販売直後の「新着物件」として注目されている時期が最も高く売れ、時間が経つほど「売残り感」が出て価格を下げざるを得なくなります。

さらに、不動産会社が提示する査定価格は、あくまでも「この価格なら売却できる可能性が高い」という目安であり、売却活動を行う際の売出価格は売主が自由に設定できる点からも売買価格が「あってないようなもの」な理由です。

さらに、一般の買主には適正な相場というものがわかりにくく、依頼する不動産業者の価格提案に依存しがちな側面がある点も理由の一つに挙げられます。 

※「価格」を左右する仲介の構造

不動産業者は、売却希望者からの依頼を取るために、査定価格を理由なき根拠のもと高く提示し、売却活動後で「売れない」として価格を下げさせる手法もあり、査定価格の不透明さも: 売買価格が「あってないようなもの」な理由です。

■ 正当な価格を知るためのポイント


「あってないようなもの」だからこそ、後悔しないために実勢相場を見極めることが重要です。

不動産における「価格査定」とは、売却した場合にこの価格なら売却できる可能性が高いという予想価格を不動産会社に算出してもらうことを指します。 

また、その判断材料は、近隣の似た物件の取引事例、築年数、立地、日当たり、市場の流行などを総合して計算されます。 

●信頼できる査定書から判断する方法(実務的な予測)

1. 「成約事例」が記載されており、その成約事例が具体的かつ対象地の近隣であるか

2. 「個別要因の修正」に比較する物件との差をどのように補正したか。

例: 「対象物件が比較する物件より日当たりが良いから+3%」

「対象物件の地型の変形によりー5%」

など、プラスマイナスの理由と数値が明記されているか。

3. 「市場動向」が加味されているか

市の人口予測や、地域の年齢別人口の推移。そして最寄駅の乗降客数の増減などが明記されているか。

※一般的に、「売出価格」と、実際に売れた「成約価格」の間には、平均して約4〜5%程度のプラス、マイナスの乖離が発生すると言われています。

よって、査定書にこの乖離についての説明をされているか、否かによっても価格の信頼性が異なります。ただし、一般的にこの乖離を見越して算出されるべきものですが、必ずしも売出価格と成約価格が一致するとは限りません。 

●4つの公的指標から判断する方法(客観的な市場把握)、(底値の把握)

査定の「根拠」や「補正」のために参照される公的な数字です。

指標公表主体特徴
公示地価国土交通省土地取引の最も標準的な目安。 実勢価格(売買価格)の約90〜100%が目安。
基準地価都道府県公示地価を補完する指標。 7月1日時点の価格で、速報性が高い。
相続税路線価国税庁相続税計算の基準。実勢価格の約80%程度。 土地の形による補正に使う。
固定資産税評価額市町村固定資産税の基準。実勢価格の約70%程度。 建物評価の基礎になる。

個別的な評価ポイント(加減点)

上記の指標をもとに対象地と以下の要素で比較すると、より詳しい価格が算出できます。

①土地: 接道状況(道の広さ)、土地の形状、方位、境界の有無

②建物: 室内状態(リフォーム歴)、住宅設備、耐震性、アスベストの有無

③環境: 駅から徒歩分数、周辺施設(スーパー・病院)、騒音・嫌悪施設の有無 

■ 目的を達成するためには、スケジュール表を


不動産売却において、スケジュール表は「価格」を守るための生命線と言えるほど重要です。

不動産売却の平均期間は3〜6ヶ月、長ければ8ヶ月程度かかることもあります。

万一、スケジュール表を作成していないと「いつまでに売るか」という出口戦略が曖昧になり、結果として価格を叩かれるというリスクが高まります。 

スケジュール表が大切な理由は以下の3点です。

1. 「焦り」による安値売りを防ぐ

引越しや住み替えの期限が迫っているのに購入希望者が見つからないと、焦りから大幅な値下げをせざるを得なくなります。

逆算したスケジュールがあれば、余裕を持って売却活動できる期間を確保することが可能です。

2. 税金や特例の「期限」を確認できる

不動産売却には、所有期間による税率が異なり、居住用の場合3,000万円特別控除の適用期限(居住しなくから3年目の12月末まで)など、税法上の期限が存在します。

3. 不動産会社の「中だるみ」を防ぐ

売却活動が長期化した場合、市場では売れ残り、というレッテルを張られる場合があります。

スケジュール表で「1ヶ月ごとに進捗を確認し、3ヶ月で成約を目指す」といった売主と不動産会社との間で共通認識を持つことにより、販売戦略を最適化できます。 

■ まとめ


不動産売買仲介の売却価格は、明確な定価がなく「売主の売りたい価格」と「買主の買いたい価格」が折り合った地点で決まるため、相場は目安に過ぎません。

市場動向、売主の売却期限、買主の熱意など心理的な要因も価格に大きく影響し、取引相手やタイミングで価格が変動しやすいと言えます。 

また、売主から見て価格というのは非常に判断しにくいため、「相場・査定・理論値」の3つの視点を組み合わせることで、根拠のある価格が見えてきます。

1. 「複数社」に査定を依頼する(実務的な予測)

2. 自分で「相場」を調べる(客観的な市場把握)、公的指標から「理論値」を計算する(底値の把握)

一般的には不動産業者は、以上の点を網羅してお伝えするはずです。

万一、納得できなければ、不動産業者を変えるなり、納得のうえ、売却されることをおススメします。


■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。

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