賃貸市場繁忙期
年も明け、いよいよ賃貸業界の繁忙期がやってまいりました。
一般的には11月中旬から3月までが、賃貸業界の繁忙期と言われています。
不動産業者の中でも入居者斡旋業を中心に行っている業者では、この繁忙期(約5ヶ月間)で1年間の大半を占める売上げを上げている業者もあります。
コロナ禍での2年間
遡って一昨年(2021年)の繁忙期の動きについてですが、1月8日から3月21日まで緊急事態宣言が発令されていました。
弊社のみならず業界全体としては、誰もが予想していたとおり例年より入居希望者の動きが少なく、また2月で動きが止まった感がありました。
結果、繁忙期に期間を通して入居希望者の動きは少なかったとの声が多かった様です。
昨年(2022年)繁忙期の動きとして年始から新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)が猛威を振るい、東京では1日の感染者数が連日最多を更新し続けました。
一昨年と同様に弊社のみならず業界全体としては、コロナ禍以前と比べて入居希望者の動きが少なく、退去する方の動きも少なかったとの声が多かった様です。
空室を生まないために
今回はコロナ禍の状況でいったいどうなるのでしょうか?
年が明け、成人の日以降に入居希望者の状況が見えてくるとは思います。
弊社の状況では、弊社では毎年11月には退去アンケートを実施し、翌春に退去されるお部屋が判明します。結果、年内には大半のお部屋に申し込みをいただきます。この繁忙期における募集のお部屋の8割は申込済ないし契約済となっています。
この3年にわたるコロナ禍における不動産業界における募集方法、オーナー様による入居希望者に沿う設備の導入、入居希望者のニーズの変化と様々な変化がありました。
今回、全国賃貸新聞社が発表した全国の不動産会社を対象に「賃貸住宅における人気設備アンケート」を実施し、回答を得た「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる」と「この設備がなければ入居が決まらない」の各トップ10の結果から、最新の傾向が見えてきましたのでご紹介させていただきます。
【この設備があれば周辺相場より家賃が高くても入居が決まる】
<単身者向け>
1位 インターネット無料
2位 エントランスのオートロック
3位 高速インターネット
4位 宅配ボックス
5位 浴室換気乾燥機
6位 独立洗面所
7位 システムキッチン
8位 24時間利用可能なゴミ置き場
9位 防犯カメラ
10位 追い炊き機能
<ファミリー>
1位 インターネット無料
2位 追い炊き機能
3位 エントランスのオートロック
4位 高速インターネット
5位 システムキッチン
6位 宅配ボックス
7位 浴室換気乾燥機
8位 ガレージ
9位 ホームセキュリティー
10位 24時間利用可能なゴミ置き場
【この設備がなければ入居が決まらない】
<単身者向け>
1位 室内洗濯機置場
2位 TVモニター付きインターホン
3位 インターネット無料
4位 温水洗浄便座
5位 独立洗面所
6位 エントランスのオートロック
7位 備え付けの照明
8位 宅配ボックス
9位 高速インターネット
10位 ガスコンロ
<ファミリー>
1位 追い炊き機能
2位 室内洗濯機置場
3位 TVモニター付きインターホン
4位 独立洗面所
5位 温水洗浄便座
6位 インターネット無料
7位 システムキッチン
8位 ガスコンロ(2口・3口)
9位 エントランスのオートロック
10位 宅配ボックス
以上のランキングからコロナ禍における生活様式の変化が、設備の要望にも影響を及ぼしていることがわかります。
これらは不動産会社のアンケートを基にしたものですが、オーナー様にとっても入居希望者のニーズを把握し、より反映していくことが、満室経営の近道になると言えます。
■記事の投稿者
飯島興産有限会社 飯島 誠
1965年神奈川県藤沢市生まれ。亜細亜大学経営学部卒業。(野球部)
東急リバブル株式会社に入社し、不動産売買仲介業務を経て、その後父の経営する飯島興産有限会社にて賃貸管理から相続対策まで不動産に関する資産管理、売買仲介、賃貸管理を行う。
コラムでは不動産関連の法改正、売買、賃貸、資産管理について、実務経験をもとにわかりやすく発信しています。