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9.162023

相続実例③相続中に新たな相続が発生した事例

月イチにて相続実例をご紹介させていただきます。                       よろしくお願いいたします。

相続実例

■数次相続:相続中に新たな相続が発生した事例

※数次相続とは、相続が発生して遺産分割協議等が終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり次の相続が発生してしまうことを指します。最初に起こった相続を「一次相続」、次に起こった相続を「二次相続」と呼びます。そして、亡くなった一次相続の相続人(=二次相続の被相続人)の相続分は二次相続の相続人が引き継ぐことになります。

●父親が亡くなられました。そして後を追うように長男が5か月後に亡くなられました。

相続人である被相続人Aの二女から相談を受けました。

相続人は、お亡くなりになられたお父様の長女の代襲相続人である被相続人Aの長女の長男・長女、そして相談を受けました被相続人二女の3名。

相続関係説明図

相続関係説明図コラム3-1

●依頼内容

父親が亡くなって四十九日を過ぎて相続の相談を行う予定でしたが、被相続人Bである長男が体調を崩し、父親の死後5か月後に亡くなられたのです。

数次相続は相続に馴染みのない方には、何から手をつけてよいのかわからないことだと思います。手続き自体も複雑になるケースも多いため、ご相談にお越しになられたのです。

ご相談の内容としては、後述しますが、預貯金と自宅。自宅を売却して税金を支払った手取り金額を相続人3人で分けるという内容です。

●相続財産

預貯金、自宅(土地・家屋)

相続税は、基礎控除内のため、発生しません。

●結論

相続手続きに必要な書類の取得 遺産分割協議のアドバイスなど

自宅売却を完了し、遺産分割協議書のとおり相続人3人で分割のうえ完了いたしました。

今回の相続では、相続税の納付の問題はなく、単純に相続財産を3人で分ける手続きでした。

ただ、数次相続というのは相続に必要となる書類などが多く、相続関係図の記載方法、登記申請における記載方法などが非常にわかりづらいということです。

では、通常の相続と数次相続とは何がことなるのか、簡単にご説明させていただきます。

まず、数次相続が起きた場合、通常の相続の進め方とどのような違いがあるのでしょうか。

1.相続手続き

原則、一次相続と二次相続それぞれ行う必要があります。

二次相続の相続人は2件分の相続の当事者になるので、手間や負担が増えます。

2.遺産分割協議

一次相続の遺産分割協議は二次相続の相続人も交えて行う必要があります。

一次相続の相続人が増えるケースでは話し合いがまとまりにくくなります。

3.相続税の申告

二次相続の相続人が一次相続の納税義務を引き継ぎます。

二次相続人の税負担が増える場合があります。

また、相続には数次相続と間違いやすい制度があります。その間違いやすい制度として

代襲相続・再転相続・相似相続があります。

この数次相続・代襲相続・再転相続・相似相続の分類の仕方は、「一次相続人の相続人(二次相続の被相続人)が亡くなる時期」です。

この時期の違いによって、どの相続に分類されるかが変わるのです。

代襲相続:最初の被相続人が亡くなる前に死亡した場合

再転相続:最初の相続の熟慮期間(3ヶ月)が経過する前に死亡

数次相続:最初の相続の遺産分割が終了する前に死亡した場合

相似相続:最初の相続から10年以内に死亡した場合

数次相続と代襲相続・再転相続・相似相続では相続人の範囲や手続き方法が異なりますので必ず専門家に依頼をしてください。思わぬ落とし穴が待っているかもしれません。

●ポイント

数次相続は2件以上の相続が同じ時期に発生しているいますので、相続手続きは原則として2件分の手続きを行うことになります。

■記事の投稿者 飯島興産有限会社 飯島 誠

私は、予想を裏切るご提案(いい意味で)と、他者(他社)を圧倒するクオリティ(良質)を約束し、あなたにも私にもハッピー(幸せ)を約束し、サプライズ(驚き)パイオニア(先駆者)を目指しています。

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。

●資産管理(相続・信託・後見制度)につきましては、こちらをご参照ください。

●ご売却をご検討の方は、こちらをご参照ください。

●賃貸をご検討の方は、こちらをご参照ください。