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2.42023

繁忙期に決まる物件にする方法

今年も春の引越しシーズンを迎え、入居者の退去が起きやすい時期です。春の引越しシーズン=繁忙期は1年の中でも入居者の退去が起きやすい反面、1年の中で最も入居者が決まりやすい時期でもあります。すでに2月に入り、残る2ヶ月の繁忙期にオーナー様が行ったほうが良い対応についてまとめてみました。

退去の連絡が明暗を分ける

通常、入居者が退去する場合、管理会社を経由して退去の申出を行います。

この退去の申出をどれだけ早く、確認が取れるかが成約できるかの鍵を握ります。と、いうのも退去日を早めに確認が取れると、原状回復工事の予定も組みやすく、流行りの設備を導入するか否か、段取りが組みやすくなります。

すでに2月に入っていることもあり、退去の確認について詳細は省きますが、この時期、募集されているオーナー様は、

 ①競合物件の賃料と設備の内容を比較して適正賃料

 ②インターネット掲載による反響状況

 ③この繁忙期に成約している物件の状況

を把握することをお勧めします。

募集条件の見直し

この時期に、近隣相場・反響状況・成約状況などを総合的にみて競争力に問題があると、判断した場合には、募集の条件を見直す必要があります。

募集条件の見直しと言えば、

 ①賃料及び管理費

 ②敷金

 ③礼金

の見直しが必要になります。

 例えば、①賃料及び管理費に関しては賃料の見直しではなくインタネット掲載の方法を「賃料61,000円 管理費なし」で募集を行っている場合、「賃料58,000円 管理費3,000円」と変更した場合、「6万円まで」の検索に対し、ヒットしますので、「多くの方の目に留まる。」ということだけに着目した場合、効果は小さくないと思います。

 ただし、気を付けていただきたいこともあります。

最近の傾向として敷金ゼロ・礼金ゼロと、ゼロゼロ物件を探す方も多く、敷金がゼロのため、万一、夜逃げなどの不測の事態により、荷物等の搬出費用・原状回復工事費用がオーナー様負担となる場合も想定されます。

 このようなリスクヘッジのために、敷金をゼロにするのではなく、分割で賃料に上乗せする方法や家賃保証会社を利用していただくことにより回避することは可能です。

退去される方も1月・2月と早めにされる方もいますが、大抵の方は3月の中旬から末にかけてとなります。

物件写真の大切さ

お部屋を探されている方の情報源は、インターネットです。そして、写真などの視覚的な要素が以前よりも重要視されるようになってきています。

不動産会社を選ぶポイントとして、7割の方が「写真が多い」ことを挙げているというデータもあります。

この「写真が多い」ことの理由として物件の写真は部屋の雰囲気や、実際に住んだときのイメージを想像しやすいことのようです。

また、スマートフォンで物件探しをされる方が年々増えていることも、写真重視の傾向をさらに後押ししています。

スマートフォンはパソコンより画面が小いため、文字より写真に目が行きやすいためのようです。

雰囲気の伝わる写真を可能な限り多く掲載することが、反響を増やすために必要となっています。

清潔感を保つ

また、いくら素敵な写真を掲載しても管理が行き届いていなければ成約には至りません。

建物の敷地内において気にするべき点として、

【敷地内の維持管理】

 ①共用灯の球切れ

 ②共用廊下の清掃(タバコ・ごみ・落ち葉など)

 ③ゴミ置き場の清掃

 ④雑草の処理

 ⑤自転車・バイク車両の整頓、放置車両の処分

が挙げられます。

【室内の維持管理】

空室のお部屋は排水管からの臭いや虫の発生が予想されます。内見を行った際、印象が悪くなることは未然に防ぐ必要があります。常に清潔感のある印象を与えるため、定期的に室内のチェックを行うことも必要です。

 ①水周りの通水 

※定期的に水を流すことにより水が蓋代わりになり、臭気や虫が上がってこなくなります。また、サランラップをかぶせておくの有効のようです。       

 ②空気の入替え

 ③簡易清掃

 ④内覧用のスリッパ設置

 ⑤芳香剤の設置

 ⑥消毒液(コロナ予防)の設置

【設備のアップグレード】

設備投資をすれば、成約の可能性がもちろん高くなりますが、高額な費用を捻出することは難しいものです。比較的少額でも印象が良くなる工事項目を挙げてみます。

 ①テレビモニターホン

 ②温水洗浄便座

 ③アクセントクロス

繁忙期もあと2ヶ月です。出来ることをやりつくしてみてはいかがでしょうか。必ず満室経営への道が開けるはずです。

■記事の投稿者 

飯島興産有限会社 飯島 誠

1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。