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NEWS

12.292022

コラム

コロナ禍の不動産市場

コロナ禍による不動産市場の変化

新型コロナウイルス感染症が2019年12月初旬に、 中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから、3年が経ち不動産市場にも様々な変化が見受けられます。
不動産価格の上昇、資材価格の上昇、金利の上昇、住まい方の変化など。そのうち住まい方の変化で一戸建て住宅が人気です。

マンションブームは終わり?

その一戸建ての中でも、都心部で狭小住宅といわれる、従来の宅地に比べて狭い面積に建てられた主に3階建ての住宅を購入する方が増え続けています。
その狭小住宅が郊外でも人気が出てきそうな気配です。
そもそも都心部の土地やマンションの価格はご存じのとおり上昇を続けてきました。
建築資材の高騰によって、新築タワーマンションの坪単価が400万円を超え、80㎡(約24坪)の広さで販売価格が億ションに。

かつて「億ション」を購入していたのは、会社の経営、資産家、医師といった、いわゆる富裕層でした
しかし、現在「億ション」を購入しているのは、サラリーマンが多いというのです。
たしかに、現在は、極めて金利の低い時代です。長期のローンを組めば、6000万〜7000万円程度は、年収の高い会社員なら借り入れが可能です。さらに共働きの夫婦であれば、その倍近く、2人で総額1億円以上のローンを組むことができます。
そこで登場してきたのが、パワーカップルと言われる共働きの夫婦です。

三菱総合研究所では、パワーカップルの定義を共働きで夫の年収が600万円以上、妻の年収が400万円以上の世帯年収1,000万円の夫婦を指すとしています。

話を戻しますが、こうした背景から、土地の価格が安くつき、木造ゆえに建築費も抑えられる狭小住宅の人気がじわり高まってきたわけです。
狭小住宅に明確な定義はありませんが、一般に15坪(約50㎡)以下の土地に建築された住宅をいいます。
※ハウスメーカーによっては20~30坪以下の土地面積の住宅を指す場合もあるようです。

狭小住宅のメリット

1.狭小住宅の一番のメリットは、好立地の場所に住宅を建築できることです。

例えば、住宅地の地価で考えた場合、藤沢市での建売住宅の土地面積、120㎡(36.30坪)です。狭小住宅の土地が49.58㎡(15坪)とした場合には土地の価格は、約40%で購入できる計算になります。 

参考資料:藤沢市の新築マンション(2017年~2022年11月)平均価格 5,052万円 平均面積 69.56㎡ 平均坪単価 240.1万円

2.一部屋当たりの面積は一般的な住宅に比べて小さくなりますので、光熱費などの生活コストが低くなる傾向があります。また清掃や修繕などのメンテナンスコストも小さくなるといえるでしょう。

3.都心の狭小住宅を拝見すると、子供部屋の階、家族が集う階、風呂やトイレなどの水回りの階など、目的・用途によってメリハリをつけて分けることが可能になるようです。また、デザインや家具などの統一感も出しやすいように感じます。狭いがゆえの創意工夫を楽しむことができるとも言えます。

狭小住宅のデメリット

1.スペースに横の広がりがないため、動線がどうしても上下に偏ります。洗濯場と洗濯物を干すスペース、風呂場と洗面所、キッチンとダイニングなどの特に水回りに関わる動線が上下に離れてしまうと階段で移動しなくてはならなくなるので、生活に不自由さが増すことになります。しかも、狭小住宅の階段は傾斜の強い傾向にあるものが多いので注意が必要です。

2.スペースに余裕がなく、ドアの幅や階段、部屋自体の広さが足りないために手持ちの家具などを搬入しずらいことも考えられます。

選択肢の一つ

狭小住宅は、平均の一戸建てと比べて狭い面積の土地に建築することになります。

そのため、居住性や機能性を平均の一戸建てと同程度とするためには、建物を高くすることが必要です。結果、狭小住宅は、3階建てが多くなります。

3階建ての建物建築する場合、2階建の一戸建てと違い構造計算書が必要となるため、2階建ての建築物よりも費用がかかります。

 また、狭小住宅は、土地が狭く、形状も特殊な場合が多いため、設計・建築にはそれぞれの形状に応じた工夫が必要になります。そのため、設計・建築費用も割高になります。

ただし、土地の狭さや不便さを感じさせないように、設計や仕様に創意工夫が凝らされていて、それゆえにデザインも個性的。狭小住宅を売り物にしたハウスメーカーが急成長を遂げるほど人気のある分野となっています。

狭小住宅のメリットは、コストが安い、といった点です。デメリットは、やはり狭い、という点。

地価の上昇、金利の上昇。資材の高騰など不動産市場の2023年を考えた場合、狭小住宅という選択も増えると言えるかもしれません。

■記事の投稿者 

飯島興産有限会社 飯島 誠